I am Victoria, The Queen of Britain 作:琉球爺ぃ
史実におけるワトリング街道の戦いは、ローマ帝国が、ブリテン島の支配を確立した戦いであった。イングランド,ウェールズが、ローマ帝国の傘下に下ったのである。
世にアーサー王の伝承は、6世紀頃となることから、King of Britainという流れは、騎士物語として有名となるが、アーサー王はローマ帝国からの流れであり、ケルト民族の伝承からは離れる。
アーサー王伝説に伝わる、湖の乙女から与えられた聖剣ではなく、キリスト教の聖杯へと移行する部分は、統治の変遷でもあった。
ケルト民族の風習を残して、ブリテン島に残そうとすると、ワトリング街道の戦いでケルトに勝ってもらいたいが、ローマとの決裂も避けたいなあということで、ボーディカの娘に恋をしたローマ人が、ロンドニゥムを守り、強硬派ガイウス・スエトニウス・パウリヌス率いるローマ軍団を撃滅して、ローマと交流を守りながら、ケルト国家建設に向けて動き出す歴史としました。
朝日が昇る頃、鬱蒼とした森の切れ目が、ようやくにして見えて来た。大木の陰から伺うと、眼下を下ったところに、ローマ兵の本陣があった。二千の兵を率いて、ようようにして森を抜けた。夜間に森を突破して、ローマ軍の背後に出ることができた。義母の軍勢が、正面から突撃していた。
28万対1万の戦いは、数的には、圧倒的にローマ軍が不利であった。だが、戦場の両側を森が迫る坂を駆けのぼる、ケルト軍は、ローマ軍の歩兵部隊に、衝撃力を失って、次々と屠られていった。だが、まだ戦闘は続いていている。
なんとか、間に合ったみたいだ。
「ヴィッキー。あれが、ローマ軍の本陣だ。義母様達は、既に突撃している。ヤバいイぞ」
「あぁ。目標、敵本陣ッ。全員投擲」
後方に控えていた、二千の兵達が、投げ槍を本陣に向かって投擲する。本陣の部隊は、せいぜい百ほどの部隊であった。百の部隊に、二千の槍が降り注ぐ、偉そうに指示を出していた指揮官らしき男にも三本ほど槍が突き立って倒れた。
「ヴィッキー」
「あぁ。わかってる。全軍突撃ッ」
二千の突撃によって、百のローマ軍団本陣が崩れると、前線でケルト諸部族を虐殺していたローマ軍団が崩れていった。ケルト軍に向かって展開している、ローマ軍一万の後ろから、二千のケルト兵が、盾の無い後ろから食い破っていく。後方の混乱は、徐々に前方へと伝わっていく。
太陽の傾く頃、ガイウス・スエトニウス・パウリヌス率いる、ローマ帝国軍ブリテン島派遣軍1万は文字通り全滅した。勝利に沸き返るケルトの軍団は、女王ボーディカの下で、ガイウス・スエトニウス・パウリヌスの首を掲げて、勝利を宣言した。
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参加、ケルト軍28万、残余12万。ローマ軍1万、残余0
ワトリング街道の戦いは、ローマ軍団の全滅で、勝敗は決した。
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戦場を歩いていると、凄まじいまでの殲滅戦になっていたことがわかる。今も、息が在るローマ兵を生き残った戦士達が止めを刺して回っていた。
確か、史実では、ケルト諸部族28万の殆どが戦死して、ローマ軍にはほとんど損害が無かったはず。
本当に歴史が変わったんだ。
そんな実感をした。
「ケータ、母様が呼んでいる。一緒に来い」
「わかった。ヴィッキー様」
「もぅ、ヴィッキーで良いって」
「いや、やっぱりケジメだから」
「わかったわよ、行こっ」
すっと手を伸ばして、俺の手を取ると腕を絡めて、引っ張るように歩き出した。ヴィッキーは、俺が愛する女王様だ、彼女の死を見たくなくて、彼女を凌辱したローマ兵を嬲り殺しにするために、俺はケルトに味方して、ロンドニゥムを護った。
ワトリング街道の戦いifとなります。
ワトリング街道の戦いは、ローマ帝国の軍団が、最強を誇った時代、その象徴ともいえる戦いでもあります。地形の有利不利があったとしても、10倍以上の敵を、完膚なきまでに叩き潰したローマ軍団は、周辺諸国家に対して最強であったと思います。