世界の変化に追いつけない   作:ありくい

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第二十七話

さて、と落ち着いたところで新たな課題を確認する。

≪魔法を体で受けよう!≫

おっと、人によっては詰む奴きた。だが私には関係ない!

「明子カモン!」

「≪火魔法≫、あ、やば」

まるで狙ったかのように顔にクリーンヒット。

「あっづ」

もだえていると、ごめんと言いながら水を被せてきた。その水はなんと!火魔法を打ちまくった熱湯!

「ああああああああああああああああああ」

 

 

 

「ねえ、もう直ったけどさ、ふざけてる?」

これには仏のような俺の顔もまっかっかである。火だけに。

「ごめんなさい。出来ることならするから許して」

明子は俺に熱湯をぶっかけたあとずっと土下座している。動いたら状況がさらに悪化すると思ったらしい。でも苦しんでる友達放置はダメだよね?俺も悪化しそうだと思うけどさ。

「はぁ。まあ貸し1ね」

要求するものがないので未来の資産とする。気を取り直して次の課題だ。

≪免許皆伝のしるしをもらおう!≫

何これ?

「明子、免許皆伝のしるし頂戴」

「えー?」

「渋るなら貸し1使いまーす」

「やり方はわかるんだけど、あんまりやりたくない。恥ずかしい」

「使いまーす!」

なんか嫌そうなので腹いせもかねて催促する。まさかの貸しがこんなに速く使うことになるとは。

「うーわかった」 

そういって顔をズイッと近づけてくると、そのままちゅっと俺の頬に口づけをしてきた。

≪全ての課題をクリアしました!自動的に職業を魔法使いに変更します!≫

「……………………え?」

明子は無言で離れていき、俯いた。

「その、頭に、文字、浮かんで、キスしろって」

どんどんと恥ずかしさから弱々しくなっていく明子を見ていたたまれなくなったのでとりあえず謝る。 

「ごめんなさい」

「純、女の子だから大丈夫」

そうは言うが、明子は顔を真っ赤にしている。かくいう俺もかなり赤くなっているだろう。

「…」

「…」

「魔法使ってみよう!」

強引に流れを変えるために大声で叫ぶ。

「うん。そうしよ!」

向こうも乗ってくれるようだ。

「おー!俺も火魔法だ!≪火魔法≫!」

掲げた手に光が集まる。それは明子のより何倍も何倍も大きくなっていく。

「え…」

それは天井を飲み込み成長を止めない。

「キャンセル!キャンセル!」

叫んでいると、火の固まりが消え去った。

天井が消えるとかはなく、無傷のままだ。

「すごい」

「危なかった。そっか、魔力で火力が変わるって姉さんも言っていたっけ」

ほんとに危なかった。明子の家が消えるところだった。俺ですらこの威力なのだ。正義だといずれ太陽をつくれそうだ。

ともかく俺の目標は終えることが出来たのでそろそろお開きにしようと思っていると、明子が話しかけてきた。 

「家行ってもいい?」

「ん?何で?」

突然の提案で目を丸くしてしまう。年頃の女の子が男の家に泊まるなんて、まあ俺は今女だけど。

「最近、銃声なったりと一人が怖い。後、殺人鬼がいるのも」

納得の理由ではある。そもそもまだ中学生で一人暮らしの時点で危ういのにこのご時世だ。銃声に関してはごめんなさい。

「まあ、俺はいいけど大丈夫?」

「美香さんがいるし、純女の子だから襲えない」

一応明日には男になってるんだけどまあいいか。姉さんも多分止めないだろう。

「襲わないから、まぁいいよ」

「ありがと」

そういうわけで荷物をまとめた明子と一緒に家に帰った。今回は隠密プラスおんぶで運ぶ。なんか躊躇っていたが安全重視というと納得してくれた。ちなみに奇跡的に化け物を見ることもなかった。家まで一瞬でたどり着くと、すぐ入った。

「ただいま~」

「お邪魔します」

「お帰り、そして明子ちゃんいらっしゃい」

そんな明子はリビングにいる優さんを見るなり

「誰よその女!」

と叫ぶのであった。

 

 

 

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