ありふれてないモブたちによるトータス攻略RTA 作:gnovel
今回は他の人(原作キャラ)からみたモブ君達の話とモブ君の話になります
それではどうぞ
~南雲 ハジメ視点~
僕のクラスにはちょっとした有名人たちがいる。
とは言ってもそこまで何か特別な才能が有ったり、賞を受賞したという訳じゃないんだけど
今も教室の後ろの方にいる保井 萌さんと火村 蓮くんがその有名人という訳だ。
何で有名なのかって……彼らの距離が近過ぎることで有名になっているんだ。
例えば教室にいる時なんか常に近くにいるし、移動教室の時もまったく同じタイミングで移動するのはまだ序の口。兎に角彼らが離れている所を見たことが無いと言っても過言じゃない。
そして極めつけは、当たり前のようにお弁当を共有していることが彼らをちょっとした有名人たら占めている要因だと思う。そのうえ彼らは自分たちしか見えてないのか昼休みの際の弁当の時なんかまるで熟年夫婦のような雰囲気を醸し出すから口の中が甘くなりすぎてコーヒーを買いに行く人も増えたぐらいだ……まぁ僕もその一人なんだけど
加えて彼らの容姿も決して悪い物じゃない
黒髪短髪の介護欲が湧いてくると一部の間で密かな人気を集めている保井さんと
顔立ちもスマートで普段のクールな言動と時折保井さんに見せる柔らかな笑顔のギャップにやられる人もいるのだとか……
だけど火村君は年中長袖や手袋等を付けて肌の露出を極力抑えているみたいだけど、噂によると全身に大やけどを負っていてそれを隠すためだとか、刺青があるなどの根も葉もない噂がある。……僕的には多分前者だと思うんだ。
そして彼らの愛の重さを知ることが出来るエピソードとして天之河君との衝突が挙げられるんだ。これは彼らというより火村君の闇が垣間見える内容だったなぁ……
「火村!保井さんはお前の所有物じゃないんだぞ!!今すぐ解放するんだ!!」
それはある日のこと天之河君がいつも通りくっ付いている火村君達に対して何か思うことがあったのか、保井さんを解放するように言ったんだ。
……だけどそれに対して火村君が見せた答えは
「おいっ!聞いているのガッ!!?」
天之河君の胸元を掴んで締め上げる事だった。その時の火村君の目はまさに僕が知っているヤンデレのそれに見えた。……本当にああいうヤンデレって存在していたんだ……と思ったのも束の間
火村君の口からは
「お前ごときが保井さんを語るな。反吐が出る」
「な……何を、言ってる「黙れその口を閉じろ」……ッ!!」
そうして天之河君を解放した火村君は何事も無かったかのようにまた席に戻ろうとしたけど、そこに天之河君が
「……ッ!!君の愛は狂っている!!その身勝手な感情で保井さんを縛り付けているんだろ!!!」
「……あ?」
周囲の温度が急激に冷えていく感覚にクラスの皆が陥った。……火村君は完全にキレているみたいだ。
殺意のようなものが天之河君を襲った
「もう一度言ってみろ」
「ヒッ!!」
「落ち着け蓮」
そこに待ったを掛けたのは保井さんだった。
「天之河は私たちのことなど知るすべが無かった。故に先程の発言が出たのだろう」
「……」
「私は気にしてない。だから落ち着け」
保井さんが声を掛けると火村君の表情から落ち着きが見え始め、空気が緩和された。
「火村!お前のそれはもはや狂気だ!!」
天之河君が余計な一言を言ってしまった。けど火村君はただ一言
「失礼な立派な
「……ッもういい!」
この日以来天之河君は火村君を敵視し始めた。この出来事でクラスに知れ渡ったことは
『火村は保井さんを病的なまでに愛している。そして保井さんはそれを受け入れている』
『だからこそ彼らの恋路を邪魔する事なかれ』
という認識が知れ渡った。……何やら訳アリみたいだからそれ抜きにしてもあれは危険な感じがした。どこまでも堕ちていく底なし沼のような感覚を覚えたのは僕だけじゃなかったはずだ
でも……何だろう僕もなんだか他人事じゃない気がしてきたような……?
~火村 蓮視点~
いつも通りの日々を送れるかと思っていたが、その平穏はある日突然壊された
僕はいつものように保井さんと昼食を取っていたけど、突然床が光りだして教室を包み込んだ
「ようこそ、トータスへ。勇者様。そして御同胞の皆様。歓迎いたしますぞ。」
「私は、聖教協会にて教皇の地位についておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、よろしくお願い致しますぞ」
気が付くと僕たちは見知らぬ世界に連れ去られていた。目の前で胡散臭い奴が長々と説明しているが、正直僕には知ったことではない
僕たち以外の全員がやる気を見せていたけど僕は内心こいつらを見下していた。その場の空気に流されて図に乗せられていることに気づいていないからだ。
恐らく保井さんも気づいたみたいだけどあの胡散臭い奴がにやりと嗤った瞬間を見逃さなかった
それからステータスプレートが配られたけど……そこに書かれていた内容に僕は驚愕した
(なぜ……なぜ僕が炎なんかを……!!)
そこには僕が忌み嫌っていた炎を扱う天職【呪術師】が書かれていた
それから一先ず解散して保井さんが訓練をすることを提案してきた
「確かにあいつらに踊らされるのは癪だが、それでも力を手に入れなければならない」
「……分かりました。保井さんがそういうなら……」
保井さんの言う通りだった。僕が強くならなければ保井さんを守れないことを認識し、訓練を行った。
……訓練が終わってふと保井さんが僕の天職とその技能について尋ねてきた
「蓮の天職は【呪術師】それも火を扱うモノばかりだが、大丈夫?」
「えぇ……分かっています。ですが……どうしても使おうとすると体が震えてしまうのです……火傷の跡が……あの日受けた痛みが蒸し返される感覚に陥るのです」
僕は正直に今の気持ちを暴露した…今思えば、僕はまだここでうじうじしているんだと思ってしまう。
だけど保井さんが
「安心しろ、その為に私がいるのだ」
「私がお前の傷を治す 私がお前を癒す そのための【治療師】だ」
あぁ、あぁ!!やっぱり貴女は僕のことを見ていてくれている!僕のことを分かっている!!
「……ッ!!あぁ、あなたはいつもそうだ。僕は……こんな状況になっても過去に縛られているなんて……!」
そうして覚悟を決めた僕はあの忌々しき過去と戦うことを固く誓った
「……わかりました。これからは僕が嫌いとする火を使っていきたいと思います……」
そして僕にこびりつくこの苦痛を断ち切り、今度こそ僕が保井さんを守り抜く……その為なら僕は
「そうでなければ……あなたを守れないのですから……」
僕はあらゆる障害をすべて焼き払って見せましょう……
そうして僕の中から何かが外れるような感じがした。
それから僕は保井さんと共に訓練に励み、『大書庫』で呪術について学び、力を着実に蓄えていった……
ある夜保井さんから『宝物庫』に行って装備を整えてみると言われました。
……僕は、自分も同行して良いか聞いてみた。
「もちろんだ、蓮もついてきて」
そう言いながら僕に微笑みを向けてくる保井さん、僕は強くなるためなら最早妥協はしないことを決めているのだ
……もし僕の太陽を汚す愚者がいるのなら、僕はそいつを必ず殺してやる。その為にも僕は自分の内側に巣くう忌々しき記憶を克服しなくては……
かつて天之河に言われたことを思い出した。
『火村!お前のそれはもはや狂気だ!!』
ある意味間違ってなかったかもなと嗤う。まずは最低限天之河を殺せる力を手に入れなくては……
奴の毒牙が保井さんに向けられたらと思うと殺意が湧き溢れてくる。
「大丈夫か?蓮」
あぁ、心配させてしまった。保井さんに大丈夫と伝えると保井さんが
「お前がくじけそうになっても私は見捨てない。お前が立ち直るまでずっと隣にいてやる」
……僕は自らの胸の内に決意を抱いた。
僕の中で何かが燃え上がる感覚がしたが不思議とあの苦痛の記憶を思い出すことはなかった。
天之河君がモブ君の地雷を踏みぬいた過去でした。
その日以来彼はモブ君のあの殺気を思い出して中々近寄れなくなりました。
みんなも他人の地雷を踏みぬくのはやめようね!
閲覧ありがとうございました。