旭奇譚~和風ファンタジーな鬱エロゲーの名無し戦闘員に転生したんだが周囲の女がヤベー奴ばかりで嫌な予感しかしない件~ 作:愛川蓮
「旭、もう動いて大丈夫なのか?」
「なんで貴方もいるのかしら?」
「なんで此処にいるの?」
あたいが胡蝶様の式神の背中の上でうとうとしていたら、誰かに話し掛けられたので顔を上げてみると……そこにはある部屋の前に心配そうな顔をした雛姉と呆れたような葵姉がいたっす。
「雛姉、心配してくれてありがとうっす。まだ痛むけど、動けない程じゃないっす。葵姉、あたい達を助けてくれた伴部さんに治療薬を届けたかったんで此処に来たんすよ。……まあ、胡蝶様が式神を貸してくれたからこれたんすけどね」
あたいがそう言うと、雛姉と葵姉は若干警戒する様な目付きになったっす。……あ、そっか。
「伴部さんには感謝や心配の感情しかないっすよ。二人が
「私は恋心を抱いてほしいんだけどなぁ……」
何故かあたいを残念そうな顔で見つめる座敷わらしちゃんに内心で首を傾げながらあたい達は伴部さんがいる室内に入ったっす。
あたいが室内に入ると、そこには全身血の滲んだ全身包帯姿の男の人……粗末な敷物の上で呻いている伴部さんだったっす。
「……伴部さん。3日前まではありがとうっすよ。伴部さんがいたから、あたいも葵姉も無事……とは言い難い怪我したけど帰れたんすからね」
「私は彼にも旭にもあんな人格破綻者の為に怪我をしてほしくなかったんだけどね」
あたいはお礼を言いながら水筒を開けて、持ってきたお茶碗の中に水を入れて丸薬を溶かして伴部さんの口に……っと。
「雛姉……葵姉でも良いんすけど、伴部さんを抱き上げてくれないっすか? 下手をすると伴部さんが窒息しちゃうんで」
「私が支えられたら良かったのに……!」
あたいは不満そうな顔の座敷わらしちゃんに内心で苦笑いを浮かべながら雛姉と葵姉に呼び掛けると、雛姉はあたいが持っているもう一つの丸薬に目を向けていたっす。
「旭、それは御祖母様の作った薬か?」
「え、なんでわかるんすか?」
「ん~旭がまだ作れないからじゃないかな?」
「旭の薬作りの腕前じゃあまだ作れないからじゃないかしら?」
あたいが雛姉に問い掛けると、葵姉は溜め息を吐きながらそう言ったっす。
「旭、それはあなたが二回に分けて飲みなさい」
「でも……」
「……私達も薬を持ってるんだ」
「……わかったっす」
雛姉と葵姉が手に持っている薬を見せるとあたいは納得するっす。薬も過ぎれば毒になっちゃうすからね、二人が飲ませるならあたいは気持ちだけで十分かもしれないっすね。
「それじゃあ、失礼して……~~~~~~!?」
にっがあ!? なんすか、この薬!? 滅茶苦茶苦いっす!
(……どうやら寝ている時に無意識の内に循環させている霊力を使って傷を治癒する力を強める薬のようだが……材料の時点でかなり苦いし、それを取り除こうとすると薬の効能が薄れてしまうようだな)
夕陽、冷静に薬の成分を解析をしないでほしいっす!
「旭、暴れるな。傷が開いたらどうする」
「旭に触れるな、裏切り者」
あたいがあまりの苦さに七転八倒していると雛姉があたいを膝の上に抱き上げてくれたっす。
「ひ、雛姉……ありがとうっすよ」
「いや、良いんだ。お前を抱き締めていないと、葵を殺したくなってしまうからな」
「え?」
あたいが雛姉の言葉に疑問符を浮かべていると、葵姉は伴部さんの上に乗って……
「……死なせはしないわ、絶対に。貴方は私の特別なのだから」
そう言って、葵姉は瓶の中の薬を口に含むと……
「ふえ!?」
(ぶっ!?)
「…………」
「…………」
葵姉は伴部さんの血塗れの頬に触れて顔を近付けると……その唇に接吻をしたっす。
「はぁ……はぁ……はぁ……ふふっ、許さないわ。私を置いていくなんて………許せる訳がない。約束を破るなんて許さない……っ!」
思わぬ事態にあたいが顔を赤らめていると、葵姉はそう言いながら何十秒もつけていた唇を引き離しながらそう言って……
(旭……後ろを見るなよ)
(はい?)
あたいは夕陽のいきなりの警告に眉を潜めながら雛姉の方を向いて……え?
「…………………………」
「彼は、私のものだ」
そこには暗く淀んだヘドロの様な瞳の雛姉が無言で伴部さんの上に乗っている葵姉を睨んでいて……しかも、あたいに回している腕にも力が……
「いだだだ!?」
「……あ。す、すまない。少し力を入れてしまった」
「……お姉さま。代わるわ」
あたいが体の痛みに悲鳴をあげたら正気を取り戻したかの様に雛姉は慌ててあたいに謝ってくれて、葵姉も伴部さんの上からどいて雛姉の代わりに抱き上げてくれたっす。……あ、後頭部に葵姉の柔らかいものが。
「葵姉、ごめんなさいっす」
「謝らなくても良いわ。お姉さまを嫉妬させた私も悪いもの」
「お前もあの裏切り者も旭や彼に触れる権利はないくせに」
あたいが痛みに悲鳴をあげたせいで伴部さんと離れるしかなかった葵姉に謝ると、葵姉はそう言ってあたいの頭を撫でてくれたっす。
「……■■。すまない、私のせいだ。私が浅慮だったせいでお前や旭にこんな怪我をおわせてしまった」
そう言って雛姉は伴部さんの頭を膝に乗せ、薬を口に含むと……
(やっぱり……)
(やはりな)
「…………」
「…………」
雛姉は伴部さんの唇に接吻をしたっす。
「……あら?」
葵姉は何かに気付いたように顔を上げると、あたいを床に座らせてから襖まで行ってそれを開けたっす。
「………そこで何をしているのかしら?」
「ひっ……!?」
そこには怯えた表情の紫姉がいたっす。……あたいと葵姉のお見舞いに来たんすかね?
「あ、あう……あ………」
「………貴方はここに来ていない」
「……え?」
怯える紫姉に葵姉は優しく……でも、霊力を放出して威圧しながらそう言うっす。
「貴方はこの部屋に来ていない。貴方は何も見ていない……分かった?」
「えっ……その………」
「分かった?」
有無を言わせぬ葵姉の言葉にあたいはこのままだと葵姉が紫姉を壊してしまうと思って残りの薬を飲み干すと、痛みに顔をしかめながら紫姉の所に行くっす。
「雛姉、葵姉。あたいの目的は叶えられたんで、あたいは戻るっすよ」
「そう」
「養生するようにな。お前はすぐに無茶をするんだからな」
「私はもうちょっと此処にいようっと」
あたいがそう言うと、雛姉と葵姉は光のない狂った様な瞳をあたいに向けてそう言ったっす。
「……旭。お従姉様は、その」
「……恋をしたんだと思うんす」
(その中でも質の悪い形でな。……まあ、雛姫もだが)
そう。あたいは雛姉が伴部さんに恋をしているのは知っていたっす。でも、まさか彼処まで拗らせていた上に葵姉まで拗らせちゃうなんて……このままじゃあ……
「誰もが不幸になっちゃうっすよ」
(私は座敷わらしの様子も気になったんだがな)
「?」
あたいは夕陽の言葉に困惑をしながらある決意をしたっす。
「例え、雛姉や葵姉に殺されても……二人の殺しあいだけは避けないといけない。なら……あたいのやるべき事は……!」
「旭、危険な事はしないでくださいね?」
「それは二人次第っすよ」
まあ、十中八九恨まれると思うんすけどね……
あたいは心配そうな紫姉に微笑みながらどうやって二人から伴部さんを引き離すかを夕陽と相談していたっす。
──────────
どれだけ走ったのだろうか? 日の光もなく、時計の類いも手元にない状態ではどれだけの時間が経過したのか判断がしにくい。相応に鍛えている筈の俺ですら汗で衣類がぐっしょりと濡れて、死にそうな程息切れする位には走り続けたのでそれなりの時間は経たのは間違いないが………
「ぜぇ、ぜぇ……な、なんとか逃げ切れたっすね……」
鬼月旭が疲れはてた様子で周囲を見ながらそう言った。
……まあ、疲れているのはこいつだけではないがな。さっきも言ったように相応に鍛えている筈の俺ですら息切れをしているんだ。全員が疲れはてていた。
「ち、ちくしょう……狼頭が匂いで追ってきているのに気付いていなかったせいで体力を大量に消費しちまった……」
「だ、誰もはぐれなかったのが奇跡ですね……」
鬼月白夜と赤穂紫の言うとおり、妖達の先頭にたって俺達を追いかけ回していた妖が匂いを辿っていたせいで延々と追いかけ回されたからな……(因みに狼頭は妖達の行動に気付いた狐白と協力した鬼月旭によって倒された)。誰かがはぐれるかもしれないと思っていたが、鬼月旭が声かけを怠らなかった為にどうにかこうにかはぐれずにすんだ
「孫六さん、此処が何処かわかるっすか?」
「ん? え~と……お、この印が此処にあるから……出口は此方だな」
鬼月旭が孫六に出口を聞くと、孫六は周囲を見渡して然り気無く掘られている印を見ると、そこから出口への方向を導きだした。
「そういやこの印はなんだ?」
「ああ、俺ら案内役が広い下水道で迷子にならないように出口の近くや迷いやすい場所を抜けられる様に最初の仕事でどんな印があるかを叩き込まれるんだ」
「ふーん……さて、と……さぁ、行くっすよ」
赤穂九恩の質問に孫六が快く答えると鬼月旭はゆっくりと起き上がると、俺達に出発を宣言した。
『今のところは化け物どもの気配は感じられぬが……注意はしておくといい』
『ええ。あの様な妖がいる以上、油断は禁物です』
耳元で俺と鬼月旭にそう囁く老退魔士とその孫に俺達は頷きながら歩を進める。
……因みに、老退魔士の子孫の少女は鬼月白夜の周りを警戒する様に飛びながら鬼月白夜にひっきりなしに話し掛けていた。
それから数十分もしただろうか? 俺達は孫六の先導に従いながら、歩んでいた俺達は漸く出口に……
「そろそろ出口に……」
『……む?』
『これは……?』
『白夜様、何か変……』
「……!? 孫六さん、伏せて!」
何かを感じ取った鬼月旭が孫六を伏せさせると、それを見た俺達も慌てて伏せる。
すると……
『いかん、下が……』
『旭、逃げ……』
『白夜様、これ……』
さっきまで俺達が立っていた所に飛んできた大量の血の短剣が式神達を貫き、そのまま短剣は形を崩すと血で出来た壁になり俺達の退路を封鎖した。
「こ、これは……!?」
「ふむ……今のを避けるか。存外優秀じゃな」
白虎が驚いていると、暗闇から一人の少女が現れる。俺達の前に現れたその少女の容姿はさっき会ったあの二人よりも若かったが……あの二人よりも濃密な妖気に吐き気をもよおしそうだった。
「な、何者です!」
足をガクガクと震わせている赤穂紫の言葉に少女は立ち止まって手に顎をあてると、名前を口にした。
「妾の名はアリア・ローゼンクロイツ。まあ、お主に求婚したバカ息子とそこのガキに求婚したバカ娘の母親じゃよ」
「アリア・ローゼンクロイツ……!?」
「旧西方帝国が滅びる要因を作り、数多の吸血鬼の血族の先祖になった吸血鬼の聖母……! まじで実在してたのかよ!?」
「む? お主ら、妾の事を知っておったのか? はて……妾は五百年前にしかこの国には来たことはないんじゃが……まあ、家族にすればわかるか」
その言葉を言い終えるかいなかのタイミングで俺と葛葉唯は同時に煙玉を投げて視界を塞ぐと即座に俺は短槍で突き、葛葉唯は刀で斬りかかり……二人纏めて吹き飛ばされた。
「不意討ちを卑怯とは言わぬが……不躾じゃぞ、貴様ら」
アリア・ローゼンクロイツの手元には見事な装飾の付いた鞘付きの剣があり、あれの一撃で吹き飛ばされたというのはわかるんだが……幾らなんでも早すぎだろ……!
「……どうにか突破するっすよ! 紫姉と白虎はあたいと一緒に前衛を、伴部さんと唯ちゃんはその援護を、狐白さんは狐火や幻術での撹乱を、白夜さんと九恩さんは孫六さん達の護衛をお願いするっす!」
「なかなか良い指揮をする。それなりの場数を潜っているようじゃな」
「その余裕が何時まで続くか見物ですね!」
「悪いけど、押し通らせてもらう!」
鬼月旭の指示にアリア・ローゼンクロイツは感心したように頷くが、そう言いつつも赤穂紫と白虎の左右からの攻撃を細腕一本で防いでいた。
「く……行け!」
「GO!」
「下人の方の式神……妾のいた地域の魔術も含んでいるな? 下人とは思えぬ芸達者ぶりじゃの」
俺と葛葉唯が同時に鷹と梟の簡易式をアリア・ローゼンクロイツに向けて解き放つがアリア・ローゼンクロイツはあっさりと迎撃した上に俺の方の式に付与していた麻痺の魔術をあっさりと見切って躱した。
「そこじゃ!」
「隙あり!」
「っと、少しばかり下人に注目しすぎたか」
そこに狐白の援護を受けた鬼月旭が小太刀で連撃仕掛けるが、これも鞘で弾かれてしまった。
「中々やるのう……少しギアを上げていくか。『シェイド・エッジ』!」
その言葉と共に俺達の足下から飛び出した影の刃を躱して俺は肉薄……「伴部!」「うお!?」しようとして天上から飛び出してきた影の刃を白虎が抱き付いた事で回避した。
「そこら中が影だらけ故にな、気を抜くなよ? 『シェイド・バット』、『ブラッド・チェイン』!」
そう言うと、今度は影で出来た蝙蝠の大群と血で出来た鎖が俺達に襲い掛かってくる。
「くそったれが!」
「なめるな!」
「……伴部、旭! 大技を使います、少しばかり守ってください!」
「紫姉……わかったっすよ!」
そう言って、技を放つ為に霊力を溜め始めた赤穂紫を見て鬼月旭はそれを信じることにしたのか、果敢にアリア・ローゼンクロイツに立ち向かって行く。
「バカが、今の話を聞いて妾が何もせぬと思うか! 『ブラッド・ビースト』、『シェイド・ナイフ』!」
アリア・ローゼンクロイツは呆れたようにそう言って血で出来た獣と影で出来た大量のナイフをけしかけてくるが、鬼月旭、白虎が武器で迎撃し、狐白が狐火で俺は短槍を回転させる事で弾き飛ばし、葛葉唯は結界を展開する事で赤穂紫を守る。
……そんな膠着状態が二、三分程続いたが……ついにその時が来た。
「伴部、旭、白虎、唯……ありがとうございます……行きますよ、『破魔・剣技一閃』!」
そこから溜めに溜めた霊力が突きと共に衝撃波として放たれ……
「はぁぁ……『ブラッド・ウェ』……」
「破魔・剣技一閃!」
「へあ……ぬおぉぉぉぉぉ!?」
間髪を容れずに赤穂九恩から放たれた二発目が赤穂紫が放った一発目と重なり、威力と速度が強化された状態でアリア・ローゼンクロイツに炸裂した。
「よっしゃあ! 奇襲成功だぜ!」
「やはり使えましたか。同じ刀に同じ血筋……もしやと思って声に出して良かったです」
やはりわざわざ喋ったのは赤穂九恩に合わせさせる為の合図だったようだ。
「もー! そんな作戦なら先に言ってほしかったすよ!」
「しょうがないでしょう、先に話すと作戦が漏れる危険性があったんですから……ですが、倒せはしないまでも行動不能には……」
「お母様!」
「母さん!」
(……やべえ奴らが来やがった)
俺達は各々の武器を構えながら……「いやはや……してやられたわい」俺達が声に振り向くと、そこには無傷のアリア・ローゼンクロイツがそこにいた。
「な、何故あれを喰らって無傷で……!?」
「ん? ああ、そりゃあ咄嗟に鞘で防御をしたからな。お陰で鞘が壊れてしまったわ……まあ、都合は良かったがな」
そう言ってアリア・ローゼンクロイツは壊れた鞘から剣を引き抜き……途端に神々しい迄の霊力が下水道に舞い踊った。
「「……は?」」
俺達は唖然とした様子でアリア・ローゼンクロイツを見る。妖気と霊力は水と油で同時に使えはしない筈だ……だが、アリア・ローゼンクロイツはどういう訳か、その中で平然としていた。
「『主に身を捧げし友よ……焔と共に我が鎧となりて、共に敵を討たん』……燃え盛れ、『エクスカリバー・ラ・ピュセル』」
アリア・ローゼンクロイツの言葉と共に手に持つ黄金の剣から焔が舞い上がってその体を包むと……その中から完全武装したアリア・ローゼンクロイツが背中に悲しげな表情の焔の女性を従えて歩みでて来た。
唐突に俺の視界が切り替わる。
処刑台の上に立たされる金髪の女、そんな女を引き立てる役人に泣きながらすがり付くアリア・ローゼンクロイツ……女に火がつけられ、女は泣きわめくアリアに微笑みながら「貴女はもう大丈夫です」と言った後「主よ、この身を捧げます」と言って燃え尽きる。時間が立ち、女の遺灰の前で立ち尽くしていたアリア・ローゼンクロイツは狂気の表情で黄金の剣を突き立て……
「……『ジャネット』。お主はまだ、妾に微笑んでくれぬのだな」
「今の光景は一体なんだったんすか……?」
(今のはなんだ……?)
悲しそうな表情で焔の女を見つめるアリア・ローゼンクロイツを見ながら鬼月旭と俺は困惑していたが、すぐに気を取り直して戦闘を……
「さて……鞘を壊した褒美じゃ。妾の本気の一撃をお見せしよう」
((見せなくていい!))
俺と葛葉唯の思いを知ってか知らずか……アリア・ローゼンクロイツは大上段に燃え盛る黄金の剣を構え……
「退避────!」
「ちょっと、お母様! 私達の獲物を燃やしたら承知しないわよ!?」
そんなことを言いながら逃げたす二人を尻目に俺達は全力で防御をするが……正直無理ゲーだな。
「アポロン……ディザスター!」
振り下ろされた剣から放たれた焔が俺が最後にみた光景だった……
──────────
「なんと……本当に生き残りおった」
アリアは焔が荒れ狂った先を見てあきれ果てる。そこにはズタボロで気絶していたが……確かに息のある旭達がそこにいた。
「母さん、流石にあれを放つのは不味いと思うんだけどなあ!?」
「下手をすれば私達も死んでたわよ!?」
「ふん、勝手をした罰じゃ。きっちりと理解をしておけ」
そう言って抗議をするラールとリーナを制したアリアは気絶した旭達に近寄ると、それを血で出来た獣達や異形の弟妹達に手早く乗せていく。
「行くぞ。母上にこ奴らの処遇を聞く」
「ヘイヘイ……」
「ハ~イ……」
母の言葉に不満タラタラだが、ラールとリーナはそう言って母の後ろをついて行った。
……その場には旭達を庇って灰になった式神達がおり、それぞれの持ち主に旭達の危機を伝えたのは言うまでもない。
次回もお楽しみに!