自称泣きゲーのモブに転生~メーカーは泣けるとかほざいてるけど理不尽なヒロイン死亡エンドなんていらねぇ!!   作:荒星

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第11話 見張る者

 休み時間。どこからか俺が決闘するという話を聞きつけ、俺を心配した花音と和人と話をしていた。

 

「悠馬君、明日決闘するって本当!? しかも退学を掛けてって!」

 

「あー、ホントだぞ。というかその話ずいぶん広まってんだな」

 

「当たり前だろ。どこもかしこもお前とあの嫌味なお貴族様の話で持ち切りだぜ」

 

「マジでか」

 

 俺が驚いたような顔でそう言うと、花音は心配そうな顔をした。

 

「ねぇ悠馬君、本当に大丈夫? 悠馬君が強いのは知ってるけど、相手はAクラスだよ? 私、友達が居なくなるのはやだよ……」

 

「大丈夫大丈夫」

 

「んじゃ俺はお前に今持ってる全財産賭ける。だから、負けんじゃねえぞ! ダチ公」

 

「おう」

 

 決闘。ゲーム時代でもあったシステムで、主に二年生から始まるランキングにて上のランキングの生徒に挑み、順位報酬を頂いていくというシステムだった。

 無論挑戦された生徒が負けた場合には順位が変動するが、挑戦された生徒が勝った場合はダンジョン産のアイテムや武器、防具などが学校から貰える。

 どうやらこの世界ではランキング戦もあるが、主に揉め事が起きてどうしても解決しない場合の最終解決方法として用いられるらしい。ちなみに賭けもある。

 

「悠馬は居るかー!!!」

 

「ん? どうしたんですか? 茜さん」

 

「ん? じゃない! ん? じゃ! お前、制限無しの決闘するなんて正気か!?」

 

「だって挑まれましたからね」

 

「この時代に制限無し決闘を申し込んで来るバカなんて居るのか!? ……それで、どうするんだ。その相手を殺すのか? だとすると俺の立場的に止めなきゃならんのだが」

 

「殺しませんよ、勿論決闘なんで今までの憂さを晴らすくらいはさせて貰いますけど……」

 

「ほどほどにな? ほどほどに……」

 

「まさか茜さんがほどほどに、なんて言う日が来るなんて思いませんでしたよ。それに俺の心配はしないんですか? 茜さん」

 

 俺が意地の悪い笑みを浮かべると、茜はきょとんとした。

 

「いや、だってお前が負けるなんてあり得んだろ……」

 

「ハハハ……まぁ」

 

「まあ取り敢えずわかった。死者の出かねん決闘も学園のシステム的に受諾しなきゃいけないが、俺は個人的に止めようと思っていたんだ……だがその様子だと大丈夫そうだな。明日、頑張れよ」

 

「ハイ!」

 

 そう言い残し、茜は去っていった。

 

「お前……学園長と知り合いだったのか?」

 

「色々あったんだよ、色々と」

 

 

 

 一日後。俺はまるで闘技場のような場所で、ジェームズの野郎プラスその取り巻きと相対していた。

 

「で、決闘って聞いてたんだけど? 決闘って複数人でするものだっけ?」

 

「私は言っただろう? なんでも有りだと。お前如き、私自ら相手にするまでもない」

 

 ジェームズがどや顔でそう言うと、会場は沸き立った。

 

「いいぞー! ジェームズー! やっちまえー!」

 

「ジェームズ! お前に賭けたんだからさっさと捻り潰せー!」

 

「そうよ! 落ちこぼれのEクラスの奴なんかさっさと退学させちゃえー!」

 

「お、おい。あれは流石に卑怯なんじゃないか?」

 

「けど、一応双方合意の下で決まったルールだからな……」

 

「卑怯者ー!」

 

「鈴木ー! そんな気取った卑怯者なんてやっちまえー!」

 

 俺がそんな声を聞きながら苦笑いしていると、今度は皆の声が聞こえてきた。

 

「負けんじゃねえぞ悠馬! そんな奴ぶっ飛ばしちまえ! そして何より俺の全財産の為に!」

 

「頑張ってください! 悠馬君!」

 

「師匠! 師匠が負ける事なんてあり得ません! 信じてます!」

 

「悠馬ー! 頑張れー! そんな気取った野郎なんてさっさとぶっ飛ばしちゃいなさい!」

 

「頑張って悠馬! 悠馬なら絶対に勝てるから!」

 

「そうだぞ悠馬! 悠馬には私達が付いてる!」

 

 俺が笑顔でみんなの方に手を振ると、進化した血濡刀ムラサメと絶刀ムラマサを抜いた。

 

「この人数差で勝つつもりかい? やはり君は馬鹿だな」

 

「うるせーな。それに、やってみないと分からないだろ?」

 

「フッ、じゃあ精々頑張りたまえ。行け! お前たち!」

 

 ジェームズの合図で飛び掛かって来る取り巻きども五人を尻目に、俺は疾風迅雷・真を発動させた。

 

「グべッ」

 

 一人目。先ずは吞気にバスターソードを振ってきた大柄の男の顔面に、バスターソードを搔い潜りながら蹴りを入れ、闘技場の壁に叩きつける。

 

「ッ!?」

 

 二人目。ジャックナイフ片手に突っ込んできたので、手からナイフを弾き刀を返して刀の棟で首を打ち気絶させる。

 

「ガハッ!?」

 

 三人目。斜め後ろから奇襲しようとしてきたので、後ろを見ずに柄で腹を打ち戦闘不能にさせた。

 

「やりやがったな!?」

 

 四人目。魔法を放ってきたので、一撃目を相手に突っ込みながら身を逸らす事により回避し、二撃目を刀で切り落とし懐に忍び込むと顎を掌打で打つ。

 

「この!?」

 

 五人目。メイスを振り上げてきたのでメイスを紫電一閃・真で輪切りにして、そのまま呆けた男の意識を刈り取った。

 

「さて、次……って」

 

「ひ、ヒィィ!?」

 

 六人目。逃亡。

 

「おいどうした? プルプル震えて。お前が手を出すまでも無かったんじゃねえのか? もう次、お前の番だぞ?」

 

「フ、フフフ。な、中々やるようだね。だが!」

 

 ジェームズはそう言うとサーベル片手に襲い掛かってきたが、俺は棒立ちのままサーベルを弾き飛ばすとジェームズの顔面を思いっきり殴った。

 

「グべラッ!?」

 

「スッキリした。もう降参した方が良いぞ? お前に勝ち目ないし」

 

 俺は降参を勧めたが、ジェームズは不気味に笑う。

 

「私はなんでも有りだと言ったハズだァ!?」

 

 ジェームズは懐から何か黒い石のようなものを取り出すと、地面に叩きつける。

 

 その瞬間。闘技場が光に包まれ目を開けると、そこには拘束具をされた黒い天使のようなモノが現れた。

 

「コイツは……」

 

「これは上級堕天使さ! Aランクエンフォーサーがパーティーを組んでやっと倒せる怪物だよ! さあ、あの身の程知らずに鉄槌を!」

 

 ジェームズがそう言うと、堕天使は両手に光を宿した。

 

「ハン! おもしれえ!」

 

 俺が臨戦態勢になったその瞬間、上空から何かが落ちてきた。

 

「オイオイ、冗談だろ」

 

 土煙が晴れた先、闘技場に現れたのは邪神教団の幹部で、バンバン厄介なモンスター共を召喚してくる上、自身も堕ちた神を取り込んだ怪物。グレゴリーだった。

 

 ーー……あれ? 殆どのビジュアルは変わんないけど、なんで左腕だけ機械な訳?




 えぇはい。あの人です。
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