深紅の瞳の魔法戦士   作:アキラ1

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テニスコートの誓いじゃなく、“猫耳神社の集い”です


22話

順調にレベルを上げているユウヤ達のパーティー

今日も朝からモンスターを討伐に里の外れの森に行くつもりだったが、あいにくその日は雨だった。

 

今日はどうしようか?ベッドの中で考えていると、ドアがノックされる。隣に裸で寝ているめぐみんを一瞥してから、廊下の向こうに答える。

 

「‥……おはよう、どうした?」

 

「あ、ユウヤは起きてるようだね。私先に起きたから、 朝食の支度しようかと思ったんだけど、めぐみんはまだ寝てるのかな?」

 

それに答えようとしたら、いつのまにか下着を装備しためぐみんが後ろに立っていた。

 

「無用ですよ。雨のため今日は森での訓練は中止にしますから。支度したら、隣にいって御馳走になりましょう。」

 

 

 

 

 

 

結局、ゆっくり着替えてから爆裂娘と暗殺少女は、隣家の食堂で座って待っているのだが、さすがに手伝いもしないで食事ができるのをじっと待っているのは、クリスには居心地が悪かった。

 

「ねえ、めぐみんてば、朝の挨拶もそこそこに、ご飯をたかるなんて、気まずいよ。」

 

「何を言うのですか?うちの食卓にこめっこ達も押し掛けるのです。問題ありません。」

 

朝食をゆいゆいが並べ終わって各自席についたころ、 遅れていたユウヤが姿を見せた。

 

「おはようごさいます。ひょいざぶろうさん。

勝手口に一撃グマを置いておいたんで後で解体してください。」

 

「いつもすまないね、ユウヤ君。」

 

「お兄ちゃん、ウサギは?」

 

「今日は、ウサギを見つけられなくてな、偶然居たレッドボアで我慢してくれ。」

 

会話を聞いていたクリスは驚いてしまった。

起きてから一時間ほどしか経過していないのに、この銀髪の少年は、狂暴な一撃熊とレッドブルを狩ってきている。それも複数を。

 

「めぐみん、残りは時間がないから血抜きだけしてうちの地下にあるからな、食事のあとに処理しよう。」

 

「そうですね、どちらも食材に使用できますから、換金するのは、肉を取り除いてからにしましょうか。」

 

「ユウヤさん、今日は一日里にいるのかしら?」

 

ゆいゆいが問いかけるのを思案顔でユウヤは答える。

 

「そうですね。‥……一度アクセルに行きますが、向こうも雨が降っていたら、今日は、こちらで過ごそうかと。」

 

「それなら、アーネスさんに会ってきたらどうかしら?なんでも、外から来た人から噂話を聞いたそうよ。」

 

「分かりました。」

 

 

 

 

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■~■■■

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝食を済ませた後、三人で熊と猪の肉の処理を済ませて使える材料を換金したユウヤは、訪ねてきたあるえとねりまきも加わって、猫耳神社に来ていた。

 

「なぜ、こめっこも一緒なんですか?」

 

「ホーストと遊ぶ約束がある!」

 

神社に近づくと何やら作業をしている巨大な翼を備えた悪魔にこめっこが突進した。

 

「ホースト遊びに来たよ!」

 

「おう、こめっこ。いつもより早いじゃねえか?」

 

「今日は、姉ちゃん達も一緒。」

 

言われて悪魔がこちらを見る。

 

「よう、小僧に姉に‥……こいつぁ、驚いた。

小娘の中にいるのは随分とまぶしいな?」

 

そう言ってホーストは、ニターと笑った。

 

 

 

不気味な笑みを浮かべたホーストに対してクリスは戦闘体制を取り、本来地上では長時間活動できないエリスも出現したが、片手を上げてユウヤがそれを制する。指差すのは、ホーストが腕に巻いているブレスレッドだった。

 

「あれにはだ、ホーストがこの紅魔の里の所属だと言うことが記してある。

悪魔と言うのは、上級に成る程自身の行動理念と言うものが決まっているんだ。

そして、ホーストとアーネスは、女神ウォルバクの配下で、ウォルバク先生がこの里で気楽に過ごしていることを喜んでいるんだ。」

 

ユウヤの発言を肯定するようにホーストは無防備に立っているだけで行動をおこさない。

その脚から、ヨジヨジとこめっこが背中に登り、肩車されていた。いつの間にか、来ていたアーネスも面白いものを見るように口角を上げていた。

 

「別にあたしらは、飲み食いしなくとも行動できるけどね、ウォルバク様がここで生活されてるんだから、何もしないのも暇だからね。」

 

そう言うアーネスの腕にもホーストと同じブレスレッドを装着していた。

 

 

 

 

 

 

 

神社の作務所、そこの畳の部屋で全員がアーネスが入れたお茶を啜っていた。ウォルバクはやまない雨の中、魔法学校に出勤していった。

 

「二人がつけてるブレスレッドは、俺達の冒険者カードみたいな身分証明の用途以外に族長への意思伝達機能も備えた優れものだ。」

 

「ちなみにそれを作ったのは?」

 

「俺とひょいざぶろうさんだ。」

 

 

「しかし、あんたもたいへんだねえ~。先輩女神の尻拭いで神器捜しまでやらされるなんてさ。」

 

「ウォルバク先生を勝手な思い込みで邪神認定するようなアクシズ教徒の女神だぞ。

ここにいるエリスも後輩女神なばかりに気の毒だ。」

 

「アクセルにいるのか?」

 

「ああ、今は堕天して、自分が送るはずだった冒険者と一緒にいる。できれば、かかわりたくないな。」

 

悪魔二人とユウヤが会話をして、その場にいる全員から同情の視線を向けられた幸運の女神エリスは、バツの悪い顔をした。

 

 

 

長時間顕現できないエリスがクリスの中に戻った後も会話は続く。

 

「我が名はねりまき、紅魔の里随一の酒場の娘。

居酒屋の女将になり、ユウヤの嫁になる者!」

 

「我が名はあるえ、紅魔族随一の発育にして、ユウヤとの冒険の話をもって大作家になる者!」

 

ねりまきの名乗りにめぐみんの目が据わってきたがそれを無視して、話を続ける。

 

「アーネスには、私の代わりに酒場で働いてもらって感謝しているわ。夕方から夜にかけてかきいれ時だから。」

 

「かまわないさ。ここで、生活してる限りは、理由もなしに襲いかかってくるようなやからはいないし、ウェイトレスをしてる時は、人間の姿になってるからね。」

 

「それで私らは、あなたが耳にはさんだ噂とやらを聞きに来たんだけどね。」

 

「それなんだけどね、エルロードとブライドル、どうやら、この両国に魔王軍の奴がまぎれこんでるようだねえ。」

 

この話にクリスが反応した。

 

「ユウヤ、あり得る話だよ。今のところ、ベルゼルグの王都は陥落する気配がない。

前線でも一進一退だと言う話だよ。だとすれば、ベルゼルグの弱点を突こうとするのは考えられる話だよ。」

 

「それは、食糧や資金面から、首を絞めていこうって話か?」

 

「どうやら、敵にも策士がいるようですね。どうするのですか、ユウヤ?」

 

「ベルゼルグがどうなろうとかまわない。

けれどそれによって、この紅魔の里に不利益になるのは困る。」

 

「でも、エルロードやブライドルが墜ちればベルゼルグも戦えなくなるよ。経済面は、両国に頼ってるからね。ベルゼルグが滅びれば、ここも、孤立だよ。」

 

「なら、エルロードとブライドルを俺達で獲ろう。

そして、アクセルまで繋げれば、ベルゼルグが滅びても、俺達紅魔族が戦える。」

 

 

宣言したユウヤの目は深紅に輝いていた。

そこには、ユウヤのパーティーの紅魔族の少女達、アサシンに女神、更には、悪魔二体、猫耳神社に集った面々の誓いは、かなり後まで秘密になっていた。

 

 

 

 




ユウヤの考えの一端が現れました。
あくまでユウヤは、紅魔族として自身を規定しています。
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