世界の変化に追いつけない   作:ありくい

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第七十四話

 

「ちょっ!聖剣!どういうこと!?」

『詳しくは分かりませんが何かに操られています。また、私の方との接続が切れてしまったので戻すことが出来ません』

淡々とそう告げて来る聖剣。

『因みに聖剣自体のスペックは同じです。そのため今の正義様の力では破壊することもされることもありません。そして、どちらも自動防御と自動攻撃がありますのでこのままではずっと戦い続けることになります』

何だこの剣。ハイスペック過ぎないか?

「じゃあこの状態で化け物を倒せば経験値は向こうに入るか?」

『入りません』

それを聞いてこれからの方針を決定する。香菜を片手で抱え込んで全力で逃げ出した。

『フゥゥゥゥゥウ!汚物は消毒じゃぁぁぁぁあ』

「どうしたの正義君!」

「とりあえず化け物を倒してレベルを上げてあれを壊す!」

どれくらい倒せばいいのかわからないがレベルが一上がるだけでもかなりのものだろう。

「えっ。それって≪光魔法≫じゃダメなの?」

「…」

マジじゃん。いやでもどれくらいだ?

「全ステータス10%アップだよ!」

「よっしゃお願い!」

「≪光魔法≫」

力が少し沸き上がり暴れる聖剣と対峙する。まあ、流石にステータス全部が上がっていることもあって全然押せている。そして、10分ほど剣を叩きつづけ、やっと砕けた。

『今のでまた分裂が可能になりました。おそらく同じような事になっているとは思えませんが念のため分裂しますか?』

そんなことを提案して来る。まあ分裂はめちゃくちゃ強力なので安心して使いたいのも事実だ。確認は大事だろう。

香菜に光魔法をかけてもらい、分裂させる。そして、片方を独りで動くようにした。

「ヒャッハーー!!」

そして、元気に化け物を狩りはじめた。よかった。

 

 

 

 

「ふむ。それはおそらく、精神魔法によるものだろう」

聖剣の機能の一つである録画、出力で戦闘の様子をヒカに見せるとそう言ってきた。

「精神魔法?」

「精神魔法は今、集団洗脳が起こっているように生物の内側に干渉する魔法だ。自分と相手の魔力の差で効き目が変わるが、やり方によってはその人物を記憶を持った完全な別人にすることも可能だ。これは推測でしかないがおそらく、神の使徒レベルの魔力がないと記憶が消えるくらいは出来るだろう」

何それ。というか怖すぎないか?というかその推測が正しいなら何でこれまでの戦いで使わないのだろうか?

「それは聖域のお陰だろう。あれは内側への干渉を全て弾くからな」

ちらっと香菜を見るとむふーとしていた。途中からずっと全天が破られていたから役にたったと実感できて嬉しかったのだろう。

「後は光魔法でも何とか出来るぞ。といってもさっき言った精神魔法を使う際の魔力の差くらいの魔力がないと効果がないがな」

そこまで説明すると、話を変えるようにパソコンを前に出してきた。

「これを見ろ」

「これは?」

そこには住宅地が映っていた。そして、明子が突っ立っている。そこに向かって大量の化け物が突っ込んで行って消えていっていた。

「これはここから10キロほど離れた住宅地の監視カメラだ。見たら分かると思うが友井明子のレベル上げの様子だな。おそらく化け物を操ってひたすらに自殺させているのだろう」

それは見たらだいたい分かる。それよりもこれがどうしたというのだろうか?

「これはネット上にアップされていて、ものすごい勢いで拡散されている。こんなもの今じゃありふれているというのにな」

確かに、自衛隊が化け物の討伐の様子を上げていたりする。これは化け物の脅威を知らせるとともに、安心させるためらしい。そんな中でちょっと珍しいってだけでここまで拡散されるのはなかなかない。一時間前なのに既にイイネは日本の人口を越えている。

「まぁなにが言いたいかと言うと、この映像越しに人々が洗脳されていると言うことだ。俺らは聖域内だから大丈夫ってだけでな」

 

 

 

え?

 

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