世界の変化に追いつけない   作:ありくい

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第六十六話

 

「すっご」

『何か…感動するね』

思ったより派手な演出となったので感動してしまった。

「ところで、倒したのはいいものの姉さんをどう探せばいいの?」

『地道に探すしかないね』

「まじか…」

と、言う訳で死んでいった死体一つ一つを確認していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ、正義?どいてもらえる?」

「流石に純じゃ明子には追いつかれちゃうからね。僕が邪魔させて貰うよ」

苛立ちを見せる目の前の元友達の少女は今や世界の英雄であり、僕は世界の敵となってしまった。

 

 

純がダンジョンへと消えた日。明子がいなくなり、優さんが明子の存在を忘れた後、僕の目の前にヒカと女の人が現れた。

「烈火正義。深井純はどこにいる」

「今はダンジョンに巻き込まれているよ」

「あいつはこんな時まで!」

苛立った様子のヒカはしきりに周囲を見渡していた。

「何があったんですか?」

それを尋ねると、ヒカは信じられないかも知れないがと前置きして、こんなことを言ってきた。

曰く、明子が悪魔の手によって暴走し、化け物を殺して人を洗脳し、手駒としているらしい。当然、始めは信頼ならなかった。ただ、彼らは明子と接敵することを非常に恐れているようだったので風花ちゃんを彼らと優さんに預けて町を出歩いた。

「うーん。何か変わっているかな?」

外に出てみたが特に変化は見られなかった。ただ、化け物がいないため静かな町が広がっていた。

「うーん。あ、一度家に帰ろう」

順に対する物資を集めるのもかねて、家に帰った。

「ただいま」

シーンとする家の中。寝ているのかと思って俺は家の中を探していた。結果、

「何処にもいない…?」

まだ化け物が出なくなってから1時間も経っていない。流石に知っているのは不自然なはずだ。すぐに携帯を取り出して連絡を入れてみる。

『父さん。今何処?』

『ねえ?』

返信が来ない。いろいろな可能性が頭を過ぎり、不安が増大した。すぐに俺はある程度の食料を純に送り込んでから街中を駆け回ることにした。

「どこにいるんだよ…」

街中は全部探した。流石に人の家には入っていないがそれ以外はすべて見て回ったはずだ。そんなことを思っていると、空から影がさした。

「≪火魔法≫」

「っ!」

すぐさま後ろに跳ぶと、さっきまでいた場所に青い炎が落ちてきた。そして、その上には

「どういうつもりだ。明子!」

片手に父さんを抱える明子が浮かんでいた。

「≪風魔法≫」

竜巻のような暴風が発生する。そこらじゅうの家は破壊され破片がこちらにとんでくる。

「≪聖剣≫」

召喚した聖剣ですべてを切り払う。どうやら話し合いの余地はないようだった。

「それなら無力化するまで…!」

空を飛ぶ明子に向かって聖剣をぶん投げる。すると持っていた父さんを縦のように突き出した。

「そんなのありかよ!」

すぐさま再召喚で手元に引き寄せる。どうやら人質かと思いきや盾らしい。

「≪水魔法≫」

今度は雨が降り出した。それが肌に触れた瞬間、ジュッと肌が溶けた。

「酸性雨!?≪火魔法≫」

炎の壁を作り、何とかで酸の雨を防ぐ。でも、すぐに別の魔法をうってくるため防戦一方となる。それでも、

「今だ!」

すきを見て明子に接近して父さんを避けながら聖剣の刃のないところをぶちあてた。明子は吹き飛んだもののすぐさま暴風が彼女の体制を整えた。何にせよ、これで希望が持てた。どうやら父さんを抱えているため接近戦が弱くなっているようだ。

「これで無駄だってわかっただろ!父さんを離せ!」

少し厳しくなるかもしれないがそれでも父さんは大切な家族だ。助けないといけない。

「……」

明子は無言で父さんを離した。父さんはヨタヨタとこちらに近寄って来る。そして…

 

胸元からナイフを取り出しこちらに近寄ってきた。その目には明確に殺意がこもっていて、僕はやっとヒカの言っていることが正しいということを理解した。

 

 

 

 

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