「じゃあ…行こうか!」
燃え上がるコメントを無視しながら姉さんにそう言った。いやもうすっごい燃えたね。
「まあ止めなかった私にも責任はあるわね。ごめんなさい」
何で謝るんだろう。ボクタチハテキヲタオシタダケダヨ?
中央の木に到着して入口を探していると声が響いた。
『罪人が。死ねばいいのに』
声のした方向には木の幹から浮かび上がる顔があった。それは心底不愉快そうにこちらを見下している。
「あのーボスですかー?」
機嫌が悪そうだが喋れるようなので確認する。
『ああ、その通りですわ。最も本当は違いましたけどね』
やけにひっかかる言い方をする木だな。というかお嬢様口調だ。
「えっと。それはどういう意味ですか?」
姉さんが尋ねると木は呆れたように口?を開いた。
『貴方達が森を壊したからですよ。あの火のせいでボスまで焼けてしまいました』
それでいいのかボスよ。というかそれなら出れるんじゃ…。
『それは流石に良くないので私が間に入った所存です。少なくとも貴方は私の家族を皆殺しにしたわけですから相応の恨みがあります。ですので、』
言葉を一度切ってボスは頭をブルンと降った。数十枚の葉っぱが落ちて来ると同時に木から大量の枝が伸び出した。
『死んで頂きますわ』
そうして、大量の枝が引っ込んで、
「あれ?」
木々の根っこが俺の全身を貫いた。
「あぐっ!」
「純!」
『あはははは!馬鹿正直に正面から攻めるわけないでしょう!』
胸を貫いたのにも関わらず俺の体をボスは狙ってきて頭も体も穴だらけとなる。当然回復は間に合わずに死ぬが、すぐに意識を取り戻す。
『は?』
知性があるだけに驚いてくれたので今のうちに炭となった木の上へと登っておく。というか姉さんはどこだろうか?
辺りを見渡しても見つからない。できたら姉さんの安全を確保してしまいたいが見つからないならしょうがない。
「≪代償強化≫」
時間はあるので腕を材料として強化をかけ、突っ込む。
『はやいですの!?』
そんな呟きを拾いながら、ドシンっと拳をぶちあてる。
『痛いですわ!』
もう一発と構えたところに影がさした。上を見ると大量のりんごが落ちて来る所だった。サイズは馬鹿にならず、雨のように降り注ぐ。人に当たったときには赤い水溜まりができること間違いなしだろう。
「カウンターもバッチリかよ!」
殴るのをやめて木に蹴りを入れながら後退する。上昇したステータスのお陰で範囲外までぎりぎり間に合った。
『もしや死なないのでは?』
ボスの言葉に冷や汗が出る。根っこという拘束手段を持つコイツにばれるのはまずい。あの生き地獄が再来してしまう。
考える時間を与えないように再び攻めはじめる。
『チッ、考えるのは後ですわね』
足元が盛り上がったのを確認して上に━━
上に枝があるのを確認して横へ飛ぶ。あっぶねぇ。すぐさま銃を召喚し幹に向かって撃ち込む。
『イッタいですわ!』
またもやりんごの雨が降る。いちいちこれで下がらないといけないのはめんどくさいが仕方ない。指を強化の素材とし、次の一撃の火力を高める。
最後のりんごが落ちきった瞬間地面をけり出す。さっきと同じように銃を幹に、いや、これ火魔法でよくね?威力も上がってるし。
「≪火魔法≫」
一度使った形状なのでため無しで撃ち込む。
『痛いですけど燃えることはありませんわ!』
宣言通り、上がった炎は鎮火された。でも休む暇なく銃を撃ち込む。
『イタイ…けど!油断しましたわね!』
突然そんなことを言い出すボス。すぐさま辺りを見回して自らの失態に気づく。既に逃げ道は根っこによって防がれてしまった。上からはまたもや降り注ぐ赤い雨。
いくつか銃で砕くことはできても、横から跳ねてきたりんごに体制を崩され、潰された。生き返った所でりんごの雨は振り続けるのですぐに潰された。
『これはこれは』
四肢を根っこによって固定され、吊るし上げられた俺の前でボスは嘲笑い、
『よい経験値となりそうですわね』
死刑宣告とも取れる言葉を放った。