朝、食事を済ませ、装備を整えたら、外に出て隠密を使い周囲を眺め始める。できたら正義を連れて行く前に様子を見たい。
この日もまだ、新しい化け物の情報がないらしく警察は警戒しながら辺りを巡回していた。
俺はちょくちょく、石を投げてゴブリンを倒したり、隠密で忍び寄ってオークを包丁で両断したりしてレベルを上げていた。
そろそろ昨日オークが出てきた時間になる。見落とさぬように屋根の上に移り、辺りを見回す。
時間になると、ゴブリン、オークがぽつぽつとわき出す。それを10分、20分と見続けるが結局新しい化け物は見つからなかった。インターネットでもそのような情報は一切出ていない。
今日は新たな化け物が出ない。そんなことがあるのだろうか?何となく信じられないまま正義の家へとむかった。
携帯で連絡をとると鍵は開いているから勝手に入れときたので容赦なく入っていく。
「正義~。おは~」
「やあ。純。おはよう」
「おお?今日は見た目と違和感がない声だな」
「あ、おはようございます。清志さん」
「おう。おはよう」
声をかけると、親子揃って挨拶してきた。
「あれ、そういえば正義のお母さんは?警察だから夜は分かるけど朝もいないの?」
そう、正義のお母さん烈火 朱里は警察だ。だから昨日はまだ良くても朝にいないことに疑問を覚え、質問する。
「ああ、朱里は警察で寝泊まりしてるんだよ。事態が事態だから出勤時間すら惜しいってさ」
うへぇ、ブラックだ。
「じゃあ純。行こうか」
「そうだな。じゃあ清志さん、行ってきます」
「気をつけろよ」
清志さんに見送られ、俺達は外に出た。
正義にも隠密をかける。ここで気づいたのだが隠密は俺が正義にかけているのに、俺は正義を認識出来なかった。ここで隠密先生の弱点発見。幸いにも触れていれば分かるのではぐれないためにも手をつなぎながら移動をする。
「正義。今日は新しく出る化け物についての情報が得られなかったから、警戒しろよ」
「了解」
これはからかえそうだ!
「ちなみに美少女と手をつなぐってどう?」
「画像晒すね」
「すんませんでした」
こいつの携帯壊さねぇとこいつに逆らえねぇ!
「まったく。まぁ緊張はほぐれたから許してあげるよ。そんなことより純、あれ」
正義の指の先には、オークがいた。
「正義、ほら。これ投げろ」
硬貨の固まりを渡し、投げてもらおうとすると、押し返された。そして、
「≪聖剣≫」
剣を召喚すると、ぶん投げた。剣はオークをサクッと貫通する。
「おい!誰かに当たったら──「≪聖剣≫」
そのままどこまでも飛ぶかと思った剣は消え、正義の手元に戻っていた。
使い勝手良すぎだろ。
「ふふ、僕だって何もしていないわけじゃないんだよ?」
にやにやと、勝ち誇ったように俺のほうを見てくる。隠密解いてやろうか。
「あー、すごいすごい。ちなみにレベルはいくつ上がった?」
「あれで5上がって、22になったよ。ついでに投石とか言うスキルを覚えて、聖剣も2になったよ」
やばぁ。もしかしなくてもスキルのレベルも成長促進の効果あるのかも。
そこから、まだ未知の化け物を警戒しながらレベル上げを続けた。正義のレベルが40に近づいてきたころ、聞き覚えのある足音が響いた。ハイオークだ。逃げるか悩んだが正義のステータスはもう俺を超えているため、戦ってみることにする。
「正義。あれはハイオークというオークの上位種だ。逃げることも視野に入れて行くぞ」
「分かった」
そして、聖剣をぶん投げる。ハイオークの足を貫き、その場に食い止める。その間に俺は後ろから接近し、包丁を振り下ろす。頭の半分にまで入るがまだ死なないようで腕を振り回してきたので後ろに引く。
「≪代償強化≫」
左指を全て使い、ステータスを上げもう一度振り下ろす。今度は綺麗に両断できた。
≪ハイオークを討伐しました≫
≪レベルが上がりました≫
すぐに正義と合流すると、二人で屋根に登り一息ついた。
「ナイス!正義!」
一度はボッコボコにされた相手なので喜びもひとしおだ。
「お疲れ。なかなか疲れたね」
互いにステータスを確認することにする。
名前 深井 純
ステータス
レベル 50
攻撃 100(直接50 間接50)
素早さ 167
防御 100(直接 50 間接 50)
魔力 100
職業 ベテランエージェント5 転職 昇格 可能
スキル 変装2 隠密10 不死 鑑定1 言語翻訳 代償強化 投石5
称号 神の祝福
名前 烈火 正義
レベル 47
攻撃 186(直接128 間接58)
素早さ 186
防御 186(直接 93 間接 93)
魔力 186
職業 勇者 なし
スキル 聖剣10 成長促進 投石10 隠密1
うん。何で隠密あるの?