「レイ、大丈夫?」
『あーまぁ。なんというかその、純と一緒になってなかったら喜んでいたのかなって』
レイは様々な世界を生き、そして死んできた。多分、[レイ]として死なないのはこの世界が初めてなんじゃないだろうか。なんせ、すべての世界での人類滅亡の可能性を摘み取るための存在なのだ。あんなにも強いのに、逃げたいと考えるほどの怪物達と何度も何度も戦い続けているのだ。終わりを望むのも仕方ないのかもしれない。
『でも、今は死にたくないかな』
「そっか」
幸いにも彼女はこの世界で生に希望を抱けるようになったようだ。ただただアニメやお菓子を食べるだけでそれとはなんとも悲しくなってくる。
『それだけじゃないよ』
ほう?
『秘密だけど』
「えー?いつか教えてよ?」
『気が向いたらね』
「えっと…今はその、レイという奴と話してるのか?」
正義がそう尋ねてきた。そういえばレイの声は外には聞こえないんだっけ。じゃあ傍目から見たらやばい奴じゃん。
「そうだよ。決して幻覚を見ているわけじゃないからね!」
疑いはしっかり潰しておかないとね!
「あっうん。別に疑ってたわけじゃないんだけど。ってあれ?なあ純。ちょっといいか?今23時59分だぞ」
「へ?」
だからどうしたと言うのだろうか?別に日付が変わる瞬間というだけなのに。
「いや体」
あ、そういえばこの時間になると性別変わってたな。ダンジョンにいすぎて忘れてたわ。まあでも怖いものではない!
「ふっふっふ。なんとこの姿になったことで夜の激痛がなくなったのです!髪と目は今と同じだけど顔つきとかは元に戻るから見たら俺が純だって確信持てるよ!3、2、1、0!へぶっ!」
頭が何かに弾かれた。いたぁい。ものすごい安心しきってただけにほんとにいたぁい。
「やかましいぞ。レイ…ん?どっちだ?」
頭をさすりながら振り返ると頭を叩いたのはヒカだった。
「む。ふむ。そうか」
かくかくしかじかと今の状況をヒカに説明した。聞き終わってから数分。やっとこさ飲み込めたようで口を開いた。
「ふざけるなといいたいところだが、もう終わったことだからいいだろう。深井純。後悔するなよ」
真剣な口調でそう言われる。
「しませんよ」
しっかりと芯を持った声でそう返した。ヒカは満足そうにならいいと鼻を鳴らした。
「じゃあこれからの方針を話━━━」
「ひーちゃん。眠い……」
「マユさん!?」
マユさんがバサッとヒカの背中にしな垂れかかった。香菜が心配したような声をあげている。というかこの人はいまだに謎が多いな。まあヒカに信頼をおいているのは分かるのだが。
それにしてもかなり体を預けているようだが重くないのだろうか?刀とか重いと思うんだけど。
「じゃあこれからの方針を話すぞ」
あ、そのまま続けるのね。