世界の変化に追いつけない   作:ありくい

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第七十話

 

「えっと?」

ブルブルと震える聖剣を見つめる。見つめていると震えが止まり、ピカっと光った。

『申し訳ありませんでした』

機械音声のようで無機質な声が聖剣から出てきた。しかし、なぜか焦りが読み取れる。まあその前に。

「喋った!?」

「喋るのは聖剣のレベルが10になってからのはずだ。とっくの昔になっているはずだがなぜ持ち主が知らないんだ?」

ちょっとした圧をかけながらそう問い掛けるヒカ。まるでパワハラ上司のようだ。

『えー成長促進によるステータス上昇にこの聖剣自体が追い付けず、リソースを壊れないことに特化させていた結果、こんなにも遅れてしまいました』

「ふむ?もう少し分かりやすく頼む」

『承知しました』

そういって聖剣が話しはじめたのはこんな内容であった。

 

まず、聖剣等武器召喚による武器がステータス上昇に耐えきれるのは使用者と同じだけの経験値を武器召喚系スキルも得ることができるかららしい。それで使用者にあったステータスにするのだとか。

でも、成長促進のせいで使用者とスキルに入る経験値に差ができてしまった。おかげで普通の割り振りでは握るだけでひびが入る可能性があったとのこと。そのため防御力にだけ特化させ、それでも足りないのでその他の機能を後回しにしていたそうだ。

 

『ですので、今緊急で自動防御を消して会話機能のみ解除しましたが、他の機能は解除できていません』

「ということはあの戦闘もか?」

『いえ、戦闘に関しては持ち主の記憶から取り出せますので問題はありません。しかし、出力はリソースが足りません』

勝手に二人?だけで話しはじめて香菜も俺も優さんもおいてけぼりだ。

「あの。ちなみに聖剣はレベル毎に何ができるんですか?」

『1で手元に召喚。2で自動防御。3で録画、出力。4でアイテムボックス。5で自動攻撃。6で斬撃を飛ばす。7で独りで動ける。8で聖剣追加。9で限界突破。10で会話ができるといった感じです。限界突破とは、死にかけでも痛みを感じなくなり動ける状態にするというものです』

色々と強そうなのがたくさんある。というかアイテムボックスって剣の役割なの?

「聞くが、今のように必要に応じて一つの機能を消して別のを解除とは何度でもできるのか?」

『可能ですが、それには一回一回そこそこの時間を必要とします』

全部使えればかなりの強さになるだろうがそれは難しいようだ。

「ちなみに全部解放できたとして、維持コストを含めると防御が足りなくなるのか?」

『使えるようにするために割くリソースが馬鹿でかく、一つを消去しないと足りないというだけですので維持だけなら防御力上昇と並行して行えます』

つまり、何とかして一度この機能を解放できればいいと言う話だ。

「使用者に経験値が入らず武器にだけ経験値を入れる方法はあるのか?」

『はい。独りで動ける状態にすれば私だけで経験値を稼ぎに行けますのでそれで可能です』

おお!そんな方法が!あれ?それなら…

「あの。それならもっと早く教えてくれたら良かったのに」

さっさと会話機能でそれだけ教えてくれたら夜に経験値稼ぎに行けただろうに。そうすればこんなことには…

『召喚されていないと話せないのと、戦闘中は常に自動防御のみ使用していたためできませんでした』

あーそういえばそんなの言ってたな。

「ふむ。だいたい分かった。それなら今日のところは聖剣のレベル上げに徹底するぞ。天童香菜は烈火正義とその聖剣を守ってやってくれ。他は待機だ」

「「分かりました」」

その指示に従って僕と香菜はレベル上げに向かった。

 

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