世界の変化に追いつけない   作:ありくい

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第六十三話

 

何処に行っても人、人、人。しかも全員こっちによって来る。しかもやけに統率が取れていて、挟み打ちは良くあることである。何処かに篭ったらその建物にただただ集まるだけじゃなくて遠くから監視したりとかとなりの建物にも入っていく始末で、油断ならない。

「う~魔法撃つな!」

飛んできた火魔法を避ける。避けた先にももう一発。それは同じく魔法をぶつけて打ち消す。助かることがあるとするなら、ダンジョンに長く潜っていたおかげでレベルがかなり上がっている。だから強化無しでも全然逃げれることだ。ちなみに火はすぐに別の魔法によって消化された。

 

名前  深井 純

レベル 94

攻撃 188(直接94 間接94)

素早さ 377

防御 188(直接94 間接94)

魔力  288

 

職業 ベテランエージェント5 ベテラン魔法使い5

 

スキル 変装3 隠密10 不死 鑑定8 言語翻訳 代償強化 投石10 火魔法10 水魔法3

 

称号    神の祝福

 

ダンジョンの中は暇な時間が多いから適当に鑑定で遊んでいたので、気付けばレベルが8だ。姉さんで試したけどレベル、ステータスしか分からなかった。水魔法は火魔法が10になったら覚えた。今では飲料水、シャワー、服に火が点いた時に鎮火と大活躍をしてくれてる。

 

さて、逃げながらステータスと睨めっこする。正直、火魔法で焼き払いたくなるが、おそらく、自衛隊以外全滅すると思う。そう思うのも訳があり、ここはまだダンジョンの効果で化け物が沸かないのだ。レベルがかなり差がついているであろうことは火を見るより明らかだ。

次は隠密。これは一部の人間には効果がある。でも自衛隊はなんか見破って来る。意味が分からない。それで一回致命傷をもらった。

「っとあぶねぇ!」

たまに頭上から銃弾が飛んで来る。もちろん自衛隊のせいである。上空から戦闘機またはヘリコプターで機関銃を打ち込んで来る。ちなみに一定感覚で交代しているので燃料切れも期待できない。これでどうすればいいんだよ!

路地裏、住宅地、たまに屋根を登って逃げて逃げて逃げつづける。日が沈みはじめた頃には後ろはものすごい人が集まっている。それでも、逃げることには支障はない。ただ一つ困るのは、休めないことだ。

体力も怪我も不死がすべてを解決してくれている。でも、精神はどうしようもない。一日中、数えきれない人の集団に視線を向けられるだけでストレスがすごい。怪我はすぐに直るのに、足が重く感じてしまう。

休みたい。どうすればいいだろうか。人はダメだ。すべての人間は俺を狩る狩人となっている。建物はダメだ。逃げ道をむしろ狭めてしまう。どうすれば…。

銃声。

すぐに横に転んだものの、銃弾が飛んできた様子はない。

「?」

上では、俺ではない方向に自衛隊は銃を向けていた。

「鷲だ…」

どうやら、化け物が出ない範囲を超えてしまったらしい。高いところから一瞬だけ見下ろせば、見える範囲でもかなりの化け物がいて、自衛隊が戦闘していた。

「それはダメだろ…」

明らかな戦力不足が見て取れる。各所で一体十ならいい方で悪ければ50体くらい密集している。どう考えても後ろにいる自衛隊共の職務怠慢が引き起こした現象だろう。

大量の化け物と大量の人間。頭にとある考えが過ぎった。

ぶつければいいんじゃね?

人間は所々レベルが低いのが混ざっている。それだけでも減らせるのではないだろうか?それだけではない。この数だ。強い奴らも少しは死ぬだろう。死ななくても重症か疲れるくらいはするはずだ。これなら、ただの自爆だし責任を感じる必要もないだろう。戦ってる間は休めるし。

「よし!」

少し孔明が見えた気がした。さぁ今の考えを現実にするにはどうすればいいだろうか?もう一度ステータスを確認する。

「変装…」

確か、このスキルは直近に見たものならなんでもなれる。体の形が違うなんて関係ない。これで人になったところで自衛隊は見破るだろう。では、化け物になって化け物の集団に混ざれば?もしかしたら気付かれるかも知れない。でも、捕まえるためには化け物を倒さないといけない。そして、化け物共が気付かないのは確認済みだ。

「やろう。≪変装≫」

体が光って、俺はスライムに変装した。おそらくだが変装は俺がスライムに見えるというだけであり、俺が人間であることは変わっていない。だから俺より狭い隙間にずるっと流れることはないし、視界が変わることもない。

このスライムにしたのも理由がある。それはこのスライムは集団行動をしないからだ。怪しまれることなく、化け物の密集地帯に入り込めるだろう。そして、俺は化け物の群れに飛び込んだ。

 

 

 

その数秒後、膨れ上がった化け物達と、目標に向かって突き進む人間の集団が衝突した。

 

 

 

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