時間になると、体が沸騰するかのように細かく膨らみ始めた。肉が破裂し、そして再生していく。
「うっ」
かなりきつい。吐き気が込み上げてくるが何とか耐える。正義に見せてトラウマうえつけようかな。
それにしても、外から何かをされたようには見えなかった。不可視の何かならわからないがどちらかというと体の内部から出ているように感じた。何にせよよくわからなかった俺は落胆しながら眠りについた。
朝、朝食を取り、準備を整え三人で外に出た。外には散歩する人は一人もおらず、ところどころに警察がいるだけだった。
「普通の人いないね」
「そうね。まあ危険だしね」
すると警察が声をかけてきた。
「君達、外は危ないんだから出たらだめだよ」
「それは分かってるんですけどどうしても体が鈍ってしまうのであなた方の目の届く範囲ならいいかなと」
優さんが代表して答えた。
「うーん。まあ分かるけど…」
「あと僕レベルがそこそこありますよ。近くの中学校通っているので」
「ああ、あそこ!ならいいかな?一応上に運動の機会をと、掛け合うようにしておくよ。それじゃあ気をつけてね」
なかなか柔軟な人のようだ。
「はい。気をつけます」
そうして警察は巡回に戻った。
「緊張したー。警察怖いなー」
何もしてなくても警察は怖い。
「この感じだとレベル上げしようにも、すぐに倒されてしまいそうね」
あんなにも警察がいたのでゴブリンがどこにいてもすぐ倒されてしまいそうだ。
「諦めますか?私的にはもう少し粘りたいです」
「そうですね。まだ歩きましょうか」
町内をぐるっと回っていると警察が多いところと少ないところが確認できた。基本的に住宅地には多く、山の近くといった場所は少なかった。ふと路地裏が目に入った。
「あそこ行く?」
姉さんに聞いてみる。
「行ってみましょう」
俺を先頭にして進んで行った。
「ねえ、あれ」
路地裏にはゴブリンが一匹だけ確認できた。
「ラッキーですね。美香さん行きます?」
「いいの?ありがとう」
姉さんはゆっくりとゴブリンに近づいていく。見てるだけの俺が緊張してきた。
「ふっ!」
一気に棒を振り回しゴブリンにヒットする。ゴブリンは頭を抱えながらこちらへ向き、棍棒を手に持って走り出した。姉さんは動じずに包丁を取り出しながら棒でちくちくと攻撃する。ゴブリンは姉さんの棒をはじき、一気に詰めてきた。そのまま姉さんのナイフに刺されて消えた。
「お疲れ様、どう?」
「レベル上がったわね」
「じゃあこんな感じですこしずつ倒していこうか」
「うーん…」
優さんが考え込んでいる。
「優さんどうしたの?」
「いえ、ふと思ったのですがこの化け物が何もないところから突然出現するとしたら、ここ逃げ場がないなと」
確かに、壁側ならいいが化け物に道を塞がれて全滅もありえるのか。考えていると不安が襲ってくる。
「そんなフラグみたいなこと言わないで下さい。でも念のため出ましょうか」
そうしてきた方を向くと、
イノシシのような顔をした、2メートルほどの大男が立っていた。
フラグって本当に回収されるんだな。勉強になるわ。