「たっだいまー」
「ん?おお、良く帰ってきたな」
「おお香菜!心配したよ!」
パソコンとにらめっこしているひーちゃんとしらんおっさんが出迎えてきた。なお、マユは爆睡している。
え、誰これ?
「ただいま。お父さん」
「え?これ香菜のお父さん?いつから?」
少なくとも直近の純の記憶にはない。
「あ、言ってなかったですね。香菜のお父さんは香菜と同じく聖域が使えるのでヒカさんと一緒にお留守番ってことになってたんですよ」
じゃあ皆で話してたときどこにいたの…?
「ええっと、はじめまして、ですかね?香菜の父です。その様子だと前にもいたようですが生憎気絶してまして…目覚めた時には既に出発していらしたので顔を合わせることが出来ず、申し訳ありません」
ペコッと穏和そうなおじさんが頭を下げた。これはこっちも挨拶しないと…!
「え、えと、はじめまして。いや、はじめましてじゃない…?あ、まあこの姿だとはじめましてですね。レイ、もとい深井純です」
「純君!?あ~香菜から聞いていたけど本当に女の子になってるなんてね~」
驚いたように大きくのけ反った後、すぐに元に戻り、そんなことを言われる。
「あ、えっと、今は純じゃなくてレイです」
「ふむ?女の子の姿ではレイと名乗っているということかな?」
違う!でも何て言えば…
「あ~それはですね………」
正義君が全部説明してくれました!持つべきものは友だね!
説明した後、香菜のお父さんが作ってくれた料理を食べ、香菜と正義は眠りについた。私は寝る必要がない。なんなら純も実は寝なくていい。ただ、心を休めるのには眠るのが1番と言うだけなのだ。
「ねえひーちゃん」
「レイか。どうした」
暇なのでひーちゃんと話すことにした。
「あの計画はどうなったの?」
「あれか?結構進んではいるが、まだまだだな。友井明子の魔法を逆に利用したりしているが、やはり20日くらい外に出ないと厳しそうだ」
「あ~まあ進んでるならいいよ。20日程度ならそんな気にする必要もなさそうだし」
「突然どうした?」
「これまでは“後”なんてどうでもよかったけど今回は楽しそうだからね」
「そうか。ただそもそも今回のはどうなんだ?経験あったりするか?」
「いんや全然。といっても多分最後の展開だけは予想出来るよ」
「ほう?それは……ああ、なるほどな」
「ふふ。私を殺すなんて不可能だからね。これぐらいしかないんじゃない?純と二人きりになる方法」
「まあそこまで行ったらそれしかないか。まあなんにせよ、不意打ちくらって機能不全とかはやめてくれよ」
「そっちこそ、君の代わりはいないんだからね?死んだらダメだよ?」
私達は、互いに目を合わせて、笑った。