「後二層ってまだまだじゃん」
「そうね。まぁ今日は一旦休みましょう」
三日もかかったのに後二つって広いなぁ。ハハッ。
いつ来てもいいように、端っこに寄った俺達はご飯の用意を始めた。といっても、スパチャは贈られた人であればどこでも出せるので正義から贈られたバランス栄養食を食べるだけなのだが。
「じゃあ皆さん。もらってばっかで申し訳ないですが!外の状況を教えてください!」
俺達が休む時にはご飯を食べながら、視聴者に今の情勢を教えてもらっている。中にはガセネタがあったりもするが寝れるまで暇なのでちょうどいいと俺は思っている。ちなみに姉さんはいつ外に出ても大丈夫なようにという理由があるみたいだ。
『小国で革命発生』
『自衛隊員行方不明多数』
『化け物を倒しまくる魔法少女出現』
どんどんとコメントが送られて来る。というかものすごい心当たりがありそうな物が一つある。
「姉さん。これって…」
「そうだと思うわ。スルーしてあげましょう」
小声で話してから、俺は姉さんが何かいうのを端っこで見ている。中学生が難しいことにでしゃばっちゃダメだよね。
「うわぁ。物騒ですねー━━━━」
次の日。
「乗ってくださいと言わんばかりの船があるからそれに乗りましょう」
「だね」
海の上に浮かぶ船の中で唯一、陸に繋がっている船に乗り込む。幽霊船のような船だったり、豪華客船のような船があったりする中で、この船は海賊船!というような見た目であった。
船の上に乗った瞬間、水から何かが飛び出してきた。それは液体であり、俺達の姿へ変身していく。スライムのようだ。どうやら、海賊船だからなのか無数のスライムが変身した俺達は海賊みたいな服装をしていた。というか、
「キモイ!」
大量の同じ顔が並ぶ姿はほんとにキツイ。一斉にスライム達はこちらへと突っ込もうとしてくる。
「純!」
「わかってる!≪火魔法≫!」
生成した炎の中に大量の俺達が突っ込んでいった。
「……」
「………」
なんだろう。俺達の姿で火に飛び込むのやめてもらっていいですか?
地味な精神的ショックを受けた後、次の船までの橋が架かった。どうやらこの船はミッション部屋のような物でこのミッションはこれで終わりらしい。
「一番呆気なかったけど、何か嫌ね」
「…うん」
少しだけ重い足取りで橋を渡っていく。すると、ザッパァァンと魚が飛んできた。
「魚?」
こんなのいたっけ?
「あの男に襲われた日に出現した化け物よ!」
そういえば、そんなことを言っていた気がする。あの時は水場が近くにないからと気にしなかったがこんなところで遭遇するとは。
鋭い牙を持つ馬鹿でかい魚に対してとりあえず避ける。
ベチッ!ベチッ!
橋の上で必死に飛び跳ねている魚。
「………うん。もうちょっと待ってみましょう」
数秒後、魚は消えていった。なんて憐れなんだろう。
とりあえず前に進むことにした。もしかしてこの層はこういう方面で攻めているのかも知れないな。
新たに橋の上で飛び跳ねている魚を見続けながらそう考えていた。