世界の変化に追いつけない   作:ありくい

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第百十一話

 

統一性のない足音が響き、地面が唸りをあげている。さっきから魔王?が馬鹿にならない威力の魔法を撃ってくるせいで、目で確認することが出来ない。

「正義ぃ!起きたんだったら返事しろぉ!」

「あぁ?純…?」

なんでこんなうるさいのに寝ぼけてられるんだよ!まあ寝起きだもんね仕方ないね!

「せめて聖剣だけは出してっ!」

「≪聖剣≫」

よっしゃ!これで多少背中が安全になった。背中は任せて、反撃も入れていかないと。というわけで、レイ。

『≪命中≫≪火魔法≫≪風魔法≫』

魔王の足元に火柱が昇る。運ばれた風が赤い炎を青に染めていく。命中も兼ねているから避けることなんて叶わないはずだ。

魔王の足元が爆ぜた。

「え?」

魔法は跡形もなく消え、立ち上った砂煙が晴れた後には無傷の魔王がいた。

『そういえば明子でもダメだったんだから当然っちゃ当然なのかな?』

レイがそんなことを呟く。確か明子の魔力は代償強化込みでも俺より多いんだっけ。じゃあやばいな。

「やはり不愉快だ」

魔王が、しゃべった。

「殺したいくらい気持ち悪い、なぜ、貴様はこんなにも気持ちが悪いんだ」

「奇遇だね。僕もそう思うよ」

ぬっと正義が後ろから出てきた。なぜだろう。どこか殺気だっている。

「正義。行ける?」

「うん。というか手を出さないでね。絶対に僕が殺すから」

うっわ、こっわ。なに?嫌われた?

「あ、ああ。わ、分かったよ」

行けるらしいので、ここは任せてヒカのカバーに行くとしよう。ま、行くといってもすぐ後ろだけどね!

 

 

 

 

 

というわけで後ろを振り返ると、ぼーっとしている香菜と化け物を殺し続けるマユ、そして、なにか頭を捻っている様子のヒカがいた。

「ヒカ?なにしてるの?」

「この感じは…。深井純か。レイが念を送って来ていたからな。だいたい状況は把握した。というわけで、俺はいますぐ人間の方をなんとかする。俺を守ってくれ」

「なんとかするって…」

こんな場所で突然そんなことが出来るのだろうか?

『純。今は従ってあげて』

んー。やけになにをするのかを教えてくれないのは気になるけど聞いている時間はなさそうだな。さっきからマユの撃退ペースを超える速度で化け物が沸いている。

「≪代償強化≫」

今は守ることが優先だから前に出ずにこっちにくる奴から落としていく。しっかし、どれだけ溜め込んでいたのかは知らないが終わりが見えない。たまに空から降ってくるが、それはレイが魔法で勝手に殺してくれる。

「あれ?」

さっきまで一発で倒れていた敵が倒れない?すぐにもう一発追撃すると消えていく。しかし、他の化け物はこれまで通り一発で倒れていく。

気のせい?

とりあえずそう思うことにして、また倒しつづける。代償強化の切れ際にはレイが重ねがけしてくれるのだが、どうしても一瞬隙を見せてしまうからマユに守ってもらえるよう頼んでいる。そんなこんなで倒しつづけて、まだまだ終わりが見えない頃に…とある結論が出た。

「うん。ほぼ確実に強化入ってるね」 

そう言いながら、二発かけてゴブリンを倒した。

 

 

 

 

 

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