世界の変化に追いつけない   作:ありくい

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第百二十四話

 

『ごめんね、明子。ありがとうね』

待ち侘びていた熱が、何処か遠くへ飛んでいった。そしてすぐに、何かに飛びつかれた。

「ひっ……え?」

「めいこ~じゅんだして~」

あうあうと体を揺さぶって来る白髪の少女。見たところ、まだ純がやばいと言っていたのは治っていないみたいだ。

「なんでだろ」

どうして私なんかの為に。もっとほって置いても誰も文句は言わないだろうし、むしろ見殺しにしてほしかった。

「めいこ~」

そもそもどうして私は生かされているんだろう。あの時、なんだかんだと言っていたけど、ほんとに私を生かしておく必要あったのかなぁ。

「ねえ~。むししないで~」

「あーはい。よしよし」

適当に頭を撫でてあやしておく。さて、出来るだけ見ないようにしてるけど正義も香菜も見る度に心が痛くなる。正直、辛い。こんなことなら、死んだ方が…。

あ、そっか。

これが…罰なんだ。

死にたくても、死ねないことが、罰なのかな。だとしたら、

 

相当、甘いなぁ。

 

こんな罰、罰になってないじゃん。私絶対忘れるもん、こんなくだらない罪の意識。

なんか笑えてくる。嬉しそうに目をつぶっているレイが可愛らしい。

あ~あ、まあいいや。忘れるまでは死にたがっておこう。で、忘れるときが来たらその時は…。

さて、純の為にレイを頑張って治しますか。

 

 

 

 

さぁ!明子とレイの為に耐えてやるわぁ!

そんな意気込みで明子と変わったのはいいものの避けようもなく体が焼けていく。

ただ、最近体を痛めることが多すぎてなんか余裕が出てきている。まあ、気合だけで体を保つことが出来るわけじゃないから、焼け死ぬまでの少しの時間だけちょっとずつ動かしているだけなんだけどね。

魔法の範囲は一定っぽいから運が良ければこの魔法から逃げ出せるかもしれない。ただ、それよりも優先すべきことがある。

あの、明子の感じた違和感。あれをどうしても解決したい。もしそれができればスライムを倒せるかもしれない。というか、それをしないと、正義が魔王に勝つ確率が圧倒的に下がる。

だから代償強化は死ぬ前にしっかりと済ませている。そうして、落ちてきたチャンスを拾い損ねることがないように気を配るのも忘れない。

正義が魔王に負けてしまえば香菜も姉さんも先生も優さんも、みんなみんな死んでしまう。だから、少しでも明子が作ってくれた糸口を広げて、このスライム共をなんとかしないと…。

ただ、5回死んでやっと一メートルだ。まだまだ先は長そうだけどレイと姉さんのためにも頑張らないと。

さて、後何回死ねばいいのかな?

 

 

 

 

 

 

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