自称泣きゲーのモブに転生~メーカーは泣けるとかほざいてるけど理不尽なヒロイン死亡エンドなんていらねぇ!!   作:荒星

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 更新再開します。


第21話 第三モンスター技術研究所

 中学二年生の冬休み明け、俺は学校で授業を受けていた。

 

「寝みい……」

 

「ホラ悠馬! シャキッとしなさいシャキッと!」

 

 俺がうとうとしていると、隣の席の冬香が俺に注意をして来る。

 

「けど冬香、お前だって目の下に隈出来てるぞ。昨日は激しかったからな……」

 

「わ、分かってるわよ。私だって休み時間は寝るつもりだし、アンタも少しは頑張りなさい!」

 

 この会話だけ聞くと、昨日一晩中何か卑猥なことをしていたように聞こえるかもしれない。

 だが、俺たちが昨日味わったのは地獄である。

 つい体術教室の休憩中に茜が居なくなった隙を見て、望月茜の結婚できない理由当てゲームをしていた所を見つかってしまったのだ。

 そして罰として茜と組み手をさせられた後、一晩中店と茜の所有するスポーツカーの掃除をやらされた。

 

 ――全く! だから結婚できないんだ!

 

 一瞬凄まじい悪寒がしたが、気のせいだと思いなおして俺はまた夢の世界へ旅立っていった。

 

 

 

「悠馬ー、この後どうする? 何処かのファミレスでご飯食べて行かない?」

 

「あ、僕も行く」

 

 放課後、授業も終わり帰り支度をしていると冬香が俺に声をかけて来た。

 

「あー、ちょっと待ってくれ。姉さんに今日どうするか聞いてみる」

 

 俺が姉さんにメッセージを送ると直ぐに返事が返ってきた、どうやら今日は浅野潤が久しぶりに帰ってきたから一緒に夕食を食べるそうだ。

 

「姉さんも他所で食べるらしいし、俺も行くわ」

 

 そうして俺はその日、深く考えることもせずに冬香と龍斗と一緒にファミレスへ繰り出した。

 

 

 

 しかし、五日後。あれ以来姉さんと連絡が取れなくなっており、メッセージを送ってもみたが既読すら付かなくなっていた。

 

「ちょっと悠馬? 本当に大丈夫?」

 

「大丈夫大丈夫……」

 

 俺はしばらく寝ていない。一晩中姉さんから連絡が来るのを待っているからだ。

 

「ねぇどうしたの、悠馬? なんかあった?」

 

 授業中も上の空の俺を冬香は心配してくれるが、俺の意識はずっとポケットの中のスマホに向いていた。

 

「大丈夫だ」

 

「どう考えたって大丈夫じゃないと思うんだけど……」

 

 その時、スマホが震える。

 

 俺は授業中にも関わらずスマホを開き、姉さんからの返信を見るや否や教室の窓から飛び出した。

 

「え!? ちょっと悠馬!?」

 

「おい鈴木! どこに行く!? それにお前ココ三階だぞ!? 危ないじゃないか!」

 

 そして校庭に着地すると、俺はそんな先生や冬香の声を無視して走り出す。

 

『もうあえない、ごめんゆうま』

 

 姉さんから届いたのは、そんなメッセージだった。

 

 

 

 

 

「すいません! ここに浅野円華は居ませんか!?」

 

 まず、俺はイザナギ学院に当たってみることにした。

 

「え? な、なに? 君。円華ちゃんの知り合い??」

 

「俺は……俺は、あの人の弟です! 姉さんが何処に居るのか知りませんか!?」

 

 俺が必死な形相で詰め寄ると、その女の人は若干引きながらも答えてくれる。

 

「ごめん、知らないんだ。僕も何日間も円華ちゃん休んでるから心配で……あれ? 何処に居るのかわからないって? 円華ちゃんって風邪じゃないの? てっきり……あ! ちょっと!?」

 

 俺はその人の答えを最後まで聞かずに、姉さんが居そうな場所にまた走り出した。

 

 姉さん自身の家、いつも買い出しに来るスーパー、姉さんがいつも可愛い服が入荷する度、俺にバレないようにガラスに張り付いてる服屋、俺達が偶に外食しに行くファミレス。

 

 俺は様々な場所を探し回ったが、ついぞ姉さんを見つけることは出来なかった。

 

「痛ッ」

 

 探している最中雨が降ってきて、傘もささずに町中探し回っていたが滑って転んでしまう。

 

 ――そういえば、姉さんは居なくなる直前のメッセージでなんて言っていた?

 

 確か、俺が姉さんに夕食を何処で食べるか聞いた際、姉さんは浅野潤と食べると言っていた……

 

 だが浅野潤は組織に認めてもらうために海外へ行っていたハズだ。

 

 その後、浅野潤は邪神教団の手伝いの末に邪神の欠片を貰ったらしい。そして、ラスティア原作開始時には姉さんには邪神の欠片が埋め込まれている。

 

 まさか!?

 

 俺は立ち上がるとまず家からマジックバック改を取ってきてから、本編での浅野潤がアジトとして使っていた場所へ向かった。

 

 

 

「邪魔だァァァッ!!」

 

 俺は警備用に配置されていたキメラ:typeDと強化型ライカンスロープを力任せに切り裂いた。

 

「クソッ! 建物のがデカすぎるし、数が多すぎる!!」

 

 第三モンスター技術研究所、通称モンスター技研。ここは本来であれば政府直轄のモンスターの生態や弱点などを研究する機関だが、その実邪神教団と繋がっていて浅野潤は一年前からココの所長も勤めている。

 

 本編にて姉さんはこの研究所で、邪神の欠片を植え付けられたと言っていた。

 

 だからこの研究所に来ていたのだが、ココには厄介なモンスター達が多数配備されている。

 

 強化型モンスター達。こいつらは制御機械を取り付けられていて、飼い主の命令に忠実に従う。

 厄介なのは指令は人間が出しているので統率が取れていることと武装していることで、場合によってはミニガンやロケランを装備している個体も居る。

 

 そして最も厄介なのはキメラ達。奴らは俊敏でパワーもあり、もはや元のモンスターが何だったのかわからないレベルまで改造されており、目的毎にtypeI、typeD、typeRなど他にも様々な種類が居る。

 

 先手必勝。キメラtypeDと強化型ゴブリン数匹が通路の先から歩いて来たので角から飛び出し、イグニススラッシュでキメラの首を切り落として振り返りながら、レイスラッシュでゴブリン二匹を横に切り裂いた。

 

「遅い!」

 

 俺はそのまま、咄嗟のことで反応しきれていない強化型ゴブリン残り2匹の首を跳ね飛ばす。

 

 ――待っててくれ、姉さん!!

 

 俺は、姉さんのいるであろう最深部を目指して走り出した。

 

 

 

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