旭奇譚~和風ファンタジーな鬱エロゲーの名無し戦闘員に転生したんだが周囲の女がヤベー奴ばかりで嫌な予感しかしない件~ 作:愛川蓮
「全く、今更ながら随分と暴れてくれたものだの。あの化物は」
扶桑国が外街、その一角に佇む万年閉店中の古書店に潜伏する退魔士の老人は荒れ果てた自宅の内部を見て嘆息する。
半ば禁術化している空間拡張の結界によって外観からは信じられない程の広さを持つ古書店は、しかしその内部は散々に荒れ果てていた。並ぶ本棚は悉く倒されていて、そこに納められていた大量の書物はぶちまけまれていた。しかもその内の少なくない数が裂かれ、破かれ、切り刻まれ、燃やし尽くされていたときていて、バラバラに粉砕された妖共の肉片と血が壁やら家具やらにへばりつく。とどめは荒れ果てた部屋の中心部に鎮座する血にまみれた仰向けになって倒れる巨大な熊の怪物の姿で………
「防音効果の結界を張っていて正解だったの。これだけ暴れておれば騒音も相当なものだったろうて」
「そんな風に他人事みたいに言わないで下さいよお爺様。御願いしますから片付けを手伝って下さいな」
「そうですよ。只でさえ荒れ果ててるんですから!」
嘆息しながら近場の書物の山に腰掛ける道硯に向けて舶来物の安楽椅子に腰かけてあれこれと人形の簡易式達を使役し、荒れ果てた部屋の片付けをさせていた牡丹とその側の座布団に座って簡易式を動かす事で手伝っていた椿はジト目で文句を垂れた。
「そうは言ってもな。ふむ、まずはこいつを起こすとするかの。……ほれ、さっさと起きんか木偶の坊め」
翁はそう嘯きながら、衣服の袖から物理的に考えて明らかに入っている筈のない長い杖を引き抜くと、いそいそと歩き始め、部屋の中心部でぶっ倒れたままの大熊……式神として使役している鬼熊の元に辿り着くと容赦なくその頭を数回打ち付ける。
『グルルルルル……………』
空中から見えない糸で操られているかのように起き上がる鬼熊の源武。良く見れば力なく唸る熊の怪物の左腕はその肩部からごっそりと引き千切られていた。あの忌々しい碧鬼がこの店を飛び出そうとした時に止めようとして受けた傷であった。
「本当、大変でしたね。あの碧鬼、急に叫びだしては都に突っ込もうとするなんて………」
「そりゃあ、自分の選んだ英雄と親友の娘が妖母に拐われそうになったら半狂乱にもなるんじゃないですか?」
「待ちなさい、椿……親友って、誰と誰がですか?」
「赤髪碧童子さんと旭様の母親ですけど? ……あ、今も赤髪碧童子さんは旭様の家系を守り神として見守ってるんですよ!」
「……えぇ?」
式神にふっ飛んだ鬼熊の腕を運ばせながら、椿の話を聞いて『何をどうしたら嘘つきで残酷な鬼が人と親友になれるのだろうか?』と考えながら牡丹は嘆息する。椿はまだ兎も角……そもそもがあの鬼がここに居候していたのが可笑しいのだ。ましてやあれほど狂乱して暴れるなぞ……それもこれも親友の少女と彼女に仕えているあの素性も知れない怪しい青年と少女が祖父の弟子になったせいだ。
三年前からの知り合いである鬼月家の何処か訳有り気味な下人の青年とその主であり、牡丹の親友である少女を四六時中簡易式神で尾行していたあの悪名高き赤髪碧童子が、しかしその式神が破壊される瞬間何かを悟ったようでいきなり狂乱した瞬間を牡丹は鮮烈に記憶していた。
それからが大騒ぎであった。あからさまに妖気を垂れ流し、この店から出て都に突っ込もうとする鬼を牡丹と椿は翁が使役する本道式(式神化した霊獣や妖)、それに室内に仕掛けていた無数の罠で以て捕獲しようとしたが……腐っても相手はあの碧鬼である。無駄に力があるせいで止めるのも命懸けであり、事実完全には止めきれなかった。
結局囮役の本道式の大半を物理的に無力化してくれた所をどうにか翁の捕縛結界……事前準備に数ヶ月の時間を要する代物だ……で捕らえる事は出来たが、それとて時間稼ぎにしかならない。
展開した瞬間にゴリゴリと凄まじい勢いで結界を削られたが……元より翁はこの碧鬼をこの程度の準備で止めきれるとは思っていなかったようだった。僅かに生まれた時間の間に翁はその弁舌でどうにか鬼を宥めて、辛うじてこのまま都……正確にはその下の地下水道……に突っ込むのだけは阻止した。代わりに何処かに飛んでいってしまったが。
「構わんよ。化物同士で殺し合ってくれるならば問題あるまい。出来ればそのまま共倒れしてくれれば万々歳ではあるがの」
「共倒れされると私達も困るんですけど……」
式神達が千切れた腕を鬼熊の傷口に押し付ければ翁はぺしぺしとその接着面に杖を数回叩きつける。同時に懐から何十枚と護札が飛び出して傷口を包むように貼り付く。本道式は甦った腕の痛覚に不機嫌そうに唸り声を上げる。
「………それで、お爺様としてはあれと旭はどう処理する積もりなのですか? あんな得体の知れないもの、野放しには出来ないと思いますけれど?」
牡丹は旭の名前を呼ぶ際には声のトーンが凄まじく低くなっているのを自覚しながら膝の猫又の喉を擦り、鬼熊の腕を運んできた式神達に別の仕事を割り振ると祖父に向けて尋ねる。そうだ、目下の課題はそれだ。
「元々気味の悪い男でしたけど、よりによってあの化物の血を取り込んで、しかも一線級の退魔士の心臓まで……正直、危険な因子はさっさと処理してしまった方が良いのでは? ……凄まじく不本意ですが、旭もろとも」
「ご先祖様!?」
驚愕する椿の言葉を牡丹は黙殺する。『妖母』と言えば、この扶桑国内で封印も討伐もされずに現存する化物の中では五本の指に入る厄ネタだ。何せ元は海の向こう出身の堕ちた神である。その上態態『産み直し』ではなく血を媒介しての妖化となれば………
ましてや変異を食い止める秘薬で以て誤魔化しているようであるが根治は出来ぬと来ている。寧ろ時間を掛ければ掛ける程肉体が妖化に馴染み、いざ均衡が崩れた際の急激な変貌でどうなるか知れたものではない。薮蛇になる前に薮ごと全て焼き払ってしまった方が安全ではないか……? と、理屈の上では牡丹も理解してはいるのだが……本心では親友を死なせたくないと思っている自分がいるのも理解しており、どうにか助けられないかと考えてしまってもいるのだ。
「ならぬ。確かにあのまま放置しても問題の先送りであろうがな。しかし、薮ごと蛇を燃やすとして此方にまで延焼せぬとは断言出来ん。今はするべきではなかろうて」
「あ……雛様と葵様に赤髪碧童子さん、旭衆の皆様も爆発しますね」
しかし孫娘の意見を翁は否定する。それは甘さでも優しさでもなく、危険性を天秤に掛けた上での冷徹な判断であった。あの青年と少女を殺処分する事自体は難しくはなかろうが、椿の言うように鬼月の姉妹や祖母、少女が率いている集団、それに碧鬼がどんな行動に出るか分からない。処分するのは危険過ぎる。……少なくとも今は。
「それに利用価値はあるからな。せめて鬼を始末するまでは潰れてもらっては敵わん。……とは言え、儂も妖化を根治するだけの秘薬の製法はとんと知らぬからのぅ。困ったものだ。色々と調べ直さぬといかぬか」
「う~……私の家から数冊ほど此処に来てたらなぁ……」
翁は自身の白い髭をなぞり、椿は両親が集めた本の中にあった書物の事を思い出しながら心底困り果てたようにぼやく。
正確には都に保管されている禁術の類いには恐らくは製法くらいは記述されている筈だ。しかし、翁が陰陽寮に勤務していた際研究していたのは主に妖魔の者共を封じ、滅ぼす類いのものが中心であり、治療技術の類いには殆ど関心なぞなかった。特に妖化の進む人間を治療する事柄に関しては。
当たり前だ、延命ですら本来ならば馬鹿馬鹿しい程に入手困難な材料……一線級の退魔士の心の臓等……を必要とするのだ。ましてや根治なぞ、必要な材料はそれ以上に入手困難であり、割に合わない代物であろう事は分かりきっていた。態態そんなもの使ってまで治療するなら、いっその事殺してしまった方が遥かに安上がりであろう。とは言え、希望は薄くても翁は何もせずに放置する選択はないようであった。
「……驚きました。まさかお爺様が態態そんな事のために時間を使うなんて。旭はまだ鬼月家に恩を売るためだと解釈する事ができるのですが……たかが下人の伴部にもそこまで手間をかける積もりなのですか?」
「え、なんでそれで驚くんですか?」
疑問の声をあげる椿を無視しながら牡丹は祖父にそう問いかける。当然だ、打算的で、合理的で、功利的、何よりも冷徹な思考をする祖父が鬼月家の三女である旭は兎も角、得体の知れぬ下人である伴部の為にそこまで動く積もりである事に牡丹は心から驚いていた。一瞬祖父が洗脳されたか殺されて誰かが皮を被っているのではと疑った程だ。
「ふむ、意外かの?」
「お爺様にしては甘過ぎます」
「人間としては当然なんじゃないでしょうか?」
若干顔を顰めて尋ねる祖父の言葉に対してお気楽な発言をする椿に「余程平和な時代なんでしょうね」と牡丹は思う。同時に祖父への不信感から若干警戒を上げる。禁術の究明のために生きた人間や半妖を何人も残虐な実験材料にするというおぞましい所業故、朝廷から追放された老退魔士にしては言う事が緩過ぎるように牡丹には思えた。
「……そうだな、確かに自身で口にした後であるが、寛容かも知れぬな。警戒を上げるのは正しい判断ではあるの」
「???」
ふむふむ、とそれとなく戦闘態勢を執る孫娘に対して翁は寧ろ感心するとともに自身の口にした言葉について考え込む。確かに甘い。我ながらあのような不自然な在り方の人間に対して甘過ぎるのだ。……同時に孫娘の子孫の警戒心の無さにも内心では呆れていたが。
翁は性善説なぞ信じていない。人は根元的に性悪な存在だ。自らの命のため、利益のためならば他者を見捨てて苦しめる事すら厭わぬ存在であると確信していた。無論だからとて彼は別に人という存在を蔑視している訳でなければ失望している訳でもない。野の獣共や邪悪な化物共と違い、人は唯一縛り付け、締め付け、躾る事で自らを律する事が出来る万物の霊長であると信じている。
故に不自然なのだ、あの青年は。青年は学もなき貧農に生まれ出て、苦難と苦悩と苦痛ばかりしかないこの不条理な世に翻弄されて……無知蒙昧な唯人であれば全てに諦念するか、あるいは卑屈で粗野で浅ましくなるか位しか有り得ぬ事、それをあの青年は………
「確かに不自然ではあるな。だが………」
「………?」
はぁ、と小さく哀愁を込めた溜め息に孫娘は怪訝な表情を浮かべ困惑した事に翁は気付いていた。そして苦笑する。そうだ、甘い。甘過ぎる。それは分かっている。分かっているのだ。しかし、それでも………
「お母さ──ーん!」
「ぐぇ!?」
次の瞬間、件の碧鬼が何かに追突されて転がり込んでくる。
「凄い、凄い! 五百年位前のお母さんだ!」
碧鬼に追突した雛子と似たような制服を着た少女は碧鬼から悪辣な性格を抜いて天真爛漫に置き換えたかの様な碧鬼に良く似た鬼の半妖であった。
「俺に娘はいないんだけどなぁ……」
「『
「あ、椿ちゃん!」
「椿……その鬼の半妖は何者です?」
少女の言葉にぼやく碧鬼を遮って、椿が少女に駆け寄ると少女もまた椿に駆け寄った。それを見て牡丹は嫌な予感を感じ取って椿に少女は何者かを問い掛け……
「あ、私の親友で赤髪碧童子さんと伴部さんの娘である……」
「『
「「はい?」」
「なんと……」
伴部が聞けば嘔吐するか、現実逃避をし旭が聞けば大混乱を起こしかねない爆弾情報をぶちまけた椿と碧花旭童子に碧鬼と牡丹は同時にすっとんきょうな声をあげてしまいは翁は自身の子孫が半妖と親友な事と赤髪碧童子と伴部に娘が出来ることに呆然としていた。
そして……
(何故、未来で下人が鬼と子を作ったとわかっただけで……これ程、胸が痛むのでしょうか?)
三年前の佳世の誘拐事件の時、妖に襲われ、伴部に佳世共々庇われた際に彼女に無意識に生まれていた
────────ー
『ぐふ、ぐふふふ……!』
「白鷺、いきなりで悪いが……どうした?」
螢はいきなり気色の悪い声で笑う白鷺にドン引きしながら尋ねた。
『ん? ああ……いよいよ、佳世ちゃんの心からあのイレギュラーや下人を抹消して僕の嫁にするための作戦が始まりそうでね……それで興奮しちゃってね』
「……そうかよ、それでも笑うのは後にして報告会に移るぞ」
『わかってるよ』
そんな白鷺の言葉に内心でげんなりとしながら彼を嗜めると、他の面々に向き直る。
「それで……妖母は都の下水道から完全に出ていったのか?」
『それは間違いない。式神達を下水道の隅々に行き渡らせたけど……妖母もましてや奴が産んだ妖も全ていなかった』
「そうか。下水道であいつらが倒してくれたら良かったんだけどな……」
『まあ、あれは出会ったら死ぬ一種の舞台装置だからな……死ぬ姿は想像できん』
燕の報告に螢は溜め息を吐くが、獅子はそんな螢にそう言って慰める。
「んで……確か妖母って、放置してると都に甚大な被害を出すんだよな?」
『ああ、エンディングによってはそのまま扶桑国滅亡一直線になり得る程な』
「まあ、それが避けられたのは良いことだったのか?」
『まあ、そうだね。そういう意味ではあのイレギュラーどもも良くやって来れたって感じかな?』
狛犬の言葉に螢がそう言うと、白鷺は器用に肩を竦めながらそう言って感謝していない感謝を旭衆に対してする。
『そう言えば、螢……主人公の子孫はどんな感じなんだ?』
「ああ、環奈はおっとりしててマイペースな感じだったんだけど……人懐っこいからすぐに環や家の奴らと馴染んで仲良くやってるよ。……鈴音とも良くガールズトークをしてるしな」
螢は燕の言葉に環奈の顔やその様子を思い浮かべつつ、含みも持たせて応える。
『そうか……まあ、ひょっとしたらグッドエンディングを迎えたかもってわかっただけでも良しとしよう』
「まあ、そうだな」
狛犬の言葉に頷きながら、(だから物語を知らねえんだよ、俺は)と内心で思っていた。
『そう言えば、蛍。主人公君のお相手は誰なんだい?』
「『タイムパラドックス』って、知ってるか?」
白鷺の質問に対して螢は肩を竦めながらそう言うと、他の面々はそれで押し黙った。
『……まあ、良い。次の集まりでは僕が橘商会の長になって君達の資金源になって会議に出よう』
白鷺がそう言って消えると、他の式神達も燃えて消えた。
「環の相手……か」
螢は最後に白鷺に言われた事を思い出しながら、家路を歩み始める。
「……にしても、環奈の言った事は本当なのかよ?」
螢は環奈が家に来て、環の夫は誰なのかをそれとなく聞いた際に言われた事に疑問に思う。
「そりゃ、ガキの頃にはそんな事を言った事はあるけどよ……」
螢は昔の頃に環と話した子供の約束を思いながら呟いた。
「……俺が環と結婚して子孫を残せるわけがないだろうがよ。
自分が子供心に思い、今も想ってはいるが己と環の関係が故に仕舞い込んだ恋心を自嘲しながら歩き出した。
……螢がそう結論づけて環に対して弟として接したが故に家族が言えなかった姉の真実を知って彼がorzになり、旭や環奈の友人達に呆れられる蛍夜の郷の存亡を巡る大事件が起こるまで……後三年であった。
──────────
『………あぁ、彼女は失敗したのですね?』
深海のような永遠の闇の中でその声は木霊のように響いた。それは美しい少女のもののようにも、しかし感情が何処までも欠落していて人理の外のものの声のようにも聞こえた。次いで嘆息するような溜め息が続く。
『元々彼女には余り期待はしていませんでしたが………そうですか。……えぇ、そうですね。では他の方々の頑張りに期待するべきでしょうね』
元より認識も目的も、合っているようで合っていない相手だったのだ。神というのはいつもそうだ。話が通じるようで究極的には全てが自己完結している。故に然程彼女には期待はしていなかった。何ならこのまま後は好きに動いてくれても構わなかった。どうせ、計画はそう大きく狂うまい。
『さて、もうそろそろだろうか? ……えぇ。それが良いでしょうね。どうせ指の一つも動かせないのですし。今はまだ……えぇ、ではもう一眠りさせて貰いましょう』
『それ』は淡々と、まるで誰かと話すようにそう嘯くと再び闇の中で沈黙する。まるでその存在そのものが闇の中に溶け行き、消え去るように………
誰も足を踏み入れる事のない都の地下深く、奥深くの監獄で囁かれたその言葉は何処までも鳴り響く。仄暗い地の底で反響する。
しかしながら、同時に反響する中でその声音は形を変えていく。そして、門番達の詰めるその監獄の入口まで届く頃には、それは最早只の風の音と化して、誰もその意味を解する事はなかった……
「……『
それと同時刻、己の家の罪を全て背負ってこの監獄の門番の一人となった南蛮の老人……身体は三十代程だが。は、自身が異世界に跳んだ際に親友兼戦友となり、共に災害にも例えられる
「バカな、これは……この霊力は……!?」
老人は上から感じた懐かしい霊力に喜びながらも、跳んだ異世界で彼が最後に戦った
その頃、旧都の外れで……
「シドーは、みんなは……何処に行ったのだ!?」
「此処は、まさか……」
夜色の長髪をハーフアップに結い上げている少女が最愛の少年や大切な友人達を捜すために金髪にカソックを着たアリシアに似た容姿の少年と一緒に都を走り回っていたのだが……彼らが旭達と出会い、橘商会を巡る大騒動に巻き込まれるのはそれから少し先の話である。
次回もお楽しみに!
蛇足:『闇夜の蛍』に旭がいた場合の台詞集10『胡蝶編』
旭に対する思い
胡蝶「大切な義理の孫娘ね」
旭「あたいにとっても胡蝶様は大切な人で尊敬すべき師匠っす!」
モヤモヤへの言葉
旭「環君を見てると、モヤモヤして……それで、つい……」
胡蝶「そう……それは、貴方にとって大切な感情なのよ?」
旭「……はいっす」
見るべきものは……
旭「今、胡蝶様が見るべきなのは……死んでしまった胡蝶様の最初の子やおばあちゃんじゃない! 環君やあたいっていう、生きている人間なんすよ!」
胡蝶「私、は……」←項垂れる胡蝶の着物を掴んで怒鳴る旭のCGが映る。
胡蝶&旭エンド(旭メイン時)
胡蝶「旭……幸せになってね?」
旭「当たり前っすよ!」←環の妻になった旭と語り合う胡蝶のCGで締め。
胡蝶&旭エンド(胡蝶メイン時)
旭「…………」
胡蝶「旭……貴女が起きるまで私も環も待っているわ。だから……貴女も絶対に戻ってきて……」←最終決戦で全力を出しすぎたが故に意識を失った旭を胡蝶が抱き締めるCGが映る。