世界の変化に追いつけない   作:ありくい

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第百二十一話

 

「第二形態って感じかな」

前の魔王もかなり気持ち悪かったがこれもかなり気持ち悪い。一応人の形を保ってる癖に所どころ化け物の頭とか手とか飛び出ている。私でもきつい。

「はっ。僕はまた!」

おっ、正義が正気を取りもどした。あれ?魔王死んでなくね?え?これ第二形態じゃないの?

「フハハハハハハハハハハ。これは素晴らしい!思考にかかっていたモヤがようやく晴れた!力も沸き上がって来るわ!」

魔王もなんかおかしくね?いや、これが素…違うか。明子の話に出てきた魔王の口調とも違う。

「手始めに…そこのゴミ共からだ。≪火魔法≫」

「…っ!≪全天≫!!!!!!」

空に張られた全天を何もなかったかのように貫き、周りが炎に包まれた。

「え?」

「ぎゃあああああああ!!!」

炎に包まれ阿鼻叫喚の地獄絵図へと早変わりする。

「チッ!≪水魔法≫!」

すぐに消火したが、既に過半数が黒い塊となっていた。慌てて香菜が聖域を発動したが、もう戦える物はいなさそうだ。

「母さん…?」

正義がある一点を見つめている。発言からなにが起こっているのか容易に想像できるものの、そんなことをしている場合ではない。

「背中ががら空きだぞ。勇者よ」

「だろうね!」

正義に向かって伸ばされる手を弾く。放たれたら止められる人が一人もいないのだ。外させるしかない。

「ふむ。邪魔だな。ならば…」

魔王の発言に身構える。こういうとき、自分から攻めたとしても警戒されているため避けられる可能性が高い。だから、こちらも最大限警戒して、行動の後隙を狙う方がいい。

「新しく手に入れた力だ。存分に味わうといい」

魔王の体から闇が溢れ出す。そういえば角生えてるもんね!あの小鬼君可哀相だなぁ。じゃなくて!

転移機能があるあの闇に触れて遠くに飛ばされれば堪らない。あの闇は怒りによって威力が上がるらしいが、あの体に埋め込まれてる化け物とか全員怒ってそうだから威力だから触れただけで宇宙にまで飛ばされるかも知れない。

私の周りを囲うように闇が張り巡らされる。隙間を縫ってなんとか抜け出す。

「猪口才な。ならこれでどうだ」

私を捉えるのを諦めたのか今度は空に闇が広がる。

「なにを…!?」

水色の玉が闇から落ちてきた。あれは、スライム?

「ひま━━━チッ」

魔法を発動させまいと魔王の巨体が降って来る。スライムならいつでも魔法で消せる。なんなら正義がやってくれるはずだから今はこれを押さえないと…。

「って、あ。強化、切れた…!」

まさに振り下ろされる直前、体に満ちあふれていた力が抜ける。なんの抵抗もできずそのまま私は潰された。

 

 

 

 

 

「なに…これ…」

五秒程で生き返って、始めに目に入った光景に唖然とする。

「フハハハハハハ!!!!蘇るとは奇妙な奴だがその程度ではどうしようもできまい!」

 

何体もの魔王がこちらを見下ろしていた。

 

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