世界の変化に追いつけない   作:ありくい

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第百三十二話

 

純と入れ替わり体の調子を確認する。純が意識を失う直前に死ぬまで削ったようで私の体は女の子の方…つまり元々の姿になっている。

「おお、結構いいな」

かなりステータスが上がっている。半永久的にダメージを喰らいつづけることを除けば、なかなかにいい手段だ。私も回復魔法欲しいなぁ。いつか手に入れられれば良いんだけど。

「えっと、レイよね?」

「うん。この強化を活かしたいからすぐ行くね」

せっかく純が頑張ってくれたんだから、このステータスを活かしてあげたい。姉さんの返事を聞く前に、私は地面を蹴った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそ…」

やはり一度守りに入ってしまうと、再び攻めに転じることが難しい。どこか時間稼ぎのように思える魔法を撃ってきているのだが、一発一発が手足が飛ぶほどの威力であるせいで油断ならない。

確実に一つ一つ対処していると、魔王に向かって、高速の何かが飛んできた。

「ぐわっ!」

魔王が大きくのけ反り、その飛んできた何かがこっちに向かってきた。

「お、純?いや、レイ?」

「レイだよ」

ほほーう。純じゃないなら絞ってやるのは後回しだな。

「正義、スパチャのこと気づいてる?」

「えーと…。この光魔法とか書いてある奴?」

魔王の攻撃を防いでいる途中、たまにカラフルな文字で良く目立つメッセージ的なのが飛んできていた。

「そうそう。それ使おうと思えば使えるよ。後ね、今たくさんの人が正義にステータスを正義に送ってくれてると思うんだけど、感じてる?」

ステータスを送ってくれてる…?うーん。もしかして体がちょっと熱くなってるのがそれなのかなー?

なにはともあれ、確認するのが先だろう。何度も確認したステータスをもう一度確認する。

「あ、上がってる」

戦ってる時には全然気づかなかったのだが、もう百以上上昇している。多分、魔法を防いでいる時は聖剣で斬っているだけなのでステータスの恩恵を感じずらかったのだろう。

「なら良いや。正義。私が魔王に隙を作るから確実に仕留めてね。2分後くらいだよ」

返事をする前にレイは行ってしまった。

魔王の方向を向けば高速で動くレイが魔王を圧倒していた。

「ステータスの上昇のおかげで多分助け無しでも魔王は倒せるだろうけど…。いや、いいや」

変なことを考える必要はない。確実に倒せるチャンスを無駄にするわけにはいかない。

「集中するだけじゃなくて、これも使おう」

スパチャとして送られてきた光魔法を使用する。僅かだが、力が増した。この調子で複数ある光魔法を使用していく。

「いける」

沸き立つ力に脳が興奮しているのを感じる。なにもかもがゆっくりに見え、レイの動きも目で追える。

レイが懐に潜り込み、魔王を浮かせた。

「今」

身動きの取れない魔王の体を莫大な光が包み込んだ。

 

 

 

 

 

「おつかれー」

「レイ。まだだよ」

なにもかも終わった感じで近づいてきたレイに正義は警告を促す。

「手応えはあったけど、死んでいる姿を確認しないわけには、安心出来ないよ」

「いや、流石にやったでしょ…。あれ、最大限に強化したとしても耐えれないもん」

そう言った途端、真っ暗な闇が光を塗りかえた。

「ユルサン!ユルサン!ユルサンゾ!」

闇が晴れ、ボロボロとなった魔王の体が現れる。

「え…。あれ耐えるの?でもあのくらいならさっとやれるでしょ。ね?正義」

レイが正義の方を振り返り、固まる。

「がはっ」

そこには、正義がとめどなく血を吐き出して倒れていた。

 

 

 

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