どうやら、あの空間なら時間がとまるーとか都合のいいことはなく、時計の短針は12時をさそうとしていた。姉さんや優さんの精神を削らないように自分の部屋に向かう。ドアノブに手をかけるが、当然自分の部屋なので鍵はかかっていない。時間がないのでササッと入って、扉をしめた。
「あっ」
すぐさま痛みが主張し始めた。原因がわかったせいで、なおさら痛みを意識してしまって辛い。といっても5秒程なので気付けば痛みが消え、女の子になった。
しばらくボーッとしていると、後ろで物音がなった。ビクッとしながら振り向くと、ベットで思いっきり明子が寝ていた。
明子の服装は黄色のフリフリがたくさんついたワンピースと魔法のブローチ、傍らには魔法のステッキが置いてある。まさに魔法少女と言わんばかりの格好である。
もともと眼鏡っ子だった明子とはガラッと代わっていて、ガチで美少女となっている。いや、もともと可愛くはあったんだけど、好みに近づいちゃったていうかね。
とりあえず状況を把握した俺はばれないように物音を立てずに出ていこうとすると、何かに肩を捕まれた。
ダラダラと冷や汗が湧き出てくる。俺の足を掴めると言うことは、起きているわけであって、つまり、俺が見ていたのがばれているというわけだ。
ゆっくりと後ろを振り返ると、明子が無表情でこちらに肩を置いていた。ステータスでは俺の方が圧倒的に上だがものすごい力が肩にかかっているのを感じる。
「どこに行く?」
「グッスリトオヤスミニナラレテタノデ」
「どう思った?」
「え?」
「ど う お も っ た ?」
「トッテモカワイライシトオモイマス」
そう言うと、圧が少し減った気がした。
「そう?ありがと。笑われたら殺してたかも」
「ヒッ」
恥ずかしそうに微笑みながら明子がそういった。月明かりに当てられた明子はとても美しく、絵画のようだった。
「それはともかく」
「え」
「忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ」
「ヒイイイイイ」
突然耳元で囁かれた。あまりの恐ろしさに精神ががりがりとけずられていく。囁かれた言葉は頭の中に響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて響いて
「嘘でしょ?こんなに速く限界来るの!?」
私頭いい!これならまだまだサボれる!と爛々とアニメを見ていたレイは、大きくため息をはいた。
どれだけ忘れてほしいんでしょうね