あまり遅くならないように、夕方になると、風花ちゃんの案内のもと、風花ちゃんの家へと向かった。風花ちゃんの家の前につくと、そこには自衛隊の隊服を身に纏った人がピンポンを押しているところだった。
「あ、じえいたいさんだ。きょうもきてくれたの?」
風花ちゃんはその人を見るなり、笑顔で駆け寄った。風花ちゃんの声に釣られて振り返ったその人は以前、車で突っ込んでいった人だった。
「あ、風花ちゃん!どこにいってたんですか!心配しましたよ!」
自衛隊の人は安心したように風花ちゃんを抱きしめた。
「あのね、えあが出て行っちゃったからね。追いかけてたの!そしたらね、大きな人にぶつかっちゃっておこられたの。でもねでもね、そこのおねえちゃんがたすけてくれたの!」
今日あったことを楽しそうに話す風花ちゃん。親と遜色ないくらいにこの人に懐いているようだ。
「そうだったんですか!でも、もし次そうなったら、私に言ってくださいね!では、あなた方、風花を助けていただきありがとうございます!ってあら?あなた!この前の!」
お礼を言った後、自衛隊の人は俺に気づいたようだ。
「あ、どうも。この前はありがとうございます」
「いえ!ですが外は危ないので出ないでください!特に最近、怪しげな不審者が増えていますし、行方不明者もでています!一人男の子がいますが、だとしても危険です!」
この人は前と同じく注意してきた。そして、行方不明者にいたっては心当たりしかない。次にひーちゃん達とあったときには問い詰めよう。
「あはは、気をつけます。ところで、風花ちゃんは夜とか一人なんですか?事情は聞きましたがどうにも心配で」
正直、これだけが心配だった。自衛隊の人ということは夜でも出勤が必要になることがあるはずだから。
「今のところは大丈夫です!しかし、いつ出勤命令が下るかわかりません!そこで相談なのですが、そちらで引き取ってもらうことは可能でしょうか!」
さらっとすごいこと言ってきた。風花ちゃんはぽかんとしている。
「あの、少しいいですか?」
そこで、姉さんが声をあげた。
「はい!何でしょうか!というか自己紹介がまだでしたね!わたしの名前は旭川 遥といいます!見ての通り自衛隊です!」
「わたしの名前は深井 美香といいます。一応純の、あこちらの女の子の保護者ですのでそれについてはあなたとわたし、そして風花ちゃんの三人で話し合うことでいかがでしょうか?」
「なるほど!わかりました!それでは一旦こちらへどうぞ!」
そういって俺達は家に招かれ、姉さん達は話し合いを始めた。
「なかなか勢いのある人だね…」
「ですね。喋れる暇が無かったです」
一応その場にいたのだが空気と化していた二人は小声で話しかけてきた。まあわからんでもない。
「それにしても、美香さんはよくもまあ物怖じせずに話せるね。警察の人ですら緊張するのに」
たしかに警察は何もしてなくても不思議な圧が出ているようで近寄りがたいし、怖い。
あまりにも暇なのでしりとりを始めて『る』攻めで正義に苦しめられていると、姉さんが話終わった用で声をかけてきた。
「終わったわよ。とりあえず家に来てもらうことになったけど、風花ちゃんはこの家に強い思い入れがあるみたいだから、一週間に一回くらいはこっちにいたいって」
「分かったよ。なら、その日は俺がついていくよ。正義を除いたら一番みんなを守れるしね」
少なくとも俺はかなり強い方だ。しかも、化け物からしたら美味しすぎる経験値の固まりなので一回倒されたら風花ちゃんにターゲットがうつることなくそのまま俺がリンチされるだけで済む。
「危なくなったらすぐに私達を頼るのよ」
「うん」
その一言がとても暖かく感じた。