そして仲町千佳は過ちを正す   作:八人

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第2話 『そしてわたしは再び彼に会う』

わたしの友達、折本かおり。

 

高校に入ってから友達になったのに、今ではわたしの大親友。

 

いつも明るくフレンドリーで誰彼構わず話しかける事が出来るがデリカシーに欠ける、学校中の人気者。

 

そんな彼女が最近、ある出来事をきっかけに落ち込んでいた。

 

しかし生徒会のイベントで比企谷くんと会ってからいつものかおりに戻った。

 

比企谷くんが生徒会長や他の生徒会メンバーに頼られていること、可愛い小学生と仲良さそうにしてたこと、あの時の二人が途中から参加したこと、比企谷くんと二人きりで話したことなど。

 

毎日のように比企谷くんについて話すようになった。

 

そしてわたしは気付いてしまった。

 

かおりは日に日に比企谷くんに夢中になっていることに。

 

わたしは未だに比企谷くんに苦手意識を持っている。

 

それもこれもわたしが悪い。彼は何も悪くない。

 

そんな事、分かっているのに、認めたくない。

 

でももう意地を張るのはやめよう。しっかりと彼に会って謝ろう。

 

だからわたしはかおりに言った。

 

「ねぇ、かおり。この前言ってた比企谷くんと出掛ける件、わたし行く事にしたよ」

 

「ほんと!?良かった〜。じゃあ比企谷に連絡しとくね」

 

「うん」

 

はぁ.......。何だか緊張するなぁ.......。

 

かおりのお気楽な性格がほんと羨ましいよ。

 

兎にも角にもこれで後には引けない。

 

比企谷くんにもう一度会って謝るんだ。

 

 

 

 

そして土曜日。遂に比企谷くんと会う日がやって来た。

 

緊張で逃げ出したいけど、ここで逃げたら一生後悔する。

 

集合場所の千葉駅に着くと、既に比企谷くんは到着しており、丁度かおりもやって来た。

 

「おいっす〜千佳〜比企谷〜!」

 

「おはよう、かおり」

 

「.......おう」

 

「てか比企谷、テンション低くね?」

 

「.......当たり前だ。朝早いし、行きたくなかったし」

 

「ちょっとかおり」

 

わたしはかおりを呼んで耳打ちをする。

 

「そんな事より、言わなきゃいけない事あるでしょ?」

 

「え?今言うの?」

 

「当たり前でしょ。こいういのは早めに言った方がいいの」

 

「え〜。しょうがないなぁ」

 

「.......なぁ、開始早々、耳打ちとかやめてくれない?」

 

比企谷くん苦い顔でそう言う。

 

「ごめんなさい、比企谷くん。別に悪口を言ってたとかじゃないよ。遊ぶ前に言わなきゃいけない事があるんだ」

 

「.......比企谷。この間はごめん」

 

「ごめんなさい、比企谷くん」

 

わたし達は比企谷くんに向かって頭を下げる。

 

「は?何のこと?」

 

え!?

 

「何って葉山くんと遊んだ時の事だよ!わたし達、失礼な事しちゃったから」

 

「.......何だ、その事か。別にいいよ。気にしてないし。それに仲町さん、だっけ?君は何も悪くないだろ」

 

びっくりした.......。ちゃんと覚えてるじゃん。でも比企谷くんにとってはどうでもいい事なのかもしれない。傷つくのはいつもの事だから本当に気にも止めてないのかもしれない。それでもーー

 

「ううん。悪いよ。比企谷くんとは初対面だったのに、良く知りもしないでからかってた。本当にごめんなさい」

 

「比企谷、あたしもごめん。比企谷のこと、知った気になって何も分かってなかった。勝手につまんない奴って決めつけてた」

 

「.......気にすんな。俺も気にしてねぇから。ったく葉山の奴、余計な事しやがって.......」

 

比企谷くんはそう言って髪の毛をガシガシとかく。

 

「.......とにかく、俺は気にしてねぇから。二人もあんま気にすんな。今日は遊びに来たんだろ?」

 

「.......うん、そうだね。せっかくだから楽しまないとね」

 

「それある!じゃ、比企谷、パルコ行こう!」

 

「は?何で?」

 

比企谷くんの反応は当然だ。

 

何故ならパルコは以前、葉山くんと一緒に行った場所だからだ。

 

気にしてないと言いつつ、やっぱりパルコにはいい思い出がないみたい。

 

「二人で話し合ったんだけど、どうせ行くならこの前のやり直しがしたいって」

 

「.......そうか。二人も色々と考えてるんだな」

 

「そうだね。あのかおりだって相当落ち込んでたからね」

 

「.......へぇ〜。あの折本がね.......」

 

「ちょっと二人とも!『あの』って何よ!あたしだって考えてるっての!」

 

「ごめんごめん。でもかおりが元に戻ったのも比企谷くんのお陰なんだよ」

 

「は?何で?」

 

「かおり、毎日のように比企谷くんの事、楽しそうに話してたから」

 

「そうか.......」

 

比企谷くんは少しだけ微笑んだ。

 

その笑顔に少しドキリとしてしまった。

 

何て言うの?いつも無愛想な彼が笑顔を見せるなんてギャップ萌えって言うの?

 

「.......悪い、俺のニヤケ顔なんて気持ち悪かったよな」

 

わたしの顔を見て比企谷くんは残念そうに言った。

 

「そ、そんな事ないよ!」

 

勘違いしないで!

 

何だかいつの間にか彼を可愛いと思ってしまっている自分がいる。

 

「あれ?千佳、もしかして.......」

 

かおりが薄目でわたしを見つめて来た。

 

そんな目で見ないで!

 

わたしは別にかおりから比企谷くんを取る気なんてないから!

 

「ま、そんな訳ないっか!じゃ、パルコ行こっか!」

 

「.......おう」

 

「う、うん」

 

わたし達は比企谷くんを挟むようにして並んで歩いた。

 

比企谷くんの顔を見るとドギマギしてるのが分かってつい微笑んでしまう。

 

思ったより楽しい一日になりそう。

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