自分を大蛇丸と信じて止まない一般男性がゴブリンスレイヤーtrpgのRTA「疾風剣客チャート」で優勝します 作:狂胡椒
疾走剣客がギルドの裏に出ると先客がいた。
演習場で模擬戦をしているのは、銀等級の『女騎士』と新人と思われる四人だ。
一人目は女騎士の一党の斥候。
二人目は一緒に初めての冒険をした、頭に鉢巻きを巻いた青年剣士。
三人目は魔法剣士。彼も、青年剣士達と一緒に初めて冒険をした仲間だ。
ーーというには水滴みたいな形の兜を被ったせいで、実際に後で話しかけるまで分からなかったがーー
そして四人目は見覚えのない新米戦士。
四人が果敢にも挑んでいくが、女騎士はものともせずに蹴散らしていく。
「盾を下げるな! 頭を割られたいのか!」
「はい!」
「流しが早い! もっと引き付けろ!」
「は、はいっ!」
「連携攻撃ならもっとタイミングを合わせろ!」
「はい!」
「もっと動きをひねって効率よく攻撃しろ!」
「わ、わかったよ! 姐さん!」
「そもそも返事をする余裕があるなら手と頭を動かせ!」
新米剣士に始まり魔法剣士や新米戦士、あとは重戦士一党の少年斥候も伸されている。
完全に意識を刈り取られているのか、誰一人として微動だにしない。
「えっと……同期のみんなが粗方伸されているのに1人突っ立っているのも忍びないので、ここは一手指南賜りたく思います」
「その意気やよし! いつでも来い!」
剣道三倍段という言葉がある。
「武器術において、槍術(または薙刀)を相手にするために剣術の使い手は相手の三倍の技量(三倍の段に相当する実力)が必要である」という武術の大前提である。
今回の訓練も一言で言えばそれで説明がつく物であった。
相手は只人の女性、身長は170cm程だろうか。対するこちらは圃人、なんとか身長が100cmを超えた程度である。
相手は銀等級。対するこちらは白磁に毛が生えた程度の冒険者である。
結果は分かりきっていた。
結果として女騎士や森人軽戦士に体捌きや体術のキレ、身のこなしの軽さを褒められて重戦士からは「少年斥候にお前の爪の垢を煎じて飲ませたい」とまで言われた
幕間:女神官ちゃん一党を二股しない!(誤解を招く表現) の巻
初めての冒険をしてから、かれこれ2週間位が経った。
あの冒険以降その場にいた冒険者達と臨時の一党をいい感じに組み冒険を重ねていって、つい先日あった昇級審査の面談で黒曜等級に昇格できた!
しかも薬草採集の依頼で行った先で肉が高級食材な牛のモンスターを討伐し依頼を達成した後、仲間たちとその肉でバーベキューを楽しんだ。 我ながら、この生活に早くも馴染んできた気がする。
そんな訳で僕は今、実に冒険者稼業を楽しみながら生きている…………のだが…………。
「えっ!? 君たち一党解散したの!? なんで!?」
「いや、なんでって言われても……成り行きかな……?」
「喧嘩別れしたとか仲たがいしたとかそういうんじゃないから安心して」
葉物野菜が歯に挟まったような微妙な物言いをする青年剣士と女武闘家を前に思わず僕は顔をしかめてしまう。そんな僕を見て女武闘家ちゃんが経緯を詳しく話し始めた。
「きっかけは女神官ちゃんが小鬼殺しさんに師事するって言って一党を飛び出しちゃったのが始まりかな」
あの洞窟の冒険を終えた翌日、青年剣士と女武闘家がギルドにやってくると女神官と女魔術師に魔法剣士が話し込んでいるのが見えた。雰囲気がどことなく深刻で青年剣士たちには気づいていなさそうだ。
おはようと青年剣士が声をかけてようやっと3人は気づいた。少しバツが悪そうに挨拶を返す。
少し気まずそうな女神官達と世間話を交わし今日受ける依頼を物色していると意を決した表情で女神官が話す。
「私、
「冒険の後、魔法剣士と女魔術師の間でずっと俺たちの一党の事についてずっと話していたんだって。 二人ともあの冒険で斥候の大切さが身に染みたらしくてさ、新しく斥候を仲間にするか誰かが弟子入りして修行するかって事になっていたんだ。 その話を聞いた女神官ちゃんがあの小鬼殺しさんに弟子入りするって話になっちゃって、朝っぱらからもめていたんだとさ。 まあお前のこともあるから別に固定の一党じゃなきゃダメなわけじゃないから気にしなくていいって言ったんだ」
「なるほどねぇ…………」
「みんな自分ならもっとうまく出来るって冒険する前は多かれ少なかれ思っていたところがあっただろうから、色々思うところはあると思ったんだよね。 という事で女神官ちゃんが小鬼殺しさんにそのまま弟子入りして、あの人の一党として冒険に専念。 魔法剣士君と女魔術師ちゃんも次に受けた下水道のクエストまでは一緒だったけれど新しい斥候役の人が見つからなかったから、二人は『
「そっかぁ、大変だったねぇ…………それでその『ならず者を殺し』さんってどんな人なんだい?」
「女魔術師が言うにはこの町の銀等級第四位冒険者で黒い頭巾を被った斥候の男で銀髪の女武闘家とずっとコンビを組んでいるだって。 山賊、盗賊討伐を専門にしているらしいんだ。 5年前に冒険者始めてからほぼずっと山賊、盗賊討伐ばっかりしているらしくてさ、何でも只人なのに森人みたいな軽業とかが出来るんだってよ」
「そうなんだ、凄腕の斥候で銀等級の相棒がいるのはいい事だと思うけど…………ならず者退治ねぇ……通名がかなり物騒だけど……大丈夫なのかい」
「まぁそこは魔法剣士もいるから何とかなるさ。 今もちょくちょく二人に会っているけど結構いい感じみたいだぜ?」
「私達もやっと新しい仲間の当てが出来たからこれから顔合わせなのよ。 疾走狂戦士さんと鉱人盾戦士に魔弓使いちゃんとね。 森人の野伏、鉱人の重装戦士、弓持ちの女魔術師なの。 この三人と一緒にとある湖畔の町に2か月くらい長期滞在して町の依頼をこなす長期依頼を受けているからこの町にいるのは今日が最後なのよね」
「ええ〜っ! それも聞いてないよ僕は! 新しい仲間と一緒に頑張ってな。 いいメンバーが入ったんだね。 君たちが鋼鉄等級に上がるのを楽しみにしているよ」
「おう! すぐ追い抜いてやるから待ってろよ」
幕間:諦めたらそこで冒険者廃業ですよ? という話。
「終わった……終わっちまったよ、真っ白にな…………ここで俺たちの冒険は、お終いなんだ」
真っ白に燃え尽きてしまった新米戦士とそんな彼を叱咤激励する見習い聖女
「ふざけんじゃないわよ、たかだか一回冒険にしくじって装備無くして金欠になったくらいで冒険がお終いになるわけないでしょ!」
同期の白磁等級冒険者の皆に武器借りれないか確認したり、受付さん(有能ミストさん)に下水道の魔物の倒し方について教えてもらったり、たまたま受付の近くにいた槍使いさんと魔女さんにも相談に乗ってもらって物探しの蝋燭を譲ってもらったりした。
最近仲良くなった青年剣士から紹介してもらった小鬼殺しさんからは、安くて使いやすい武器として棍棒を紹介されていよいよ再挑戦の目途が立ってきたというのに……。
「どうして俺の財布、穴が空いちゃっているのぉ? お金足んないじゃあん! ノゾミガタタレター!!」
「言っとくけど生活費に手を付けるのは無しだからね? わかってるだろうけど」
びぇぇぇ! と周りが引くくらいに男泣きする新米戦士。
見かねた見習聖女が呆れた様子で提案する。
「じゃあ、魔女さんからもらった蝋燭売って新しい武器買えばいいじゃん」
「そんな情けねぇ事出来るかァ!」
イヤ、今でも十分情けないと思いますケド……。
とは冒険者の情けで言わないでおいた。
見習聖女が『目は口程に物を言う』という事実を知るのは今少し先である。
「誰かと思ったら、ちょっと前に一緒に女騎士先生に稽古を付けてもらった新米戦士君じゃないか!」
「まったくさっきから道端でビィビィとやかましいったらありゃしないね。 いったいどうしたんだい? 同じ同期の誼だ。 相談に乗ろうじゃないか」
「あなたは……疾走剣客さんだったっけ」見習い聖女が確認を取る。
「いかにも、優勝目指して冒険する疾走剣客とは僕のことだよ?」
「実は」
~~聖女、事情説明中~~
「なるほど、そんなことがあったんだね。 それはついていなかったね。 でもそういうことならばこの疾走剣客が義によって助太刀いたそうじゃあないか」
「本当か!」
「ああ、もちろん! 別に僕が戦士君の武器代を資金カンパしてしまっても構わんのだろう?」
「見返りに何が欲しいの?」
「そこで戦士君に相談なのだがねえ」
「おっ俺?」
「その通りだともこの幸運野郎、早くこちらにそのヘタレ面を貸したまえよ」
「ヘタレ面は余計だよ!」
~~疾走剣客・新米戦士密談中~~*1
「では、武具屋に行こうじゃないか」
「男同士で何話してたの?」見習聖女は新米戦士に聞く
「わっ悪いけど、これは男同士の約束だから話せないぞ」
「あっそ、じゃあいいわ」
武具屋にて、
「小鬼殺しさんが君に棍棒を薦めたのには激しく同意するよ。
結局、道具は使い慣れていたり単純に使いやすい物であることが一番だからねぇ。 見栄えがしないけど手斧とか棍棒とかの方が使いやすいとは思うよ。 盾持ちながら使えるし」
使い慣れているなら剣でもいいと思うけども、と言いながら。店の中に入る。
店主に短剣の売却を頼んだ後、疾走剣客が新米戦士に進めたのは棍棒ではなかった。
「これは?」
「
「なるほど」
「けど重たいんでしょう? 本当に片手で振り回せるの?」
「使い方を覚えれば、剣より戦いやすいと思うよ僕はね。
重心が先端にあって重たいからあまり力を入れずに振り下ろすだけでもいい一撃が出せる。
むしろ
「振って当てればダメージになる……か。 小鬼殺しさんも言っていたよな」
「しかも棍棒と違ってぶつける場所も尖っていたり鋭かったりするから威力もその分高いよ、振り回すだけでも強力な武器になると思うね」
「なるほど、それなら初心者冒険者向けかもしれないわね」
「じゃあお金渡すからいい物、買ってきなよ」
「おう!」
「さーて僕も南蛮飛刀買おうかな!」
武具屋を出たあと疾走剣客に連れられて新米戦士と見習聖女がやってきたのは冒険者ギルドのそばにある冒険者が訓練場所替わりにしている空き地だった、
「こんなところに連れてきて、いったいどうしたんだ?」
「結局、武器は所詮道具だから使い方が肝心な訳よ、ということで新米剣士君のためにヘビーメイスの使い方のコツを指南してくれる人を紹介したいと思います!
いつもこの時間帯はここで訓練していたと思うんだけど……いた! おーい! 乙女剣士さーん」
「あら? いつぞやの圃人の剣士さんじゃない?
何か御用かしら?」
「こいつ、僕の同期の新米戦士っていうんですけど彼に
乙女剣士さん元傭兵だから一家言あると思いまして」
「なるほどね、いいわ気分転換に付き合ってあげる」
~~新米戦士君
「正しくメイスを使うには、タイミングと勢いが一番重要なのよ。
メイスの一振りが始まると、止めるのも速度を落とすのも難しい。
戦士は攻撃だけではなくて、そのあとの次の攻撃の準備にも全力を出さなければいけないわ」
「メイスは肩の高さで構えなさい。
攻撃前の巻き上げは、肩から手の幅の距離以上は持ち上げないほうがいいわね。
振り下ろすときは、肘を先行させること。
肘が鎖骨の高さを超えたところで、前腕を鞭のように伸ばしてごらんなさい。
ーーそう、その調子よ。 続けてーー
加算された勢いがメイスをさらに早く、さらに強く動かし、遥かに多くのダメージを与えられるわ」
「衝突する瞬間は、必ず手首の力を抜くこと。
メイスが跳ね返って、手首を痛めてしまうわ。
むしろ攻撃の反動を使ってメイスを構えの位置に戻すといいわ。
それによって素早い2度目の攻撃準備ができるはずよ」
~~新米剣士君
「「「ありがとうございましたー!」」」
「それじゃあ、最後は仲間を探しに行こうか? さすがに二人だけで冒険するのは難しいと思うからさ」
「そうだな、俺もそう思う」
「でも一緒に冒険してくれる人なんているのかしら」
「心配ご無用!
なんせこれから冒険する場所は下水道だからね、君たちと同じ初心者冒険者がたくさんいると思うよ?」
〜〜新米戦士君、一党メンバー募集中〜〜
「下水道の依頼を受けたんだけど、もしよかったら一緒に冒険しない? 仲間に戦士がいて、私は神官なんだけど」
弓矢を携えた少女*2に見習聖女が話しかける。 快諾してもらえたようだ。
「ひょっとして仲間を探しているのか」
新米戦士の背後から若い男の声が聞こえた。 振り返ると天然パーマの身軽そうな剣士*3が立っていた。
「ああ、神官と2人組なんだけど流石に手が足りなくてさ。 もしよかったら俺達と一緒に冒険しないか? 見たところ君も剣士だろう」
「もちろん。 こちらこそよろしく頼むよ。 正直困ってたんだ、斥候が魔術師とか戦士募集! なんて、言いづらくてさ困ってたんだ 」
「斥候なのか! ちょうど足りなかったからすごく助かるよ。 あと実は探し物もしたいんだ。 この前下水道で武器無くしちゃってさ、そっちでもよろしく頼むよ」
「もちろん! それじゃ決まりだ! 僕は
〜〜新米戦士一党 メンバー募集完了〜〜
新米戦士一党の4人は『行方不明者捜索』『大鼠・大黒虫・粘菌討伐』の依頼を受け下水道に潜入した。
彼らがどんな冒険をしたのかはまた後で語られるだろう。
青年剣士一党4人から out;魔法剣士、女魔術師、女神官 in:疾走狂戦士、鉱人盾戦士、軍属少女 令嬢蛇娘(旅先で知り合う)
新米戦士一党 in:令嬢射手と活劇剣士(『ぼくもゴブリンスレイヤーのあんこスレやりたいです!』より)
魔弓使い 嗜虐神官 ←差し替えと修正しました。
小鬼殺し一党関連のクエストにどこから参加する?
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森人の古砦(未参加で貴族令嬢一党生存)
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森人の土地のオーガ将軍退治
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水の都の地下水道攻略
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牧場防衛戦(ここは必ず参加)
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牧場防衛戦以外参加しない
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全て参加