「レベリング?」
「そう。これは明子から聞いたんだけど、化け物もダンジョンでレベル上げ出来るらしいんだよ。たしか、魔王の統率力かなんかで本来入れないダンジョンにも入れるようになってるらしい。化け物強くなっていたでしょ?あれは人間かダンジョンかでレベル上げをしたんだろうね」
「人間…。そういえば、魔王ってあの数の化け物を海外から連れて来たんですよね?だったらもう日本以外は…」
あ~そういえばそうか。
「いや、海外は何とかなってるぞ。少なくとも政府関係者は全滅していない」
「え、どうして分かるんですか?」
「友井明子の命令で宣戦布告してただろ。少なくともそれが出来る面子は揃ってるってことだ」
あ、軍隊とか関係なしに、そういう手続きが出来る人間はいるってことか。
「いや~ひーちゃんは頭いいねぇ。というわけで、今日は準備を整えて、明日から頑張ろう」
全員が頷いたのを確認して、各自、最後の戦いへの準備を始めた。
『ねえレイ。やりたいことあるんだけど代わってもらっていい?』
純が突然そんなことを言ってきた。
「いいけど、どうしたの?」
『いやね。姉さんの元に行きたくてさ』
たしか、明子の話では配信をしているんだったか。おかけで洗脳の感染も広まったのだろう。
「いいよ。じゃあ代わるね」
ぱっと視界が切り替わった。そして、あぁ、とため息を吐く明子がいた。正座なので何かの修業かな?
「なにしてるの?」
「純がどっかいっちゃった。さっきまで膝枕してたのに…」
「ちょっとどういうことかなぁ!?」
聞き捨てならない言葉について問い詰めるのであった。
「よし、ここだ」
明子から聞き出した住所にまで来た。結構頑丈そうでセキュリティもしっかりしてそうな家だ。傷もないので化け物も来ていないのだろう。
携帯を取り出して姉さんにメッセージを送る。既読がついて数分。やっと返信が来た。
『入ってきていいよ』
許可も貰ったので扉を開ける。ここまでしておいて別の家でしたとかだと恥ずかしいけど玄関の靴は紛れもなく姉さんのものだった。
「お邪魔しまーす」
純だよー、姉さん?といるであろう姉さんを呼びながら静かなこの家を探索する。
「じゅ、純…」
懐かしさすら覚えるその声の方向へ目を向けると部屋の片隅に姉さんがものすごい気まずそうな顔でこちらを見ていた。見た瞬間、いろいろな感情が浮かび上がってきたけど、とりあえず、
「姉さん!」
抱き着いた。
久しぶりの家族の感覚に涙が溢れた。