世界の変化に追いつけない   作:ありくい

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第二十四話

 

「正義くんさぁ。何なの君。俺の努力をどこまで無下にするの?」

ほんとに意味わからない。ただでさえ全ステータス超えられたのに投石のレベルも10だし、隠密まで使えるってなんだよ。

「いや。成長促進がすごいというくらいしかわからないね」

「くそ、チート野郎が!」

ほんと、やばいなあのスキル。

「はあ、まあいい。ところで職業はどうなんだ?」

正義の職業は何故か二つ選べる。どこまでこいつを優遇しているのだろうか。

「いやぁ。学生って職業しかまだないからね。できたら違う職業がいいな」

まあ、こいつの勇者の補正はとんでもないから職業を選ばないくらいどうってことないだろう。むしろ選んだら化け物になっちゃう。

「ちなみに正義は自衛隊、どうするんだ?」

「あー、やらないよ。知らない人よりまず身内だし」

意外だ。なんだかんだやると思っていた。正義とか言う名前だし。

そのまま、屋根の上で軽食を済まし、レベル上げを再開する。警察にかなり倒されたのか、化け物は少なく、効率も悪くなっていた。

そんな中、ゴブリンの集団に接的する。特に苦戦することなく、さくさく倒していくと、最後の一体のゴブリンが溶けた。

「あれ?」

「正義!一旦下がるぞ!」

明らかにおかしな現象なのですぐに引く。ゴブリンだった何かは完全に液体となった後、新たな形を作っていく。足から体、腕と形作られ、最後に顔が浮かび上がる。それはどう見ても正義と同じだった。

───死ぬ─────

「≪代償強化≫」

左指すべてを対象に代償強化を発動する。瞬間、それは手に見覚えのある剣を召喚し、切りかかってきた。すぐさま、手元のナイフで応戦する。速度も力も正義とほとんど同じだ。強化が切れれば負ける。なんとか隙を見てかけ直すかそれまでに勝つか逃げないと行けない。

斜めに切りかかってきた剣をナイフで止める。ナイフにヒビが入ったためすぐに手放し後ろに引く。

「≪武器召喚≫」

銃を召喚する。召喚した武器はステータスが乗るのでナイフのようにはならない。そのまま引き金に手をかける。自衛隊の皆様が配慮して使わないようにしてくださっているが緊急事態なので許してほしい。

パアアアアン、と大きな銃声が響き渡るが、外れる。チャンスと見たのか相手は詰めて来る。突き出された剣を銃で受け、左手で腹を殴る。

ぐにゃり、とその拳は腹にめり込むが吹き飛ぶこともなく、何ともないようすで剣を切り上げてきた。頭への直撃は避けたが腕に深く剣がめり込む。骨で止まってくれたのはステータスのお陰だろうか。

「≪代償強化≫」

強化の養分として腕を消し、脳内麻薬の続いている内に地面を蹴り後ろに引く。腕が直るのを待たずにすぐさま詰めてきた相手は、俺の心臓に向かって剣を突き出す。二度の強化でかなり遅くみえる剣を横から弾き、顔に、銃を打ち込んだ。

激しい銃声とともに頭を貫通したはずが液体で埋め尽くされ、もとに戻った。

物理攻撃が無効なのか?なんであれ、これでは無理だ。

「正義!逃げるぞ!」

惚けている正義の手を握り駆け出す。強化が続いている間に距離をとり、ある程度のところで振り返った。

そこでは正義となっていた敵の体が崩れ、液体になっていた。そして、近くにゴブリンがよって来るとその姿へとなり、その群れの中へと入っていった。

一定範囲内の生き物の姿、スキル、ステータスをコピーする、そして物理攻撃無効。あれの能力はおそらくそんなところだろう。さて、

「お~い、正義。いつまでぼーっとしてんの?」

まだぼーっとしている正義に声をかける。スライムが正義に変身した瞬間から、俺を狙ったからいいものの正義を狙っていれば危なかったかも知れない。

「…ぁ、ごめん」

ハッと気づいたあと声がどんどん小さくなっている。明らかにしょぼんとしている。とりあえずパシャリと写真をとって、

「どうした?確かにさっきのはお前が手伝ってくれたら勝てたかもしれんが、初めて強敵とあったんだし仕方ないさ。気にするな」

「うん、ごめん」

「だから気にするな」

そして、姉さんに情報を回してから、何体かゴブリン、オークを倒していき、暗くなってきたので解散した。

 

あ、写真は消されました。ちくしょうが。

 

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