ゴブリンはパソコンに当たると吹っ飛び、動かなくなると、消えた。
何消えたのかは分からないが、考えるより先に大きいゴブリンにもぶん投げる。
大きいゴブリンは、パソコンに棍棒を当ててはじき飛ばした。パソコンは、轟音をたて、壁に埋まった。
(威力がかなり高い。近づくのは危険そうだ。)
距離を取りながらいろいろなものを投げる。パソコン、机、ファイルなど、とにかく投げる。パソコンや机は弾くがファイルや軽いものは防がないようだ。
それならばと、ボールペンを顔近くに投げまくる。大きいゴブリンの目に一本刺さり、ゴブリンは顔を押さえながらがむしゃらに棒を振り回す。
大きいゴブリンの棒は近くのファイルに当たり、先生の一人に当たった。先生は吹き飛び、壁にあたり動かなくなった。
これでは倒す前に跳ね返されたものだけで先生たちが倒されてしまう。
物を投げるのをやめ、標的を俺に絞らせるために近づいてひたすらにテーブルで殴る。
「グオオオオオオ」
ゴブリンは、雄叫びをあげながら俺に向かって棍棒を振り回す。当然近づいているので腹に当たる。
「かはっ」
血が口から出てくる。どこか骨が折れているがそれでも、スキル≪不死≫を信じて殴りつづける。痛みも深夜と比べればたえられる。
「ああああああああ!」
角で殴り、ゴブリンの頭が貫通した。すると大きいゴブリンは、消えた。
ついに倒せたようだ。脳内麻薬がおさまり折れた骨の痛みが主張しはじめるが無視して物を投げはじめる。パソコンはもうないのでテーブルを投げ、先生達と戦うゴブリンを減らしていく。
「死ね!」
先生が突き出した箒が止めとなり最後の一体が死んだ。
≪ホブゴブリン一体とゴブリン9体を討伐しました≫
≪レベルが上がりました≫
≪スキルを獲得しました≫
≪新たな職業が解放されました≫
≪職業レベルが一定に達したため職業を変更できます≫
頭にそんな声が響き、俺と先生は、ゴブリン達に勝利した。
職員室は散々な様子だった。パソコンは粉々、物は散らばり、机はボコボコだ。壁にはパソコンやファイルなど様々だ。ふと、赤黒い液体が見えた。その先を辿るとそこには頭の潰された女の先生が倒れている。他には二人の死体があった。ホブゴブリンによって2名、そしてゴブリンによって1人の合計3人もの人が死んでしまった。臭いが満ちて吐き気がする。周りを見ると、先生達は何故か窓を見て呆然としていた。俺も釣られて窓を見ると、さらに30体以上のゴブリンがこちらへ向かってきていた。
真っ先に気を取り直したのは、梅田先生だった。
「全員二階に引くぞ!」
その声で全員がはっとなり一目散に逃げはじめた。先生達は満身創痍で戦えないと判断したのだろう。
「深井!お前もはやく!」
叫ばれ、俺も梅田先生について行った。
二階につくと先生達は階段に向かって椅子やテーブルをひたすらに投げていった。そうやってのぼってこないようにするつもりだろう。
教室からは生徒達が出てきている。
「純!大丈夫か!」
渚が三階から降りてきて、駆け寄ってきた。後ろには、正義、香菜、明子もいる。
「おう、無傷だ」
≪不死≫によって傷はすでに消えているため、痛みもない。
「純くん。なんでこんな危ないことするの!」
「純、無茶はダメ」
「純、本当にやめてくれ」
四人に囲まれ、怒られる。
「深井。ちょっといいか」
梅田先生が声をかけてきた。
「お前、なんであんなことができたんだ」
「あんなこととは何ですか?」
正義が尋ねると梅田先生は職員室での事を話しはじめる。
「純、どうなっているんだい?」
「女の子になったのに強くなっているだと?」
正義と渚からそういわれる。
「多分ステータスのおかげですね。先生、さっきレベルとか聞こえましたよね?頭に思い浮かべて見て下さい」
「お?何だこれは」
「今分かってることはここにかかれているので読んでください」
そういってスマホで姉さんのサイトを開き、見せた。
待っている間、ステータスを確認しよう。
名前 深井 純
ステータス
レベル 15
攻撃 30(直接15 間接15)
素早さ 45
防御 30(直接 15 間接 15)
魔力 30
職業 スパイ5 転職 昇格 可能
スキル 変装1 隠密1 不死
称号 神の祝福
レベルが5上がりスパイも5上がったようだ。そして、転職と昇格。てか素早さだけ高くなってる。
≪転職≫
職業を変更できる。学生、害虫駆除業者、ゴブリンハンター
≪昇格≫
上位職になれる。 エージェント
(ゴブリンが大量に外にいる中では、ゴブリンハンターを選ぶべきか?いや、でもゴブリンハンターは先生達の方にもでているはず。それならば上位職を選ぶべきか。一先ず先生達に聞こう)
そう思い、先生達へ目を向けると、ちょうどサイトを読み終わったようで俺の方へスマホを渡してきていた。
「深井。大体は分かった。俺ははゴブリンハンターを選ぼうと思う。他の先生もだ。そして、ここの階段と向こうの二つに分かれて耐久する」
どうやら、職業だけでなく方針も決まったようだ。
「わかりました。俺も手伝います」
俺がそういうと、正義が声をあげる。
「僕も手伝います。職業で勇者と選択したら≪聖剣≫というスキルが手に入りました。これを使うと、手元に剣が出てくるようです」
そういいながら、正義の手元に剣が現れた。
「うおっ」
「これを使って戦います!」
正義の、その発言を皮切りに何人かの男子生徒が声をあげた。
梅田先生は少し考え、
「分かった。ただし前にでるのは先生達だ。武器のないやつは箒を持って武器のある奴らと一緒に先生の後ろからゴブリンを突け!」
といった。生徒達に戦わせたくない梅田先生に取っては、相当妥協したのだろう。
俺はその話を聞きながら、昇格を選択する。
≪スパイがエージェントとなりました≫
≪新たなスキルが追加されました≫
そうして追加されたのは、≪言語翻訳≫と≪鑑定≫だった。