世界の変化に追いつけない   作:ありくい

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第百六話

 

ずっと、考えていた。

私を殺す方法とは何だろうと。

肉体はどうしようと破壊することは出来ない。昔の話になるが、星ごと破壊された時もあったが、普通に生き返って長い期間宇宙迷子となった。私の体は生き返る時万全の状態となっている。体温だってリセットされるので、溶岩に入れられても死んでるうちに冷えていく。リスキルされたとしても、休み無しで人を殺しつづけられる生き物なんていない。機械ですらいずれ錆びる。

神様に殺してくれと頼んだ時があった。初めは笑われたり誤魔化されたが頼んだ回数がざっと万を超えると僕にも無理だと返された。どうやら、私の不死は神でもどうしようもないらしい。

そうやって考えて、考えて、考えている内にそもそも私を殺すというのが間違っているんじゃないかと思った。あくまで彼女の望みは純と二人きりでいること。つまり、その場に私がいないこと。もしくは、私が彼等を認知出来ないこと。それなら、どうすればいいのだろうか?私の精神を壊す?出来るのならやってみて欲しい。長い間生きているせいで私のメンタルは凄まじい。というか、こんなに死んでいるのに狂ったことは一度もない。多分何らかの耐性がある。他には?悩んでいると、純がやってきた。

「レイ。大丈夫?」

「なにが?」

「いや、ほら、明子の…」

「ああ。私を殺すーってやつね。大丈夫大丈夫。というか、明日早いでしょ?寝なくていいの?」

「そうだね。じゃあここで寝ていい?」

「いいよ」

そしたら、グースか寝息をたてはじめた。呑気な顔だなと、寝顔を見つめながら笑った。

純もとい私の精神空間。

表に出ていない人格がここで時を過ごせる。だから、基本、ここには一人しかいない。一人ぼっちなのだ。

そこで、ふと、とある予感が頭をよぎった。

彼女の目的がここだとしたら?

私が表に出ていたら当然純はここで一人だ。その純は今のようになにか混ざっている訳でもなく、まるきりそのままの純なのだ。ここでなら、二人きりになれるはず。

ただ、この方法は現実味がない。なんせ、全て私と純のさじ加減。私を殺すのが不可能だとして、これはその次くらいに難しいだろう。

もし、私達が無理矢理明子を吸収するとしたらどんなときだろうか。まずは、前のように、精神メンタルがまずいとき。これは純といることで解決している。だとしたら……

明子のスキルが必要なとき。

いうなれば、明子の力がなければ、どうしようもないとき。

これは、今の状況に非常にあてはまっているのではないだろうか。

人類全てが洗脳され、それを人質とされれば、私達は抗えない。聖域や光魔法を私達が持てればいいけど、そうはうまくいかない。というか、持てたとしても限度がある。互いが互いに洗脳しあうようになれば、例え明子を殺しても、どうしようもなくなってしまう。

そうなれば、明子の力が必要となってしまう。

まぁ、ここまで考えておいてなんだが、正直何とも言えない。ただ、方法の一つとしてはありだと思う。純との間に人が入るのが嫌ではあるけど、それも少しの辛抱なのだ。だって、神の使徒ではない明子の精神は、世界を移動すれば消える。なら、それまでは広い心で許してやろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、マジでやるとは…。

とりあえず、取り込み終わった。だけど、この状態だと、明子しか明子のスキルを使えない。だから、説得が必要になるかなと思いながら、精神世界へと向かった。

 

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