通信モード:レベルS
作戦コード:TC2022
ブリーフィングを始める。
話には聞いていると思うが、ルーシ連邦による全面侵攻が開始された。
敵は、その圧倒的な火力と物量を持って全方位からの電撃戦を敢行。既にわが方の防衛線は破られ、第二防衛ラインまでの後退を強いられている箇所もある。
本国上層部により、北部及び東部防衛ラインの放棄が決定され、諸君らには西部へと避難してもらった。
数的優位性、及び兵器の性能差はルーシ連邦にあるが、我が方は辛うじて持ちこたえている。
作戦日時■■■ 1300に、反攻作戦を開始する。
作戦の主戦場となるのは首都北部防衛ライン。作戦目標は高機動ロケット砲システムの護衛となる。
敵はSU-25を始め、新型のSU-34Mの投入が確認されている。電子戦も確認されているが、辛うじて優勢を保っている状況だ。敵巡航ミサイルの飛来も確認されており、最前線の空港は既に空挺部隊による襲撃を受けている。
『第114戦術航空旅団“サンフラワー”』が今回の作戦の主人公となる。つまり諸君たちだ。
敵長距離巡航ミサイルは首都防空用に配備されたミサイルが迎撃する。敵機の先鋒を叩き、ロケット砲システムを守ってくれ。
事態は一刻の猶予も許されない。健闘を祈る。
デジタル迷彩を帯びたMig-29“フルクラム”が空港から飛び立っていく。対空ミサイルを抱え、いずれもが増槽をつけた完全装備である。
空港にはずらりと対空ミサイルを抱えた防空陣地が並んでおり、あちこちを対空機関砲を抱えた戦闘車両が走り回っている。アーマーをつけた兵士たちが敵の襲撃に備え待機しており、物々しい雰囲気が漂っていた。
《こちら管制塔、ゴースト隊。発進を許可する》
《ゴースト1、離陸する》
先頭の一機が離陸を開始する。アフターバーナーに火を灯しつつ急激に上昇すると、ランディングギアを折りたたみつつ上空を旋回して待機する。次々とゴースト隊が空に上がっていく。
《敵機を長距離ミサイルシステムに捕捉。発射する》
空港からミサイルが一斉に放たれ、そのさなかを12機のMig-29がヴァイパーを翼端から曳きつつ、加速しながら地平線へと駆け抜けていく。
空港で見守る軍人たちは、その尾翼に描かれた不吉な幽霊を模した白い髑髏の模様が見えなくなるまで帽子を振り続けた。
作戦目標は首都北部。地対空ミサイルが撃ち漏らした敵機の撃滅と、その侵攻を阻止することである。
のちに『“幽霊の生まれた日”』とも呼ばれた、伝説的な首都防空戦がここに開始された。