世界の変化に追いつけない   作:ありくい

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第二十九話

 

かなりのハイペースでレベルを上げることができた。夜になったので家に集まり、せっかくなので皆でご飯を食べることになった。

「明子ー変身使ってみたら?」

外では何があるか分からないということでまだ使っていない。スキルの把握は大事なことなので一度は使っておきたい。

「う…何処かに個室ない?アニメみたいなの無理」

その言葉を聞いた正義は携帯を取り出したが気付かないふりをする。

「あーじゃあ俺の部屋使えば?」

姉さんは多分配信かなんかしているだろうし、俺ぐらいしか空いていない。

「じゃあそうする」

そういって明子は俺の部屋に入って行った。

 

 

正義が作った画像で笑っていると、明子からメッセージが送られてきた。

「なんかメッセージきた。明子から」

「え?なにかあったのかな?」

とりあえずメッセージを確認する。そこには一言

『変身解除まで後24時間』

「……」

正義が無言でフリフリのたくさんついた黄色い服ワンピースを着せ、魔法が使えそうな杖を持たせた明子の写真(加工済み)を送った。俺の部屋からバタバタとした音が聞こえて来る。

『消せ』

『消せ』

『けs』

「明子も集まったんなら、渚と香菜も一緒に集まりたいね」

正義が鳴り響く携帯の電源を落として、そういってきた。こいつマジでやばい奴だ。何でモテるのだろうか。しかも今日俺部屋入れねぇじゃん。

「お前、最低だよ…まあ確かにそうだな。でも連絡出来る?メッセージのグループでも最近一言も喋ってないじゃん。あの二人」

「知らないの?二人のやってること。まず渚はね自衛隊に入ったんだって。そうは言ってもまだお手伝いレベルなんだけどね。そんで香菜は聖女だと親に言ったらレベル高い信者の人がレベル上げてくれてるらしいよ。何でも聖女の上位職が聖女よりさらに価値があると思ってくれるからだって」

俺何も言われてないんだが?

「もしかして俺だけはぶられてる?」

「そんなことはないんじゃない?渚は純を驚かせたいとかでしょ」

「じゃあいってやんなよ…。そして香菜はその理由でもないだろ」

ちなみに香菜は昔から正義が大好きである。だから忙しくて余裕がなくても正義にだけは送ると言ってもおかしくはない。

そんな話をしていると、優さんが料理を終えたようで俺達を読んでいる。姉さんも部屋から降りてきて

「あれ?明子ちゃんは?」

と、尋ねて来る。かくかくしかじかと事情を説明すると、笑いながら

「じゃあ私が持って行くわね」

といった。

明子の方は姉さんに任せるとして、俺達は優さんの作ってくれたご飯を食べはじめた。初めて食べるであろう正義は驚いたような顔をすると、一心不乱に食べはじめた。うんうん、わかるわかる。

明子はメッセージでものすごい長い長文で感想を伝えていた。

「こんなにも喜ばれるとうれしいですねぇ」

優さんはご満悦だった。

正義は家に帰り、食器の片付けも終わった頃、インターホンがなった。このご時世でこの時間、流石に怪し過ぎたのでのぞき穴から様子を見る。

ところが、そこには誰もいなかった。いたずら?こんな時期に?よく見ようと思い、じっくりとのぞき穴を覗いていると、ばっと突然のぞき穴に人の顔がうつった。

「うわわわわわ」

怖い怖い怖い。何今の。あまりにも怖かったので腰が抜けてしまった。

「純さん?どうしたんですか?」

「扉の前に突然人が」

「えー?」

優さんものぞき穴を覗いた。

「何もないですよーってきゃあああああああ」 

全力でバックしてきて俺の上にかぶさってくる。はながああああああああああ

「ななななな何ですかいまの!」

ここでもう一度インターホンがなった。俺と優さんは余りの恐怖にがくがくと震えていた。

「何してるの二人とも。騒いでちゃ近所迷惑よ?」

姉さんが来たのでとりあえず飛びつく。

「わっ、なに?え?のぞき穴に顔?」

何とか状況を説明しようとしていると、扉が動いた。あ、やばい。そういえば鍵閉めてなかった。

開いた扉の奥には一人の女の人が立っていた。見覚えがあるような気もするが思い出せない。

「昨日ぶりだね。深井 純君」

微笑みながらその人、昨日俺を襲ってきた女性がそういった。

 

 

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