「逃げた?」
最後に見た顔は焼け焦げていたため、逃げたのだろうか?だとしたらあの男は理性をもって戦っているのか?そんな疑問はさておき、正義の元に合流することにした。
「あれ?純。終わったの?」
既に近くまで来ていた正義がそう尋ねてきた。
「倒せてはないけど、顔にやけどを負わせたから逃げたと思う」
「思う?」
正義は何度か周囲を見回して最後に屋根に登り、辺りを見てから降りてきた。
「ほんとのようだね」
「少しは信じてくれない?」
「無理、見落とし多いし」
そうなんだけどさぁ。
「とにかく、無事なら良かったです。ところでこの女の子何ですが…」
優さんが女の子の背中を押すと、女の子はおずおずと口を開いた。
「わたし、かざみふうかっていいます。お姉さんたすけてくれてありがとうございます」
そういってペコリと頭を下げた。とてもしっかりとした子だった。
「いやいや君が無事で何よりだよ。ところでどうして外にいたの?」
今や自衛隊がかなり倒してくれてはいるが路地裏から出てきたり、自衛隊が見逃したりして、決して安全とはいえない。親がいるなら絶対に止めるはずだ。
「えっと。わたしのえあがかってにでていっちゃって」
そういって抱えていた犬を突き出した。
「この子がえあちゃん?ダメだよ、大事な家族なんだろうけど、お家の人がいなければ危ないからね」
「ぱぱもままもごぶりんにころされちゃった」
風花ちゃんは何かを思い出したかのように俯くがすぐに上を向いた。青い空が写る目の端では涙が溢れそうになっていた。
そんな風花ちゃんを見て、特に何も考えずに発言してしまった俺の口を恨んだ。
「辛いこと聞いてごめんね」
「一旦安全な場所に行きましょう」
謝りながら、ひとまず姉さんの言った通りに安全な我が家に行った。
家に帰り、優さんが作っていたお菓子を風花ちゃんが食べると、涙はひっこみ花咲くような笑顔を浮かべた。
少しは雰囲気が柔らかくなったことに安堵しながら、風花ちゃんについて考える。両親は死んでしまったようだが、それだと今日までどうしてきたのかという疑問が残る。姉さんと話し合ったが聞かないとわからないとお菓子を食べ終わるのを待ってから、話を切り出した。
「風花ちゃんは今日までどうしてきたの?」
お菓子の入っていたお皿をながめながら、
「おとなのひとがね、ごはんもってきてくれるの!おいしいんだよ!」
と言ってきた。
「その人って誰なの?」
もしかして親族だろうか?もしかしてさっきの男?
「うーんと、じえいたいっていってた!ままとぱぱのことをおしえてくれたひと!」
どうやら、助けてくれる人が一人いるみたいだ。良かった。
「そっか。ねえ風花ちゃん?その人に会えないかな?」
「えっとね、あさとよるに来てくれるよ!」
それを聞いて、俺達はその人達のもとまで風花ちゃんを送ることにした。