ありふれてないモブたちによるトータス攻略RTA   作:gnovel

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閲覧ありがとうございます

リアルの方で忙しくしてたので少々遅れました。すみません許してください

それではどうぞ


part.3 裏

次の日僕と保井さんは、『宝物庫』にいくことにした。

 

『宝物庫』の中にはゲームでしかみたことが無いような装備品が多数取り揃えてあった。

 

僕は一つ一つ順番に見て回っているけど、あまりぱっとしないものばかりだった……確かにこれらの武具は凄い物なんだろうけど僕が使いこなせなければ意味がない

 

「……これも違う、これも、これも……!?」

 

僕の目に留まったのは『宝物庫』の奥に孤立しておかれていたある武器と鎧だった。

 

まずその立てかけてあったその剣は、まるで今にも周囲に燃え移りそうなほどに燃え盛っている剣だった。その横にはあちこちにマグマのような線が入った燃え盛る鎧があった。

 

そしてその剣が一際輝いたかと思うと僕は、『宝物庫』ではない、暗い空間にいた……一体どういうことだ……?

 

 

『……自らの内に消えぬ炎を抱きし者よ』

「誰だ!」

 

声のした方に僕が振り向くとそこには炎でかたどられた巨人がいた

距離があっても伝わってくるその熱気に僕は思わず後退りする

 

『汝こそ我が担い手として相応しい』

 

『わが手を取るならば、己が身さえも焼き尽くす炎をものとし、先の見えぬ暗闇を切り開く覚悟を持つがよい』

「……!?」

 

僕は確信する。こいつはあの剣と鎧に宿った意思そのものであると……そしてその答えは既に決まっていた。

 

「僕は……あの日、自分だけの太陽を、火を見つけた……」

 

「だけど守られるだけじゃあだめなんだ」

 

「だからこそ僕は、彼女の為なら……喜んで薪になる」

『宜しい。ならば我を手に取れ!』

 

そういったかと思えば僕の視界は開け、気づいたら僕は剣を手に取り、鎧を身に着けていた。

 

僕の体に伝わるその熱気はまるで自分自身が炎になったかのような気分にさせられる。……例えるならまさに『薪』といったところか……

 

それから最後に僕は、炎のような形をした首飾りを身に着けた。

 

ちょうど僕が選び終わったタイミングで保井さんも選び終わったようだ……その装備から感じられるオーラに僕は暖かい気分に包まれる心地がした

 

 

それから僕たちは来たる『オルクス大迷宮』攻略までの期限までにひたすら訓練に取り組むことにした。

 

僕の身に着けた装備は使えば使うほど馴染んでくる感じがした。この様子をみたメルド団長は

 

「恐らく、その武具は装備した者の成長に合わせて強くなる。つまり成長する武具なんだろう、こんな武具は初めて見た……」

 

って言ってたのを思い出した。尚更この武具の事が分からなくなってきた。だけど分かることは只一つ

 

これで保井さんを守ることができるようになること。それだけ分かればいい

 

 

そして訓練に励むこと1週間近く、僕と保井さんは最初の時とは比べ物にならないくらいに強くなっていた。

 

……そして僕はある日悪夢をみた

 

 


 

そこは地獄と形容するにふさわしい場所だった

 

おそらく巨大な隕石が衝突したのではないかと思わざるを得ないほど周囲が燃え盛っていた。近くには建物らしき残骸が炭になるほど燃えていた。……現地の人達や元々クラスメイトであった人たちが焼けていく

 

 

『……』

 

そしてその爆心地には、一際異色を放つ人型の存在がいた。

 

燃え盛る大地に佇むその姿はまさに『魔王』と呼ぶに相応しいだろう

 

そいつは全身が真っ黒に染まった鎧か何かで覆われており、その背には不釣り合いなほど大きい真っ赤なマントのような翼が生えていた。そしてそいつの顔を覆う兜にはまるで血の涙を思わせる意匠があり、そいつの傍にはあまりにも巨大な燃え盛る大剣が突き刺さっていた……何かを抱えているように見える

 

周囲には白髪の青年とその従者だろうか?……彼らも酷い火傷で全身にダメージを負っており、必死に回復しようとしているのが伺える

 

彼らが何かを叫んでいる……詳しくは聞き取れなかった。だけど悲痛な顔であることは声が聞こえなくても分かる

 

……そしてその青年がそいつに襲い掛かった。だけど次に聞こえたその言葉とその声が僕を戦慄させた

 

 

大焦熱地獄

 

その声はどこか擦れてはいたが、紛れもなく……僕だった。

 

そしてそいつから放たれた万物を焼き尽くす業火によって僕が知覚した範囲すべてが焼き尽される……先程の青年も含めた多くの命が悶え、苦しんで逝った

 

 

(これが……未来の僕だとでも……!?)

 

そして気づく……いや気づいてしまった……

 

そいつが大切そうに抱えているその何かの正体を……

 

(あ)

 

 

それを見た途端僕は夢から醒めた

 

 

 

 

「……ッ!」

 

嫌な目覚めだ……まさかあんな悪夢を見ることになるとは……僕は思わず自分の体の異常を確かめた後傍で寝ている保井さんを見る

 

「……よかった」

 

どういう訳か知らないが、あれは只の悪い夢……そう思い込んだ僕は寝起きでありながら保井さんに抱き着いた。保井さんは何も言わずに抱き返してくれる

 

(僕は……あんなのにはならない……もっと強くならなくては……!)

 

それから僕は残りの期間を訓練に注ぎ込んだ。周りの連中が一旦休めだとか死に急ぎ過ぎだとか言ってるが、僕にはそんな余裕はない

 

あの最悪な未来を、悪夢を覆すほどの力が、保井さんを守り抜ける力が僕は一刻も早く欲しかった。

 

 

それから紆余曲折あったが遂に【オルクス大迷宮】の攻略の時がきた

 

 


 

~ハジメ視点~

 

異世界に召喚されたハジメたちだったが、そこに待っていたのは世界を救うという使命であった。しかしハジメはそう語ったイシュタルの怪しさに感づいていた。

 

(うーん……皆なんとも思ってないのかなぁ……だけど火村くんと保井さんはイシュタルを怪しんでいるみたい……)

 

ハジメは火村と保井の二人も自分と同じようにあのイシュタルを疑っていることに気づいた。

 

彼ら……主に火村の、クラスメイトを見る目は道端のゴミを見るような目であった。

 

 

それからハジメたちは晩餐会をすることになったが、メイド服の美女を見て興奮している他の男子たちと違って毛ほども興味を抱かない火村を見て

 

(相変わらずだなぁ……全然興味を示してないや。考えてるとしても保井さんにメイド服が似合うとかそんな所かな?)

 

図らずもその考えは当たっていた。

 

それからステータスプレートを配られて自分のステータスが周りと比べて貧弱なこととどこにでもいるような天職【錬成師】なことも相まって馬鹿にされていたハジメであった。

 

 

それからしばらくしてハジメがいつものように訓練をしに来たら、そこには『宝物庫』から装備を手に入れた火村と保井の姿を目撃したハジメだったが、火村の装備の異常性と火村の目つきに周囲からも心配する声が上がった。

 

(……今までに見たことが無い程の剣幕……何があったんだろう)

 

 

そこからの火村の力に対する執念が尋常ではないことを知るのはこれからだった。

 

ハジメがいつ訓練所を見に来てもいつも火村と保井が訓練を行っており、保井はまだしも火村の殺気じみたその雰囲気に訓練相手となっている兵士の人達はまだしも、クラスメイト達は、怯んでしまっている。

 

その姿はさながら『修羅』と形容すべき姿をしていた。

 

(もしかして……火村くんがあそこまで自分を追い詰めてるのは、保井さんを守るため……?)

 

ハジメの考えは当たっていた。今の火村 蓮は只一人の愛する人を守るために力をつけることしか頭にないのだ。

 

またその執念が感じられるエピソードがあった。

 

 

それはハジメがいつものように『錬成』の練習をしていた所に檜山とその取り巻きがハジメをリンチしていたときだった……

 

「おい」

「ああん?誰かと思えば、女の影に隠れている弱虫じゃねぇか!」

(ひ、火村くん?)

 

この日はたまたまハジメがいるエリアで訓練をしようと考えていた蓮が偶然この場に立ち会ったのだ

 

しかし檜山たちは相も変わらず下種な態度で蓮に近づいてきた。どうやら少し力を付けたぐらいで彼らは調子に乗っているらしい

 

そして今鍛錬の事しか頭にない蓮は彼らの逆鱗に容易く触れた

 

「どけ、邪魔だ」

「ああん!?てめぇ!!調子乗ってんじゃねえぞ!!『火球』!!」

「火村くん!!」

 

しかし『火球』は蓮にダメージを与えることはおろか、むしろその炎を取り込んだのだった

 

「は……?」

「……僕の邪魔をするなら容赦はしない

「ガハッ!!……や、やめろ……離せ……!」

 

蓮は檜山の胸元を掴むと……蓮は容赦なく檜山を地面に顔面から強くたたきつけた

 

「ガアッ!!!」

「ひ……ヒィッ!!!」

「それとも次は……貴様らが俺の訓練相手になってくれるのか……?」

 

顔面から強く叩きつけられてのたうちまわる檜山を横目に次の標的を狙い定めていた。さらに蓮は睨みつけてくる檜山を蹴り飛ばして壁に打ち付けた

 

そしてもだえ苦しむ檜山を目の当たりにした他の取り巻きは、蓮の恐ろしい剣幕とその視線によって足が竦みあがり腰を抜かしていた。

 

「ゆ……許してください……」

「誰に対しての許しだ」

 

「た……助けてください!」

「なぜ助けを求める」

 

「こ……殺さないでください……!」

「貴様らが僕の邪魔をしなければ殺しはしない」

 

命乞いともいえる彼らの発言に淡々と答えるその姿にハジメも恐怖していた。蓮はまるで死刑執行人のように燃え滾る剣を構え始めていた

 

(い……いくら何でもこれは……!)

「蓮!落ち着け!!」「ハジメくん!?」「これはなんだ!!」

(保井さん!?白崎さんに天之河くん!?)

 

この場で唯一蓮を止められるストッパーが到着したことにハジメは安堵した。そして白崎が檜山をすぐさま治したこともあって、蓮も加減していた為大事には至らなかった

 

だが

 

「ヒィッ……!助けてくれ……助けてくれぇ!!」

「落ち着いて!檜山!もう大丈夫よ!!」

「……」

「お前……お前は何なんだよ!!」

 

檜山が半狂乱で蓮に叫ぶ。しかし蓮の表情は相も変わらず無表情だった。ハジメが皆に事の顛末を伝えると白崎は納得はしたが、やりすぎだと伝えた。

 

保井は蓮に対して

 

「蓮。落ち着け」

「……」

 

「いいか、確かに檜山が原因なのは間違いないが、下手に動くとこの先面倒なことになるぞ」

「……すこし、頭を冷やします……」

 

保井はこの状況を作った発端が檜山達にあることを察していたため、特段注意することは無かった。だが蓮の表情から狂気が薄れ正気を取り戻したのをハジメは感じていた。

 

天之河も蓮に対して何か言おうとしたが、過去のトラウマからか何も言わずにその場を去っていった。

 

(うーん……?あれって大丈夫なのかな……?)

 

それから何事もなかったかのように訓練を始めた蓮たちを見て、ハジメもあの図太さを見習おうと思ったのだった。

 

 

そして【オルクス大迷宮】の攻略の日がやってきたのだった




実はRTA走者の裏では知らない間に事が進んでたという

さてあの悪夢で死んでいたのは誰でしょうね()

尚あの場に主人公ちゃんがこなかったらマジで檜山や取り巻き達が更にボロボロにされていました。

RTA走者やゲーム側が何も言わなかったのは、ゲームの進行において何も問題なかったからですね。

あくまで【訓練】を選択した際のロード時間に起こっていたようなものです。

閲覧ありがとうございました
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