世界の変化に追いつけない   作:ありくい

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いけたぜい


第百二十六話

「ん?」

なんかいつもと違ったような…まあ、今はいいや。分裂させて、一本を投擲する。

「む?避けるまでもないな」

炎の壁に阻まれて、聖剣はそのまま焦げ落ちた。ま、そんなことは百も承知な訳で、何か喋りそうなタイミングでもう一本を投擲した。

「ふぐっ」

見事予想が当たったようで、喉にしっかりと突き刺さった。その聖剣を分裂させた物を手元に召喚する。そのまま、一度前に振るうと斬撃とともに聖剣から光が溢れ出した。

そして、飛んできた魔法と相殺した。

やっぱり、後ろに香菜と母さんがいる限り、聖剣を一本は守りに使ったほうが良さそうだ。さっきは一人だったから良かったけど…

魔王がいる方向とはまったくの別方向から魔王と同威力の魔法が飛んできた。

「これがあるよなぁ」

幸いにも、いや、純のおかげであの大量のスライムはこっちにヘイトを向けていない。数としては1,2体ほどがこっちに魔法を飛ばしてくる程度である。

やってみて思ったけど、魔王は俺だけでは倒せない。火力が足りない訳ではなさそうだけど、魔法で防がれてしまうからだ。

「なら、向こうからかな」

いつのまにやら魔王の喉から落ちていた聖剣を振るい、うじゃうじゃといるスライム共の方向へと聖剣の光を繰り出した。それは、一体のスライムを消し去った。

「お、よしよし」

幸いにもこれは魔法判定では無かったようだ。これなら、少しずつだけど減らしていける。とまあ呑気に喜んでいる暇はないようで。

「キサマァ。許さんぞ?」

怒り心頭で魔法を飛ばしてくるけど、威力は変わらず打ち消せる。一緒に真っ黒な闇が飛んできていたが、光になすすべなく消え去った。

時間はかかるが、これなら少しずつだけど有利になっていくだろう。そして、純が解放されたときにはもう、魔王は終わりだ。

ちびちびとスライムを削り続ける。時々魔王にも攻撃を繰り出して、スライムの増加を邪魔する。

「ぐっ。キサマァ!」

魔王には始めの余裕はどこえやら。顔を真っ赤にしてただただ魔法を撃ち続けている。

ほんとにありがたい。できればずっとそうして欲しいものである。

「香菜。どう?」

「大丈夫だよ。このままなら、いける」

母さんも大丈夫そうだ。そこからも、ちょくちょくスライムを削りながら、魔王に攻撃を続ける。

「こうなったら…」

「チッ」

行動パターンが変わりそうな発言に舌打ちを漏らしてしまう。

そして、魔王は突如ドタバタと気持ち悪い足を動かして、スライムの群れの中に入っていった。

「はああああああ?」

めんどくさっ!

 

 

 

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