深紅の瞳の魔法戦士   作:アキラ1

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進展遅いわりに読んでくれてる人がいて嬉しいです。


5話

「姉ちゃんおかえり!」

 

我が家に着いた私とゆんゆんを妹のこめっこが出迎えてくれた。けれど私のお下がりのマントの裾が泥だらけになっている。

新聞の勧誘を撃退してから遊びに行ったようだが‥……。

「こめっこ、あなたにはこの魔神にささげられし子羊肉のサンドイッチをあげましょう。」

「すごい。魔王になった気分!」

妹がどこからか連れ帰ってきた黒い子猫を抱えてまた私たちは、家を出た。

「ねえ、この子羽根が生えてるよ。」

ゆんゆんの言いように背中に小さな羽があるクロネコを抱いて歩いていると、後ろから声がかかった。

「やあ、そこへ行くのはめぐみんと‥……族長の娘さんじゃないか?」

「はじめまして。ゆんゆんです。」

「誰かと思えば、ニートのブッコロリーじゃないですか。私たちは、ゆんゆんの従兄弟が剣の稽古をしているとのことなので見物に行くところです。」

「あ~。最近来た銀髪の子だね。あれは、かなり強いよね。」

「そんなことが分かるんですか?ただニートをしてるんじゃないんですね。」

「よしてくれよ。ニートにだって人権はあるんだ。

彼は多分今もソケットと訓練してるはずさ!」

「詳しいんですね。どうして分かったんですか?」

「僕は、ソケットのことなら何でも知ってるんだよ。銀髪君がこの里に来た日から毎日ソケットと訓練してるんだよ。ずっと見てたらソケットに追い払われてしまったよ。」

ゆんゆんも私もブッコロリーのストーカーぶりにドン引きしたが、気をとりなおして 森の奥に向かった。

 

 

 

 

木刀同士の打ち合う音が聞こえて来たので近づいてみると、二人の男女が凄まじい速度で斬撃を交わしていた。

黒髪をなびかせているのは、この里随一の美人占い師と評判のソケットだ。めまぐるしくその体制を変え、上から下から背後からと、はたまた魔法まで組み合わせて攻撃している。

「ちょっとあれ、魔法まで使ったら剣の訓練じゃないじゃないの!」

「大丈夫だよ。よく見てて。」

止めるために駆け出そうとしたゆんゆんをブッコロリーが制止する。

見れば、ソケットのあらゆる攻撃が当たっていない。繰り出すその風魔法や、雷の魔法もかすってもいない。常に動き回って木々の枝から枝へ飛び移ったりして距離を稼ぎ、そしていつの間にか死角から逆にソケットに斬りつけていた。

単独でこの紅魔の里にたどり着けたのだから何かあるとは思っていたがこれほどとは……。

「僕も最初に見たときには驚いたよ。

ソケットは、剣の腕ではこの里随一と言っても過言じゃないんだ。それが、かの銀髪君は最初から彼女の動きに着いていけてたからね。」

私たちが話している間に勝負はついたようだ。

ユウヤが両手に持ち変えた木刀を下から掬い上げるように振るうと、巻き上げられたソケットの木刀が宙を舞った。

 

「降参よ。本当、鍛練始めてから三日で抜かれるなんてね………。」

「お見事だったよ銀髪君!」

「ユウヤ、あなたはブッコロリーに自己紹介をしなかったのですか?‥……これだからコミュ症は……。

…さっさと名乗りをあげなさい。」

ブッコロリーを見て、私とゆんゆんをそれぞれ見て

、ため息をついてから彼は木の根元に置いておいた自らの剣を鞘に入ったまま眼前に掲げて高々と名乗りをあげた。

「わが名はユウヤ。紅魔族随一の究極戦士にして未来の英雄足るもの。やがて、めぐみんを妻にする者!」

 

……………。何を言ってるのだこの男は?

ソケットはにやにやしながらこちらに歩いてきているし、ゆんゆんは顔を真っ赤にして唸っている…その眼までぴかぴか光らしている。私は、私は……。

「わ~めぐみんが目を回してる。どうしよう、どうしよう?」

「そうだな、とりあえずは…‥……先にこいつらを片ずけなくちゃな!」

そう言うとユウヤは今まで使わなかった黒い長剣を抜き放つと繁みから現れた狼の群れに向けて斬撃を放つ。「ルーンオブセイバー!!」

 

「いつの間にか囲まれていたようね。

カースオブライトニング!!」

「こういうときこそボクの出番かな?ライトオブセイバー!!」

 

「‥……まだ、魔法を覚えてない私たちはどうしようもないね………。でも、剣も扱えるようになった方がいいのかな?」

 

わたしもゆんゆんも、これでは戦力外だ。

二人ともまだ、スキルポイントが10にも達してない。魔法学校に入学して間もないとはいえ……。

魔法が使えない魔法使いは役立たずだ。

 

その後も、一撃熊や見慣れない背中に翼の生えたモンスターもユウヤがなんなく倒してしまった。

安心からか、へたりこんでしまった私を背負ってくれたのはユウヤだった。

 

「ゆんゆん、人手を集めてくれ。倒した獲物で肉が採れるやつはめぐみんの家に運んで欲しいんだ。」

「はい、はい。その他にもユウヤが倒したものは私が換金の手配しといたげるよ。じゃあね。」

 

遠ざかるゆんゆんを見送って、ユウヤに背負われた私も家に向かう。ソケットとブッコロリーはまだここにいるようだ。私を背負っている広い背中が温かい。安心して意識を手放した。

 

 

 

 




ユウヤの所持してる剣は神器とかではないです。
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