世界の変化に追いつけない   作:ありくい

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第百二十八話

 

この気持ち悪い人型になってから、一度も近づいていない。だから何が出来るのかとかそういった情報が足りないので警戒は怠る事は出来ない。

どんぱちと魔法が飛び交っているにはスライムの群れのちょうど中心辺りだ。ただ、その中央が大きく空いていて、スライムの懐に潜り込んだ僕に対して魔法が飛んで来ないのを見る限り、自身や仲間が撃った魔法でも体に近づくと消えてしまうと思って良さそうだ。

というわけで、僕は今、周りにいるスライム達からくそでかい足を突き出されている。

「クッソ…聖剣で斬ってもすぐ再生とかクソゲーが過ぎるよ…」

むしろ、斬った途端水となって一度飛び散るので斬らないほうがマシである。光をだせば倒せるが囲まれてるのにそんなことしたら一時的に目が使えないためそこを突かれてしまう。

それにしても、どうしようか…。うーん。同士討ちさせてみるか。

聖剣で斬るのではなく少し横に逸らしてみる。思い通り、それは他のスライムの足にぶち当たった。互いの足は大きく弾かれるものの、傷付いた様子はない。

「意味ないわけではないね。まあ囲まれてるのに変わりないし奥まで入り込んでみようかな」

あわよくば、純を引っ張り出したい。出来なくても、何匹かこっちに釣れれば万々歳だ。

「よし。行くか」

これをすると、一旦離脱が出来なくなる。集中力を高めて一歩を踏み出した。

 

 

 

 

 

 

 

だいたいわかったぞ…!

あれから何度死んだか忘れたけど、多分これ、めちゃくちゃ薄い闇が張られてる!

多分間違いない。一回だけ抜けられた時に魔法撃ったら一緒に小指飛んでったけどどっちも消えた!魔法の炎で目がくらんでただけだと思ってたけどちょっと暗いのもそのせいかも知れない。

で、それが分かったとしても…

どうするの?え、どうしようもないよね。むしろ絶望感増したよね。魔法無効かと思いきや物理も無効ですってか!いやスライムだから物理効かないのも知ってるけどさ!

いや、落ち着け。まだなんとかできるはず…。周りを見渡して、なんとか突破口を…!

ん?なんか正義いない?え、しかも聖剣でスライム斬ってない?再生されてるけどなんで刃届いてるの?

ん~。聖剣に闇を無効化する力でもあるのかな?なら、正義から一つ借りれないかな。レイなら上手く使えるはず。おーいレーイ、起きてるー?

『じゅん~』

だ め そ う

俺がやるしかないのかな。でも俺の出来る最大限の強化じゃ抜けられないから話にすらならない。

うん。正義に頼るしかないな。どうにかして気づいて貰えれば…!

とはいえ、アクションを起こせるのはまだまだ先だ。とりあえず今は正義の居場所を確認するくらいしかやることがない。

そう思って燃え盛る体に鞭を打ち、顔を上げる。

え…

目が合った。すぐにスライム達の体で塞がれたが、それでも一瞬、確実に目が合った。

その次も、さらにその次も。確実に向こうはこちらを認識している。それなら、口パクで伝わらないかな?

うん。どうせやれることも少ないのだ。やって見る価値はあるだろう。さて、なんて言おうかな?助けてでいっか。

「た」

「す」

「け」

「て」

辺りを莫大な光が包み込んだ。

 

 

 

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