世界の変化に追いつけない   作:ありくい

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百二十二話

 

落ち着け、私。あれはスライムだ。だから魔法を一度でも発動させれば…

「させるわけないだろう」

何体もの魔王が手を挙げる。次の瞬間には、体が燃え尽きていた。

視界に光が戻り、すぐにその光は消えてなくなる。代償強化したところで圧倒的な火力に押し潰される。ずっとずっと、無限に続く痛みが私を襲う。

ああ。何度目だろうか。この地獄を味わうのは。まだ正気を保っていられるが、いずれ、何も考えられなくなるはずだ。まだ純は寝ているし、そうさせたのは私だし、甘んじて受け入れるべきだろう。

とはいえ、抵抗は最後までやりたい。うまくいけば抜け出せる可能性があるかもしれない。

例えば、強化してから死んだとしても生き返った時にそれは引き継がれる。だから、何度か強化を繰り返せば耐えられるかもしれない。

一回目、死亡。二回目、死亡。三回目、死亡。四回目、死亡。五回目、死亡。六回目、七回目、八回目、九回目、十回目、十一回目、十二回目、十三回目……………五十回目。

やっと、耐えられた。でもすぐに別の魔王によって体を燃やされる。

しかし、一秒程は周囲に目を配る事ができた。やはり、まだスライムが全然減っていない。

何故だ?正義ならいつでも魔法で倒せるはずだ。死んだ?それなら積みだから、それはないと信じよう。

で、あるならば

正義が正気を失っている。それか、魔法を使えなくされている。どっちも考えられるな。おそらく、いや、確実に正義の母親はあの攻撃に巻き込まれている。だとするなら正義が復讐に燃えて馬鹿見たいに聖剣を振り回すのも想像にかたくない。もしかすると冷静な思考が残っているのかも知れないが、そうなった場合、ひーちゃんもいるはずだから魔法を撃たないという選択肢はない。だから、何か魔法を封じる何かが使われているのかも知れない。

つまり、私がやることは一つ。

 

正気を失ってでも魔法を使う事だ。

 

五十一回目、六十回目、八十回目、百回目、二百回目、三百回目、四百回目。一度耐えられたのを見られていたのか一度に飛んで来る魔法が増え、何も出来ずに死につづけていた。

でも、いける。さっきからごじゅっかいほど、たえたとしてもなにもせずにしんだふりをつづけている。たぶん、つぎはつぎのまほうかくるまでにつかえるはず。

よんひゃくいっかいめ。しかいにひかりがもどったとたん、まっかなほのおにからだをやかれる。デも、タっていられル。

「ヒまホう。アれ?」

ナニモ、デナイ?

「フハハハハ!教えてやろう!化け物の中に魔法を無効化する奴がいただろう?」

エ?アノキシミタイナヤツノコト?

「あれはな。あいつ専用の魔法によって塞いでいたに過ぎないんだ。そして、取り込んだ事によって私もそれが使える」

ツマリ?

「そのスライム達には魔法は効かないぞ?」

 

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