世界の変化に追いつけない   作:ありくい

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初投稿なので多分書き直します。


第一話

月明かりに照らされた道。コンビニ袋を片手にゆっくりと家へ帰っていると人影が目に入った。同じくらいの年だろうか。銀色の髪の少女が一人公園のベンチに腰掛けている。今は8時、真っ暗で街灯も少ないここでは、かなり危険だろう。

「あの、」

声をかけようとしたときだった。少女がこちらを振り返る。

声が出なかった。とても美しくまさに美少女とも言える外見をした少女はこちらへ目を向けると、歩み寄ってきた。

「え、あ、あ」

何も考えられず、情けない声を出してしまう。

彼女は歩みをとめることなく、俺の目の前にまでよってきた。そして手を伸ばすと、俺の顔を掴み、無理矢理目を合わせてきた。

グキッ

力つっよ。何かを考える前に赤い瞳に意識が吸い取られていく。

彼女は満足したように微笑み、そして━━━━━

 

 

何事もなく俺、深井 純はコンビニから帰ってきた。

「ただいまー」

「お帰り」

姉さん、深井 美香に迎えられる。

「遅かったわね。何かあったの?」

「えっ?」

家を出たときは8時近くだったはずの時計は、11時を指している。

「うわ、ほんとだ。ええ?」

「何があったのかは知らないけど、大丈夫?」

「うん。まあ大丈夫。多分お菓子の新しい味買おうか迷ってたからそのせいだと思う」

「1時間以上悩むとかやばいやつじゃない」

「いや、そうだけどそれ以外思いつかないし」

「ふーん」

そんな会話をしたあと、俺は自分の部屋へと戻り明日の予定を確認し、ベットに入った。瞼を閉じてしばらくすると、体に異変が起こった。

頭に、顔に、体に、腕に、足に。全身くまなく痛みが走る。だが、体は動かずのたうち回ることすらできない。耳は、肉のちぎれる音と骨が折れる音をひろう。

「あ、あ…」 

声にならない悲鳴が漏れる。

(痛い痛い痛い痛いイタいイタいイタいイタいいたいいたい)

痛みが頭を支配する。気付けばそれまでの痛みは嘘のように、痛みは消え去っていた。

目に浮かんだ涙をぬぐい、体を起こす。

「はぁ、何だこれ…」

妙に高い声が響く。

風邪かと思いながら、鏡に目をやり体を確認する。

「えっ」

その鏡には透き通るような青い目と銀色の髪を持つ美少女が立っていた。

「はあああああ?」

自分のとは思えない高い声が響く。するとどたばたと階段を駆け上がる音が響きドアが開く。

「純、大丈夫!?って誰?」

俺を見て姉さんは呆然とする。

「俺だよ。純だよ、多分」

呆然としている姉さんにとりあえず自分で言えることを告げる。どうなっているかわからないがこの美少女が俺であることは確かだろう。俺が動けば鏡の少女も動くのだ。

「多分って何よ!ってか何か証明できるのあるの?」

姉さんが聞いてきた。あるわけない。なんと言おうが俺が教えられたことだと言われれば何も言えない。それに、姉さんとは昔から仲良くはあるが秘密を共有したりとかはしていないのでそれも使えない。

「ないよ。だって何を言おうと純から教えてもらったんでしょとでも言われれば言い返せないし」

考えたことをそのまま告げる。

「うっ。確かにそうね」

どうやら納得してくれたようだ。

「じゃあ、純の出身学校、携帯の電話番号、パスワード、好きなもの、昨日の晩御飯を答えて?」

面接官のように聞いてくる。それにすぐさま答えると、

「あってるわね…。まあひとまずそういうことにしておくわ」

何とか俺が俺であることは伝わったようだ。ん?パスワード?まあいいか。

「で、原因は?何があったの?」

「分からん。なんか寝てたら体がめちゃくちゃ痛くなって起きたらこうなってた」

「今は痛くないの?」

「うん」

そういうと、姉さんは携帯を取り出して、

「うーん。まあぱっと見そんな事例はないわね。どうしよう。病院行く?」

「えー。明日遊ぶ予定あるんですけど」

「遊べるわけないでしょ。その体で」

そりゃそうだ。

「わかった、病院行こう。でも、大丈夫なの?保険証には俺男って書いてあるんでしょ?使えないならめっちゃ高くなるよ?お金ある?」

「ない」

「じゃあどうするんだよ」

「お母さんとお父さんに相談するの。っていうか一番初めにそうするべきだったわね」

そう言って姉さんは俺の写真を撮り、某有名チャットアプリの家族グループに送った。これ男に戻った時に黒歴史になりそう。ちなみに両親は絶賛海外旅行中である。なんでも姉さんがこれまでに育ててくれたお礼で海外旅行券を購入しプレゼントしたらしい。優しいけど、貴方まだ大学生ですよね?と問うとアルバイトとかえってきた。偉すぎ、ラノベ読んでごろごろしてる自分に嫌気がさすわ。

「それにしても可愛くなったわね。あんた」

姉さんが突然そういってきた。

「それな。アニメ見たいだよね。まじかわいい」

鏡を見てニヤける。

「なんでちょっと嬉しそうなの?」

だって夢見たいだし、仕方ないよね?

「そんなことより、これ戻らなかったらどうなるんだろう」

「諦めてその姿で生きれば?その姿なら皆ちやほやしてくれるでしょ」

「その前に不法入国罪とかにならないの?住民票も効かないし」

言ってて気づいたが、これ俺結構やばくね?

「その時は海外に逃げましょ。パスポートないけど」

「密出国ですかそうですか」

「鞄に入ればい「それはまずい」」

そんな話をしていると電話がかかってきた。父さんのようだ。

「もしもし」

『え、純か?』

「うん」

『マジか。テレビ通話にしていいか?』

「うん」

『あーなんだ。俺の名前わかるか?』

「深井 隆でしょ。母さんは深井 美月」

『うーん。まあ美香が嘘をつくとは思えないし』

「とりあえず俺は純だよ」

『分かった。とりあえずスマン』

「え」

『あとこの旅行一ヶ月くらいかかるから帰れないから、何も出来ん。スマン』

「あんた息子の非常事態に旅行優先ってマジで?」

『いやだって、今海の上だし空港まで最短20日はかかるしそこまで経つならもう最後までたのしもうかなって』

「死んだら覚えとけよ。」父さんへの尊敬の念が薄れていく。

『まあ安心しろ。一応後で知り合いのお医者さんに頼んでおくから』

「そんな人いるの?初耳何だけど」

「おう。医師免許はないけどな。借りはあるから明日にでも来てくれるよ」

「え、それって医者じゃなくね?」

『じゃあそういうことで』

電話が切れた。マジで何なの。育ててくれた恩がなければ決別してるよ。

「どうだった?」

「明日医師免許のない人が診てくれるって」

「何その怪しい人」

ほんとにその通りである。

「とりあえず私はネットで調べまくって見るわ」

「わかった。ありがとう」

とりあえずできることをしてくれる姉さんにめちゃくちゃ尊敬の念が沸き上がった。

 

 

〜朝〜

 

朝、姉さんがリビングにくる。

「何も分からなかったわ」

姉さんがそう言ってきた。まああるわけないよね。知ってた。

「どんぐらい調べたの?」

「さっきまでずっと」

マジかよ、いい人過ぎない?どっかの誰かとは大違いだ。

「ありがとね。姉さん」

「妹っていいわね」

しみじみと言われた。まあこの姿可愛いからな。癒されるのだろう。労いの意味も込めて、コーヒーとバタートーストを作って渡して上げた。

「ありがと」

「今日来る人ってどうなんだろうね」

「まあ、何もしないよりはましじゃない?手がかりも何もないし」

確かにそうだ。それに、あくまで両親と関わりがあるのだ。変な人ではないだろう。ないよね?

 

そうしているとチャイムがなった。

「何だろ、もうきたのかな」

「それはないでしょ。早すぎるし、まだ6時よ?」

「出てみるよ」

ドアを開けると、金髪の女の人が立っていた。彼女は微笑みながら、

「貴方が深井君であってますか?」

と尋ねてきた。

「えっと、はいそうですけど。もしかして父の言っていた方ですか?」

「はい。写真を送られていたのですぐわかりましたよ」

「早すぎませんか?」

「せっかくの機会ですしね」

「えっと、何のですか」

「未知の病気に会えるのと美少女に触れる機会ですね」

ん?美少女が何だって?聞き返そうとするが謎の圧があったため、

「そ、そうですか。とりあえず中にどうぞ」

そういって、招き入れた。

 

「自己紹介がまだでしたね。私の名前は香川 優といいます。優さんとでも呼んで下さい」

「深井 純です」

「深井 美香です」

優さんは父さんと母さんの古い友人らしい。連絡を受け、とっさに来てくれたようだ。昔は医者ではあったが、仕事でやらかし、剥奪されたという。なんか怖い。

「では、とりあえず診てみますね」

そういうとそれっぽい機器を取り出し、俺の体をくまなく調べてくれた。

「どうでした?」

思ったより本格的だったので期待して聞くと、

「わかりません。諦めてください」

すっぱりと言われた。

「体に異常はほとんどないですね。精密な検査をしても何もないでしょうね。ところで検査には全く関係ないのですが貴方を触ってもいいですか?」

「え、まぁ、はい」

よくわからずに承諾するとほんとに触ってきた。しかもほんとに体中触って来る。少しくすぐったい。

「いや何してるんですか!」

姉さんが声を上げる。

「いえ、興奮したので」

触りながら恥ずかしげもなくヤバいことを言う。少し気持ち良くなってきた。ってかこれって貞操の危機?

「やめてください!」

姉さんが強引に止めてくれた。危なかった。変な扉が開けそうだった。

姉さんに引っ張られ優さんから距離をとる。

「なんでとるんですか!」

「そりゃ遠ざけますよ。貴方純に何しようとしてたんですか!」

「触ってただけですよ!こんなに可愛いんだから!もとは男の子何だからいいじゃないですか。別に美人に触られるのは興奮するでしょ?」

「しねえよ!俺を変態にするな!」

ちょっとした。この人謎の包容力あるわ。逃れられない。あとめっちゃいい臭いだった。

「そんなことするために来たんなら帰ってください!」

「いや、でも君達の両親から帰ってくるまで世話をしろって言われているから」

「結構ですから!」

「じゃあ朝に料理3食分つくって帰るから!それだけはさせてくださいお願いします!せっかくの借りを返せる機会なんです!」

叫びながらそう言ってきた。姉さんはそれをみて

「まあ、それだけなら」

といった。一体この人と両親に何があったのだろう。気になったがこの人は明らかにヤバめの人っぽいので聞くのをやめた。

 

 

優さんとの話が一息つき、優さんが昼と夜の分のご飯を作りはじめた。それを横目に友達へ連絡を入れていく。地味に5人くらいと遊ぶ予定だったので面倒だ。メッセージを打ちつづけていると、

「きゃああああああああああああ」

と声が響いた。姉さんの声だ。

「どうした!姉さん!」

声をかけると

「あれが出たの!あれ!黒い虫!G!」

どうやらあの人類の敵のようだ。あの虫をいつも対処してきたのは俺だ。いつものように新聞紙を丸め姉さんのもとにいく。

「ん?」

しかしそこにいたのは、ゴキではなく、それに似てはいるが少し青い見た目だった。警戒を解かずにすこしずつ近づいていく。間合いに入った瞬間新聞紙の一撃━━━━綺麗にクリーンヒットしたがヤツはまだ生きていた。そこにすかさず一撃を入れ息の根をとめる。

「ほっ。何とか倒せた」

安堵していると脳内に声が響いた。

≪ゴキヤェロを討伐しました≫

≪道連れの呪いがかけられました≫

≪レベルが上がりました≫

≪新たな職業が追加されました≫

 

 

 

 

 

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