大体の敵ロボットは一撃で沈められるため負ける気がしない。
「さすがに簡単すぎやしないかな」
そう思ったとき、視界の端にロボットが映った、すでに攻撃態勢に移っている。
物思いにふけりすぎたらしい、油断?これは余裕と言ってほしいな。
ロボットの後ろに一瞬で移動し頭部を破壊する、
そういや個性の説明してなかった、僕の個性は「小説家」自分で作った人物を「描写」することで個性を使える、求生者の人格ならデメリットなし。
監観者になるとまた話は違ってくるけど、それはまあおいておく
今使ってる「傭兵」は自分を短時間加速できる、そして「傭兵」の名の通り身体能力の上昇と体頑強になる。正直一番使いやすい。
他にもできることはあるけど今は関係ないので置いておく。
「なんかロボット少なくなってきたな」
まだ時間は残ってるはずなんだけど、受験者に広範囲を攻撃できる個性でもいたのかな?
「なんか拍子抜けだな、もう全部やったのか?」
なんか今フラグ立った気がするぞ
そう思ったとき、後ろからコンクリートが崩れ落ちる爆音とともに土煙が迫ってきた
「うおっ・・・」
土煙の中から見えたのは、それなりの規模のマンションに匹敵する大きさのロボットだ。
圧倒的な質量に受験者は蜘蛛の子を散らすように逃げ始めた
「なるほど、『Plus Ultra』か」
お邪魔虫とか試験管は言ってたけど、要は理不尽に直面した時の反応を見たいんだろう
だが、不思議と恐怖は感じない、感じるわけがない、感じてはいけない。
もっとつらく苦しいものを僕は知っている。
逃げは付け込まれる弱みでしかないと知っている。
「監観者、『不死者』」
むくむくと大きくなる体、引き伸ばされた骨、思考が漆黒に染まる。
「おォぉォぉォぉ!」
~~~~
「なに、あれ」
蜘蛛の子を散らすように逃げていた受験生は足を止めて0ポイント敵の方を見ていた
あの巨大な敵に立ち向かう人影が一つ
それは葉隠透にも見えていた
身長は2メートル以上はあるだろう、あんな受験生がいたのか。
だが、それよりも目を引くのはその容姿である。
その肌は青白く、生気がない、目にも光がなくまるで死人のようだ
しかも、ロボットの頭上まで一息に飛び上がる身体能力は明らかに学生のものではなかった
あの男がロボットの注意を引いているため、こちらに危険は及ばないだろう、しかし感じるのは安心感よりも恐怖だった。
それは
「まるで、敵みたい」
男の容姿が敵のそれだったからに他ならない
それから、男がロボットを破壊するまでの数舜の間、受験生たちは固唾をのんで見守った
~~~~~
炎の中にいる、熱い、痛い、熱い、苦しい
意識が浮上する
「知らない天井だ」
「起きた?」
「響香?試験は?」
「鏡也が0ポイントを倒したところで終わったらしいよ」
響香が不機嫌そうに答えた
「そっか」
よかった、監観者は正直言って何が起こるかわからない
「お、起きたのかい?」
小柄なおばあさんがカーテンを開けて話しかけてきた
何故か顔をしかめている
「ありがとうございます、もう大丈夫なんで」
「待ちな、あれは何だい?」
「あれ?」
「監観者のことでしょ」
響香翻訳ナイス、答えないけど
「黙秘します」
「拒否権はないよ」
これはだめな奴だな、響香も爆発しそうだし
「俺の個性です」
「それじゃ答えになってないね、ロボットの残骸の中から助けたとき、あんたは中度の熱中症と酸欠状態だった、それに0ポイントが出てくるまで使ってた個性とも違うだろう?内申書にも記載はなかった」
煙に巻くのは無理そうだ
「俺の個性『小説家』にはいくつかできることがあります、内申書に書いてたのはたぶん『描写』のほうで個性を自分に付与できます、あんまり強いのはできませんけど。」
「0ポイントに使ったのは『暗喩』、描写より強い個性を使える代わりにデメリットがあります、酸欠と熱中症はそれです」
「そうかい、気を付けるんだよ、この娘が心配するからね」
響香の肩をたたきながらおばあさん言う
「心配なんて・・・」
「年の功をなめんじゃないよ」
響香照れてるな
「鏡也、帰ろ」
「おう」
~~~~~
「鏡也?監観者は使わないって言ってなかったっけ?」
響香の怒気がすごい
「いいだろ、死んでない」
「そういう問題じゃないっての!ウチが心配すんの!」
「いや別に心配しなくていいって言ってんじゃんいつも」
ぶすっ
「ぐはっ・・・・・・」
「ほら、帰るよ」
「おい、イヤホン刺すのはナシだろ・・・」
「もう一発食らいたい?」
「ハイ、カエリマショウカ・・・」
次は・・・いつだろう