世界の変化に追いつけない   作:ありくい

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第三十二話

 

「ええ…」

恥も何も投げ捨てた華麗なる土下座によってレイは引いていた。

「お願いします。一生これはきついので時々でいいので代わってください!」

そもそもレイの方が百パーセント悪いとは思うが、それを指摘して拗ねられたらおしまいなので触れずにひたすら意見を主張していく。

「とりあえず土下座は…」

「お願いします!お願いします!お願いします!お願いします!」

向こうの話を一切聞かずに頼み続ける。レイは、罪悪感を感じているようではあるので、何とか良心を引き出したい。10分ほど、それを繰り返し続けた。すると、レイは遂に折れてくれたのか

「わかった、わかったから!土下座辞めて!」

といってくれた。心の中で盛大にお祝いするが、顔には出さずに

「なら、二日に一回くらいは夜のを代わってほしいです!」

と言ってみる。

「え、無理」

ノータイムでそう返してきた。しかし、ここまでは想定内。どんどんとハードルを下げ、このくらいならと思わせるのだ!

「三日に一回!」

「無理」

「一週間に一回!」

「無理」

「二週間!」 

「無理」

「一ヶ月!」

「無理」

「二ヶ月!」

「無理」

「……………………」

「……………………」

「半年!」

「無理」

こいつぜんっぜん了承しねえ!わかったからって何だったの!うわあああああああん!

「い、一年」

「無理」

「ざけんじゃねえよおおおおおおおおおおおおおおおお!」

一年だぞ!一年。あまりのひどさに声を出してしまう。

「うわ、うるさ」

「何なの?どんくらいならいいの?」

「百年?」

いいわけねえだろ。

頭にどんどんと血が上っていっているのを感じる。こちとら今から一生土下座し続けてやろうか?

「さすがに冗談。なら、純の精神が限界になったときだけ手を貸してあげるってのはどう?」

百年と比べればなんと素晴らしい条件なんだろう。

「じゃあそれで!」

いやあ。素晴らしい話し合いだったなぁ。

「ちょっろ」

「え?何か言った?」

満足して頷いていると、レイが何かを言ったが聞き取れなかった。

「終わったから、アニメ見ていい?」

レイがリモコン片手に尋ねて来る。うーん美少女なのにベットのうえでお菓子片手に寝転びながらアニメ。もったいないなぁ。

「いや、そっちのことを教えてくれない?」

向こうは俺の記憶から映画やアニメを取り出すレベルには俺のことを知っているようだが、こっちは何も知らない。

「えー。要らないでしょ。どうせもうあわないんだから」

「え?何で?」 

「え?」

「ちょっとまって、もしかしてこっちからは会えない?ひーちゃんに頼んでも?」

「ひーちゃんに頼まなくても会えるには会えるけど、来るの?」

「いくいく全然いく。ほら、困ったときとかさ、アドバイスくれるくらいいいでしょ?」

本音を言うなら、正直レイの見た目が死ぬほど好みなので一緒にアニメ見たりしたい。でも気持ち悪がられたくないのでそれは隠すことにする。

「えー、じゃあ一応。私の名前はレイ。神の使徒で、かれこれ1000年以上は生きてる。あと、アドバイスを求めるなら、アニメをワンクール分たくさん見て更新してほしい」

「なら、俺に代われば良くない?そうすれば好きに見れるよ?」

「いや、それは流石に最低かなって」

結構手遅れでは?

「ちなみに代わったらどうなるの?」

俺も過去に食べたお菓子を無限に味わえるのだろうか?だとしたらあれ食べたいな~。

「ここに来るよ。記憶にあるものなら何でも体験できる。ちなみに視界を共有したりも出来る」

え、ほんとに夢みたいな空間じゃん

「なら、これからもよろしく!」

少なくとも以前よりは改善されたので笑顔で挨拶してでていった。出入りは思ったより簡単で、思い浮かべれば出来る。そうして出ていって話したことを皆に話したら何故か呆れられた。

 

あれれれれれ?

 

 

 

 

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