世界の変化に追いつけない   作:ありくい

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百九話

 

「え?」

やばくない?いやでも、今はとりあえず聞かないと。

 

「その魔王は勇者を殺すことが出来るのなら、どんな支援も厭わないと言っていたから≪望みのために≫はとある計画を持ちかけた。その計画っていうのはね、魔王が配下を増やす、その間、私が世界中で話題になり注目を集める、時が来たら、勇者を協力して殺す。とまあ簡単に言うとこんな感じ」

 

ん?この言い方だと明子は魔王と何かあの時協力していたのか?いや、でもあの場には俺達と明子とベルしかいなかったし、横槍の気配も無かった。なら、明子が先走った?

 

「だからね、いろんな手段を使って一般市民も、政府関係者も、軍人もみんなみんな私に注目するようにした。一般市民は英雄として、政府関係者や軍人からは希望、または強大な敵として。それは日本にも留まらず、世界にまで広がっていたんだ。だから、外に行っていた魔王は多分、動きやすかったと思うよ。魔王にも、洗脳は手伝ってもらっていたしね」

 

外に行った?それって外国?ということはあの宣戦布告騒動は魔王という協力者がいたから出来たことなのだろうか?

 

「まあ、日本の船や飛行機が壊されちゃって化け物を一気に輸送するのが大陸側次第になっちゃって少し予定より遅れたんだけど、合流は果たせたんだ。でね、魔王は勇者にしか倒せないとは言ったけども、ダメージを受けないという訳ではないんだ。だから、魔王って駒は慎重にきらないといけない。そう≪望みのために≫は判断したから、私とベルで勇者をはじめに攻めたんだ。勇者と香菜ちゃんだけでも辛いのに、ヒカやマユが追加されるから厳しいんだけど、香菜ちゃんはこっちに来させられるから勝算はあったんだよね」

 

「どうやって香菜を洗脳したんだ?あの場には聖域も光魔法もあったはずなのに」

 

「香菜ちゃんには家族を、信者を見捨てたという罪悪感が胸の内に秘めてあったんだよ。だから、精神魔法で新しい人格を作成、そして、香菜ちゃんの持った罪悪感をベルの力で増幅させて、本来の精神をひきこもらせたんだよ。だから、正確には洗脳ってわけじゃないんだよね。その新しい人格っていうのは、私達の命令には絶対服従、それ以外は特に決めていないから今は多分もとの場所でぼーっとしてるんじゃないかな」

 

あっ、そういえば香菜の存在を完璧に忘れていた。いやだって、あの場じゃ完全に空気だったんだもん。後で拾わないと。いや、もしかしたら正義と一緒にヒカが拾ってるかも?

 

「ねぇ、それって治せるよね?」

「うん。まだやってないけど出来るよ」 

「それならいいや」

「で、話を戻すけど、私達と勇者が戦って、弱ったところを魔王が襲撃って手筈だったからそろそろ始まってるんじゃない?どうする?」

「え?なにが?」

始まっている?話の流れ的に、もしかして…

「だから、勇者への魔王の襲撃が始まってると思うけど、どうしよう?」

え、やばいじゃん。えっ、え、どうしよう?と、とりあえずレイに教えなきゃ。

「明子が化け物の軍団と魔王はどうすればいい?って言ってる!」

 

 

 

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