旭奇譚~和風ファンタジーな鬱エロゲーの名無し戦闘員に転生したんだが周囲の女がヤベー奴ばかりで嫌な予感しかしない件~   作:愛川蓮

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今年最後の更新!


章末・前

 それは俺にとって想定外とも言える少女との出会いの記憶だった。

 

「伴部、知ってるか? 当主様が養子をとったそうだ」

(……はあ!?)

 俺は今はもういない同期のその言葉に顔には出さなくても動揺をしていた。

 何せ、姉御様馬鹿で自身の娘であるにも関わらずにゴリラ姫を罠にはめた筈の為時が養子をとったからだ。

 

「……既に雛様や葵様がおられるのに、なんで養子をとったんだ?」

 俺は内心の動揺を隠しながら同期に詳細を尋ねる。

 

「ああ、俺も偶々聴いただけだから詳しくは知らないんだが……何でも、昔に当主様が世話になった人物の娘を御意見役の師が連れてきて話し合いの末に養子になる事が決まったらしい。……決定打になったのは、その人間が葵様並みの霊力を持っていたからみたいだけどな」

「……そうか」

 ……まあ、為時は姉御様の母親と駆け落ちをして兄が死んで当主になるまでは農民として生活をしていたんだ。その間に世話になった人間がいても可笑しくはないが……平民産まれでゴリラ姫並みの霊力って、普通じゃねぇぞ……? 

 

 しかも、若作りババアの師匠ね……まあ、あの若作りババアにも未熟な時期があるんだ。そういうのがいるのも当然か。

 

「そう言えば、養子になる娘の名前はなんて言うんだ?」

「ああ……確か、旭だったな」

(鬼月旭……ね)

 俺は原作にはない展開や人物の登場に内心で頭を抱えながら訓練に向けて歩き出した。

 

 ……それから数日後、俺はそいつと遭遇した。

 

「雛姉、此処がわからないんすけど……」

「ん? ああ、此処は少し間違えやすい部分なんだ。こうすると……」

「わぁ……ありがとうっす!」

「そんな奴にお礼を言う必要はないのに……」

 それは屋敷の見回り中だった。俺が見回っていると、話し声が聴こえたので寄ってみたんだが……そこにはオレンジ色の髪を背中で括った活発そうな原作で見たことのない少女が姉御様と和やかそうに話していた。

 

「あ……」

「? 雛姉、どうしたんすか?」

「くすくすくす……貴女のせいでああなっちゃった彼を見てどう思ったのかな?」

 姉御様は俺に気付くと泣きそうな顔になり、それを少女が不思議そうに見ながら周りを見渡して俺を見つけるとその足で俺に近づいてくる。

 

「えっと……下人さん。雛姉が気になるみたいなんで、一緒に来てくれないっすか?」

「……は」

 俺はこいつが鬼月旭だろうと検討をつけると、それに従って手を掴まれて姉御様の所まで来させられる。

 

「……なんで連れてきちゃうの?」

「雛姉、気になってた下人さんを連れてきたっすよ」

「連れてくる必要はなかったんだけどな……」

 姉御様はそんな少女に呆れたような顔で頭を撫でると、俺に顔を向ける。

 

「下人……お前の名はなんという?」

「……伴部でございます、雛様」

「……そうか、見回り中に旭が失礼したな。行っても良い」

「は……」

 俺は姉御様の言葉に内心でほっとしながら、二人から離れる。

 

「……絶対に助けて見せるからな、■■」

(夕陽、あの人が……)

(多分、雛姫の思い人だろうな)

「彼は私のものだ」

 その後ろではそんな事を言われていたのが聞こえたが、そんな事は無視して見回りに戻る。

 

 今思えば、これが原作には存在しない第三の姫である鬼月旭に振り回される切っ掛けに……!? 

 

 俺が気配を感じて目を開けるとそこには……俺に馬乗りになり顔に向けて自分の顔を下ろしている白虎が目の前にいた。

 

(夢……)

「伴部……」

 じゃないな。どう考えても目の前の白虎の顔は現実だ。

 

「……何してんだお前は」

「……もう少しだったのに」

何がもう少しだったのかしら? 

ああ。全くもってその通りだな

 俺は白虎を両手で押し留めて溜め息を吐きながら何をしていたのか尋ねる、白虎は俺が起きたことに残念そうな顔に……なると同時に跳び下がると先程まで白虎がいた場所を姉御様の居合いとゴリラ姫の裏拳が通過した。

 

 俺がその事に驚いて起き上がろうとすると……

 

「あ……うっ、ぐっ…………!?」

 身体中に激痛が走っていた。全身重度の筋肉痛といって良い程の痛み……それこそ指一本動かすのも辛かった。金縛りになったような感覚に俺は陥る。

 ……良く腕を上げられたな。痛みを自覚する前だったからか? 

 

 俺が自分に呆れていると、次いでやって来るのは頭痛だった。頭が割れそうな、脳の奥底から来るズキズキと脈打つような鈍痛に俺は歯を食い縛り耐える。

 

 ここで俺は熱と寒さを感じた。まるで風邪を拗らせたかのように身体の内側が熱く、その癖寒さも感じていた。吐き気がして、ここで漸く俺は上半身が全身包帯まみれで同時に汗でぐっしょりと濡れていた事に気付く。

 

 最後に来たのは倦怠感と徒労感だった。身体が鉛のように重く感じられた。骨の一本一本が、関節の一つ一つが磨耗しつくしたような感覚に陥った。猛烈な眠気が再度俺を眠りの国に誘う。それは抗い難い誘惑だった。

 

 それでも俺は本能的にその欲求を抑えつける。その程度の誘惑に耐えられぬようでは妖の幻術には抗えないからだ。直前の記憶が曖昧な俺は事態を把握するために視線だけでも動かして周囲の様子を確認する。

 

 天井があった。木材の天井……つまりここが何処かの室内である事を意味していた。

 

 次いで障子を視界に収め、暗くて良く分からないが掛軸や調度品の類いを確認する。布団と枕は羽毛だった。となればここは寝室………? 

 

(いや、待て)

 あの調度品や掛け軸には見覚えがある。あれは鬼月旭の寝室にあった物だ。と、いうことは……

 

(此処は……鬼月旭の寝室、か? だが……)

 何故ここに自分がいる? 何故自分はここで寝ていた? 下人に過ぎない自分がこんな場所で寝ているなぞ許されない筈なのに……? そもそも、(俺に恋をしている白虎は兎も角)何故此処に姉御様とゴリラ姫がいる……? 

 

「うっ……ぐっ…。がぁっ………!?」

「伴部、動くな」

「動いちゃ駄目よ、傷が開くわ」

 痛みと睡魔により朦朧する意識の中で俺は更なる情報を集めようと痛む身体を左右に揺らし、もう一度両手を動かそうとしてその一層激しい痛みに悲鳴を上げる。それと同時に俺の頭の上から姉御様の声が、真横からゴリラ姫の声が聞こえる。

 

「ぐ、うぅ……雛様、葵様…下水道は、あの妖達はどう、なって……」

「んん…いぎ、あが……づぅ!?」

「旭!」

 俺が姉御様やゴリラ姫にあれからどうなったのかを聞こうとして……聞きなれた声の呻き声が聴こえたので声のしてきた方を見ると、鬼月旭が俺の隣で包帯まみれで寝ていてその側に白虎が慌てて駆け寄った。

 

「あ、白虎……此処、あたい…の、部屋っすか?」

「うん。旭と伴部がアリア・ローゼンクロイツに刺されて倒れたのを夜と花が此処まで運んでくれたの」

 痛みで口が動かないのか、鬼月旭の途切れ途切れの言葉に白虎は涙ぐみながら話す。

 

 ……こりゃ、結構な数に心配をかけたっぽい……ん? なんだ、この地響きみたいな足音……まさか!? 

 

「旭、起きたのか!?」

「旭様、伴部さん!」

「旭姫、伴部!」

「旭、伴部!」

「二人とも起きたのか!」

「二人とも、良かったデス!」

「大将、下人……起きたんだな!」

「良かったぁ!」

「ちょっと、待……!?」

「お前達、落ち着……あ」

「げぇ!?」

「旭様……」

「予想通りになったわね……」

「んギャアぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

「「「旭!?」」」

(やっぱりこうなったか……)

 出入り口側で寝ていた鬼月旭が雪崩れ込んできた仲間達によって揉みくちゃにされたせいで激痛が発生して悲鳴をあげる中、俺は深々と溜め息を吐いた。

 

 ──────────

 

「全く……危うい所は越えたというのに、また意識がない状態に逆戻りする所だったぞ……」

「慕うのも良いけど、相手の状態は良く見なさいな?」

「本当にそう」

「「「申し訳ございませんでした!」」」

「あはは、気にしてないんで……」

「少しは気にしてください」

 俺は鬼月旭への抱きつきを姉御様、ゴリラ姫、白虎に物理的に止められ軽い者は頭にデカイたんこぶを乗せ、重い者は鼻血だの青痣だのを顔にこさえた面々の土下座を苦笑いで受け流している鬼月旭に内心で頭を抱えながらツッコミをいれた。

 

「所で雛姉、葵姉……あれから何日くらいたったんすか? それと、下水道にいた妖母達はどうなったんすか? 紫姉は無事っすか? そもそもあたいらはなんで此処に?」

「そう一辺に聞くな、順番に話す。そうだな……お前達は5日程意識がなかった」

 姉御様が鬼月旭の沢山の質問に苦笑いをしながらそう答える。……そんなに寝てたのか。

 

「次に下水道の妖達だけど……逃げたわ。痕跡は『何かいた』程度まで消されてた上に、追跡も困難な位に妖気も抑え込まれてたから陰陽寮に倒される可能性も低いわね。……まあ、軍勢は大幅に減ったらしいけど」

(だろうな)

 ゴリラ姫の言葉に俺は内心で頷く。場所が割れたのに逃げ出さないのは馬鹿のすることだし、原作よりも戦力も少ないから迎え撃つ事もせずに逃げるのは当然だろう。……軍勢が大幅に減ったのは何でだ? 

 

「……紫は無事。ちょっと噛みつかれた回数に応じた爆弾を付けられたけど、至って健康」

「そっすか……」

 鬼月旭は白虎の話から赤穂紫の生存を知って、ホッと息を吐く。……姉御様とゴリラ姫はその話に納得はいってなさそうではあるが。

 

「次に何故此処にいるかだが……夜と花が逢見家の屋敷までお前と伴部を運んだんだ。……まあ、お陰で屋敷は上へ下への大騒ぎになったがな」

「そりゃ、下水道にあたいが傷だらけになるような妖がいるってわかったんだから、そうなるっすよね。……所で雛姉、葵姉……もう1つ気になることがあるんすよ」

 最後に姉御様の言葉で質問への答えが出ると、鬼月旭は真面目な顔になりながらその話題を口にした。

 

「……あたいと伴部さんはどの位妖に近付いてる(・・・・・・・)んすか?」

 その話題を口にした瞬間、姉御様とゴリラ姫、旭衆の面々が苦しそうな顔になる。

 

「此処、何十もの人払いの術式と結界を重ねてるっすよね? 後、あたいと伴部さんにも偽装の術式が十重二十重に掛けられてるし……これって、あたい達が妖に近付いてるから宇右衛門様にも見られないようにしてるんすね?」

「……正解よ」

 鬼月旭の言葉をゴリラ姫が溜め息を吐きながら肯定した時点で俺は自身の身体を見つめる。

 

 ……今はまだ人間の身体だが……恐らく、薄皮一枚下は妖と化しているんだろうな。

 

(よくもまぁ、始末されなかったもんだ)

 陰陽寮の人間がいた時点で俺も鬼月旭も纏めて始末されても可笑しくなかった。泳がせているだけだったり、珍しい症例なので理究衆(りきゅうしゅう)を伴ってくる為に帰しただけかもしれないが……

 

「今のところは小康状態だ。私と葵が協力して薬を作ってお前と伴部に飲ませたんだ。……それでも妖化を食い止めるのが精一杯なんだがな」

(マジかよ!?)

 姉御様の言葉に俺は心底驚く。原作では協力の『きょ』の字すら見せなかった姉御様とゴリラ姫が協力して作るって……それだけ鬼月旭(義妹)が大切だという事なのだろう。

 

「妖化を抑える薬なんて存在したんすね……」

「根治ではないけどね。材料もかなり希少なのもあるんだけど……確保しやすいのもあって助かったわ」

「それってなんなんすか?」

「……高い霊力を持った人間の血」

「あ~……」

 白虎の言葉で合点がいった。姉御様にゴリラ姫、少し劣るが白虎に子孫組に夜に花……高い霊力を持った人間の血なんて採取し放題だな。

 

「他の素材はどうしたんすか?」

『私が届けたのよ』

「あ、胡蝶様……下水道の時と今回の手助けありがとうございました」

『いえいえ、可愛い孫娘達の為ですもの。この程度では足りないぐらいよ』

 何時の間にか鬼月旭の側にいた若作りババアの白鷺の式神に鬼月旭は笑顔で礼を言うと、式神は鈴が鳴るような喋り方でそれを受けとる。

 

「……葵様、失礼ながら質問したいことがあります」

「……どうしたのかしら?」

 俺はゴリラ姫に対して疑問に思ったことを質問する。

 

「いえ……葵様は何故私も助けようとしたのでしょうか?」

 俺はそこら辺は本気で疑問に思っていた。俺に鬼月旭程の才能や霊力は無く、興味も薄い義妹付きの下人なんぞ助ける義理はゴリラ姫にはないからだ。……三年前に助けてもらった義理があったのだとしても、それは鬼月旭を介した様々な道具の受け渡し等でとっくの昔にチャラになっているだろう。

 

(なによりも、地雷系ゴリラだからな……)

 どんな事が死亡フラグへの導火線になるかわからない以上、そこら辺の疑問は解消した方が良いだろう。

 

「……………………」

 ゴリラ姫は少しばかり黙った後、恥ずかしげに顔を赤らめてもじもじと動きながらこう言った。

 

「それはね、伴部。私はあなたの事が……」

「ま、まさか!?」

「駄目!」

「行っちゃ駄目だからね……!」

 何故かゴリラ姫の言葉を姉御様と白虎が妨げようとしたが、花が二人の前に立ち塞がる事で邪魔をする。

 

「好き……って、言ったらどうするかしら?」

 顔を真っ赤にして目をそらしたゴリラ姫がそれを言った瞬間、周りの面々(鬼月旭、姉御様、白虎、若作りババアは除く)がギャグマンガなら『ドンガラガッシャーン!』と音がなりそうな勢いでずっこけた。

 

「そうじゃないでしょ、そうじゃー!」

「ま、まだ恥ずかしいのよ……!」

 姉御様と白虎の二人を防いでいたせいでズタボロになっていた花が着物の襟足を掴んでガクガクと揺するが、ゴリラ姫は顔を真っ赤にしたまま目をそらして小声で何かを言っていたが、俺の側にいるにも関わらず余りにも小さくて聞き取れなかった。

 

「伴部さん。それで……もしも葵姉が伴部さんを好きだって言ったらどうするんすか?」

 鬼月旭がそんなゴリラ姫に苦笑いをしながら、そんなことを言う。……ふむ、ゴリラ姫が俺に対して好意を告げたら、か。

 

「……私が見た夢か幻、葵様が酔っている……妖が化けているも考えますね」

 俺がそう言うと鬼月旭は布団に突っ伏し、姉御様と白虎は頭を抱え、ゴリラ姫は手に持った扇を強く握り締め、若作りババアの式神は器用に苦笑いをうかべ、周りの面々はまたしてもずっこけた。

 

「つぅ……ゆ、夢や幻はまだ兎も角……残りの2つはなんでっすか?」

 俺の言葉で布団に突っ伏していた鬼月旭は若干傷が痛むのか呻きながら、そう聞いてくる。

 

「それは……葵様が私に対して好意を持つなどあり得ないからです」

「……理由を聞いても良いっすか?」

「理由としては私には葵様が好意を持つような才能等皆無だからです。葵様は才能を持つ人間を寵愛する気があります。私は葵様から式神や物探しの術等を習いましたが、その習得の遅さに少々呆れられまして……」

「……当主様に嵌められた件で好意を持たれたとは考えないんすか?」

 若干の苛立ちも混じった感じの言葉を鬼月旭はそう言うが、それを考えてもなぁ……

 

「それに関しては只人ならばありえましょうが、葵様にはあり得ますまい。寧ろ、旭様への感謝との兼任でしょう」

 実際にその印として俺が愛用しているゴリラ姫製の短刀や様々な霊具が鬼月旭経由で届けられるんだろうし。

 

「……今までの私の態度が彼の鈍感の原因なのね」

「葵、その……私の幼馴染みが本当にすまない」

「……伴部のその鈍感さには助かる時もあるけど……これは、ない」

『あの人もそう言うことを言っては良く師匠に殴られてたわね……』

 ゴリラ姫は溜め息を吐き、姉御様は何故かゴリラ姫に土下座をして、白虎は何故か俺を見て呆れ、若作りババアは何処か懐かしそうな顔でその光景を見ていて……ん? 

 

「旭様……?」

 鬼月旭は何故か握り拳を作っており、その瞳も怒りで溢れていた。

 

「……伴部さん。あたいは伴部さんの事は友人として(・・・・・)大好きだし、人間性も信頼してはいるっすよ(だからこそ、雛姉や葵姉を託せるって思ったんだし)」

 そう言った後で鬼月旭は「でも……」と付け加えた後、こう言った。

 

「そういう鈍感すぎる所は本気で怒ってるんすよ? 途中で日酔った葵姉も悪いとはいえ……夢や幻はまだ兎も角として、葵姉が酔っ払ってるや妖が化けているは本当にないっすよ……」

「あ、あの……旭様……?」

 俺はだんだんと声が低くなる鬼月旭にそこはかとない不安を抱きながらそれを押し留めようとして……

 

「一辺、医者に、その変な解釈をする頭を……診て、もら……えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

「ぐばぁ!?」

 俺は滅茶苦茶怒った様子の鬼月旭の全力の右ストレートを顔面に叩き込まれた。

 

「ふん!」

「旭、やり過ぎ……なのか?」

「普段だったらやり過ぎだけど、今回の例では正しいかも……」

「……正直、私は気が済んだわ」

『そこら辺も師匠そっくりね、旭は……』

 薄れつつある意識の中で、鬼月旭は怒った様子で布団に入り、そんな鬼月旭に姉御様は首を傾げながらそう言い、白虎は溜め息を吐きながらそれを肯定し、ゴリラ姫は何故か笑顔になり、若作りババアは鬼月旭の行動を笑って見ていた。

 

「……自業自得だな」

「うむ」

「女の敵に相応しい一撃デス。……主よ、かの人間の罪と鈍感を赦したまえ」

「昨日でた予言はこういうことだったのね……」

「伴部さん……」

「何やってんだか……」

「やれやれ……」

「協力者だけど、そういうところは治しなさいよ……」

(なんでだよ……)

 旭衆の俺に対する同情の無さに俺は不満を覚えながら意識を失った。

 

「……本当にあれが私達の先祖と結婚できるのか?」

「このままだと、全く気付かないような気がするんだが……」

「なんでか下水道にあった旭衆の日誌の一部分によると、そこら辺は旭もキレまくってたらしいな……」

「今後を期待ってやつか……」

 そんなことを子孫組が話していたのを俺達は知らなかった。




次回も早く投稿したいなぁ……次回もお楽しみに&良いお年を!

蛇足:『闇夜の蛍』に旭衆がいた場合のキャッチコピー

『例え蛍の光が光らぬ闇夜が訪れても、旭は昇る』
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