世界の変化に追いつけない   作:ありくい

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明日は忙しすぎるので出せないかもです。(なんで夏休みなのにこんな忙しいんだろ?)


第百二十五話

 

最終決戦前日、僕はヒカと香菜と一緒に自衛隊基地へ来ていた。ヒカの目的は自衛隊との作戦のすり合わせと言っていたけど、僕達の目的は違う。

「じゃあ、また後でね、ヒカさん」

「ああ。…あまり長居するなよ」

「分かってるよ」

目的はヒカには告げていないが、彼の心を読む力でばれているらしい。まあなんにせよ、今回の目的は母さんに会うことである。

 

 

「ここです。もうしばらくお待ちください」

「「ありがとうございます」」

自衛隊の人に連れられて、面会室までたどり着いた。この後、母さんを呼びにいってくれるらしい。

「うう。私きてもよかったのかな…」

いろいろ悩んだのだが、香菜にはこっちについて来てもらった。

「ごめん。やっぱり嫌だった?」

「いや、そういう訳じゃないんだけど…」

そんな話をしていると、目の前のドアが勢いよく開かれた。

「正義っ!」

「ぐえっ」

母さんがものすごい速さで僕を抱きしめた。思わず唸ってしまったけど、勇者である僕のステータスじゃあ…く、苦しい。

ぱしぱしと母さんの腕を叩く。すると、少し力が弱まった。

「よかった。貴方が無事で、本当によかった…」

涙声でそんなことを言われたもんだから、僕の涙腺も震えはじめた。でも、言わないといけないことが…

「母さんっ!ごめんなさい。父さんがぁぁぁぁじんじゃっでぇ」

ダメだ。涙が溢れて声も震えてしまう。しっかりと伝えないとだめなのに。

「…そっか。やっぱり、死んじゃってたんだね」 

「ごめんなさい」

僕が守れなかったから、父さんが死んでしまった。一度香菜と一緒に整理したはずなのに、どんどん後悔が溢れ出てしまう。

「大丈夫、大丈夫だから。…あのね、正義。この前ね、お母さんの夢にお父さんが出てきたの」

「…え?」

「お父さんはね。明るくいろんな事を話していたんだ。あの時は楽しかったとか、お前が帰ってこなくて寂しかったぞーとかね。でも、最後にこう言ったんだ」

涙声から一変、芯のある、はっきりとした声へと変わった。

「置いていってごめん。正義にも謝っておいてくれって」

母さんは続ける。

「どういうことって言ったんだけど、次の瞬間にはもう目が覚めてた。だからね、正義。後できっちりとお父さんの最後を教えて。お父さんの言葉にはどんな意味があったのか一緒に考えて、その上でお父さんを見送ってあげよう」

「…うん」

「はい。じゃあそのためにも、明日頑張ろっか」

「うん!」

にこりと微笑む母さんにこれ以上ないほどの安心感を覚えていた。

 

 

 

その母さんが、倒れている。焼けただれた皮膚がこれ以上ないほどの

「母さん?」

呼びかけても、動かない。近寄って揺さぶってみても、動かない。

「ねぇ。どうして?一緒にお父さんを見送るって行ったじゃん」

「朱里さん!」

香菜が駆け寄ってくる。

「≪聖域≫」

暖かな光に母さんが包まれている。ぴくっと母さんが動いた気がした。

「正義くんっ!」

香菜が少しばかり喜の感情を混じらせ呼びかけて来る。

「香菜。なんとか出来そう?」

「うん。きっと…いや、絶対になんとかしてみせるよ!」

「分かった。お願いね」

聖剣を片手に振り返る。そこには、大量の魔王が立ち並んでいた。その大半が別の場所へと永続的に魔法を撃ちつづけている。

「おい!烈火正義!よく聞け!」

ヒカが叫び、今の状況を伝えてくれる。一度、魔法を繰り出してみるが、確かに効かなかった。

「勇者よ。どうだ?今の気持ちは」

その言葉と同時に莫大な魔力を伴う魔法が飛んでくる。

「最悪だよ」

黒が入り混じった光が聖剣から飛び出て、その魔法と相殺した。

 

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