旭奇譚~和風ファンタジーな鬱エロゲーの名無し戦闘員に転生したんだが周囲の女がヤベー奴ばかりで嫌な予感しかしない件~   作:愛川蓮

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いやほんと遅れてすいません!


第四十話

「遂に正体を表したな化け物め! 佳世ちゃんはこの僕が……「喧しい!」ぶがべあ!?」

 最初に仕掛けたのは深紅の髪の旭であった。

 

 彼女はなにかを喋っている白鷺丸を蹴り飛ばすと、旭が蔵丸から出して彼女に渡した刀を振るって血で出来た斬撃を飛ばすと白鷺丸の両足を切り落とし、そのまま血で出来た杭を作り出して白鷺丸を串刺しにした。

 

「おい、流石に下手過ぎ(弱すぎ)じゃろ。踊り(戦い)もまともに……「妖気(わたし)!」うおっと!」

 その余りにも悲惨な有り様に愚痴を言おうとした深紅の髪の旭に純白の髪の旭が警告し、深紅の髪の旭は白鷺丸が振るった二本の刀を回避した。

 

「おいおい……なんで回復しとるんじゃ?」

「そういえば、本体(わたし)が奴の腕を斬った際も腕が治っていました。もしかしたら、あの刀の内のどちらかの……」

「お前らぁ……僕が喋って「グウウウウウゥゥゥ……ギャオォォォォ!!!!」げぼげ……「そのままくたばれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」あばぎゃあ!?」

 二人の旭が白鷺丸が回復したカラクリを考察していると立ち上がった後で格好をつけようとした白鷺丸を変化した伴部が殴り飛ばし、変化した旭が光の剣と血で出来た槍を大量に降らせた。

 

「……考えなくても、む?」

「……あれを凌ぎますか」

 二人の旭が容赦のないコンビネーションを叩き込んだ二人に呆れるが、光の剣と血で出来た槍が桜の花びらのごとき何かに切り刻まれて消滅したのを見て戦闘態勢を維持する。

 

「お前ら、いい加減にしろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! 僕の台詞を邪魔すんじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 白鷺丸はそう吠えると、桜の花びらを刀に戻した後で最初の刀に瞬時に変更して変化旭と変化伴部に斬りかかる。

 

「……ち、さっさと死んで「そこには、『罠』があるぞ!」下手な……な!?」

 白鷺丸の斬撃を回避した変化旭は白鷺丸のそんな発言を下手な脅しをしたと判断し、斬りかかろうとして……次の瞬間、結界に囲まれるが変化伴部がその結界を殴り壊した。

 

「……助かったっすよ。見知らぬ誰かさん」

「…………」

「無視すんな!」

 変化旭は自分を助けてくれた変化伴部に礼を言うが、変化伴部はそれを無視して白鷺丸に飛び掛かり変化旭も遅れて飛び掛かる。

 

 次の瞬間、二人は揃って落とし穴に墜落し、そこから出ると変化旭が手をついた地面に何時の間にか置かれていた転移の札から複数の妖が出現するが……二人は即座にそれらを血祭りにあげた。

 

「獣はこれだから知性が足りない……そこら中が僕の「貴様のではなくて、その刀の能力じゃろうが」「全くです」へあ?」

 どういう訳かそこら中にある罠や転送されてくる妖を対処している二人を嘲笑おうとして……深紅旭が右腕の刀を蹴りあげると、純白旭がそれを光の砲撃で塵も残さずに破壊した。

 

「な、てめえら! 僕の……「やかましいっすよぉ!」もげえ!?」

 白鷺丸は自慢の刀を破壊された事に怒りの声をあげたが、変化旭はそれに目をくれずに飛び蹴りを炸裂させた。

 

「このまま……」

「くう……!?」

「死ね!」

 変化旭はそのまま白鷺丸の喉に薙刀を突き立てるが……その姿が変化伴部へと変わっていた。

 

「あれ? なんでだろ?」

「錯覚……」

「グガァァァァァァァァァァ!」

「ぶげ!?」

「あばぎゃあ!?」

 変化旭が首を傾げている後ろで白鷺丸が格好をつけた台詞を言おうとするが、変化伴部は変化旭もろともに白鷺丸を殴り飛ばした。

 

「いぎ……肋骨が折れた。けど……今度こそ死ねぇ!」

「グオアァァァァァァァァァァ!」

「!?」

「んげ!?」

 変化旭は殴られた部分を抑えながら骨で出来た棘を背中から飛び出させ、変化伴部は白鷺丸の顔面に向けて殴りかかるが、それが直撃したのは深紅旭であった。

 

「あれ? また……」

「錯……」

「何すんじゃ、クソたわけどもぉ!」

「ぐばらへ!?」

「んげぼ!?」

「グオ!?」

 変化旭はまたしても白鷺丸でなかった事に首を傾げるが、深紅旭はまた格好をつけた台詞を言おうとした変化旭と変化伴部を白鷺丸と一緒に血の塊で出来た砲撃を連続で放って吹き飛ばした。

 

「あ、旭ちゃん……?」

「殆ど同士討ち……」

 その有り様に佳世と沙世は唖然とするが、白鷺丸が吹き飛ばされた所に態勢を整えた変化旭、変化伴部、翼で飛んだ深紅旭が同時に攻撃を繰り出し、それが直撃したが……

 

「痛いです……」

「あー、もう! 何で三回もあいつじゃなくて、違う人なんすか!」

 そこには変化伴部に両足をもぎ取られ、変化旭に右腕を斬られ、深紅旭に喉を抉られた純白旭がそこにおり、旭はそんな状態に地団駄を踏み……

 

「s……」

「……全員纏めて、お返しです。『ヘブンズ・レイ』!」

「んぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

「ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

「グギャオ!?」

「うぎゃあ!?」

「「きゃあ!?」」

「牡丹、結界を!」

『わかってます!』

「くうう!?」

「ちぃぃ!」

「ぐ!?」

「うおお!?」

「ひゃああ!?」

「「うわぁ!?」」

 そんな変化旭達の近くにいた白鷺丸や変化旭達に向けて純白旭が手を掲げると、巨大な光の輪が発生しそこから発生した神気を含んだ光線が辺り一体に降り注ぎ、光線を受けた物体を焼き払い、切り刻んだ。

 変化旭、変化伴部、深紅旭に白鷺丸はそれをもろに食らって吹き飛ばされ、佳世、沙世は悲鳴をあげて互いを庇い合い、小百合、柚子、リリシアと牡丹の四人が必死に佳代と沙世を守り、龍飛、入鹿、美九、十香とアルトは必死に回避する。周辺にいた妖は……大半は回避する事が出来ずに全てが切り刻まれ、焼き払われた。

 

「ふう……スッキリしました」

「このバカ! 妾と本体(わらわ達)を妖やあのガキもろとも殺す気かぁ!」

「何で佳世ちゃん達を巻き込みそうな攻撃を放ってんすか!」

「あだ!?」

 スッキリとした表情でそう言った純白旭に憤慨した深紅旭と変化旭が同時に飛び蹴りを叩き込み、吹き飛ばした。

 

「……そもそもはアイツの力で私を誤認した妖気と本体(私達)やあの妖も悪いと思いますが?」

「それはそうだけど……」

「お前らぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! さっきから僕の台詞を邪魔すんじゃねえよ! お前らは僕の人生の「人が話してる最中に口を挟まないで欲しいんすよ!」ぶげ!?」

 純白旭のその言葉に変化旭はバツが悪そうに顔をそらし、そこに煤まみれになった白鷺丸が襲い掛かってくるが……変化旭はそれに対してカウンターの回し蹴りをノールックで叩き込んだ。

 

「く、くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! 咲き狂え、『瑠璃色孔雀(るりいろくじゃく)』!」

「うわ!?」

「ぬ!?」

「これは……?」

「グル……?」

 吹き飛ばされ白鷺丸は転がって起き上がると、刀身が孔雀の羽を思わせる色鮮やかな蔓状に分裂した刀を取り出して変化旭達を縛り上げた。

 

「あ、旭ちゃん、伴部さん!」

「この刀は相手に蔓を絡みつかせて縛り上げ、その霊力を根こそぎ奪い取ることのできる能力を持つ武器だ! お前らの命は蔓に付いている百合の花が咲いた時が最後……「んなまどろっこしい武器であたいらを殺せる訳がないっすよ!」「全くじゃ」「ですね」「グギャぁ!」ぶへら!?」

 長々と武器の能力を解説していた白鷺丸に縛っている蔓を引きちぎった変化旭達や変化伴部の攻撃を受けて再び吹き飛んだ。

 

「こ、この屑どもが……! 良いだろう! 僕もほん「うるさい!」ぶげ!?」

 白鷺丸が何かを言おうとした直後に変化旭からの右ストレートが腹部に突き刺さる。

 

「だから、「えい」ぐば!?」

 飛び込んできた純白旭に鳩尾を殴られ、

 

「いい加減に「だったら抵抗せい」あばぐげ!?」

 深紅旭が広げた翼と血で出来た球体に滅多打ちにされ、

 

「k、ぎゃああ!?」

 変化伴部に無言で左腕をへし折られる……白鷺丸はまさに一方的な蹂躙に曝されていた。

 

「ふ……ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! お前らは主人公の僕にぶちのめされて、佳世ちゃんが僕に惚れる為のかませ犬で雑魚でなきゃいけないんだよ! そんなお前らが僕を殴るなんて……あり得ないんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 白鷺丸はそう言って刀を取り出すと、そこから莫大な霊力が発生する。

 

(ばん)か……げぴ!?」

妖気と神気(あたい達)

「承知」

「はい」

「ばべら!?」

 何かを言おうとした瞬間、白鷺丸は彼を殴り飛ばした旭の命令で追撃してきた深紅旭に刀をへし折られ、純白旭の光の翼から放たれた光の針で針ネズミにされて地面に崩れ落ちた。

 

「な、なん……で!? 本気を、出し……て……?」

「いや……初見殺しをしようとしたらそれを防ぐのは、退魔士の『基本』っすよ? 悠長に準備してるんなら、それは初動から潰さないと」

「…………!?」

 ボロボロになって、息も絶え絶えな白鷺丸に変化旭は座り込んで彼の目を見ながらあっけらかんとそう言った。

 

「さて……と。佳世ちゃんや沙世姉を待たせる訳にはいかないんで……とっとと終わらせるっすよ」

 変化旭はそう言って血の翼と光の翼を自身の前に結集させてやって来た深紅旭や純白旭と共に手を翳すと、そこに膨大な霊力、妖気、神気を混ぜた光の球体を作り出す。

 

「ひ、ひいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」

「……さようなら!」

 最早恥も外聞もなく悲鳴をあげて逃げ出した白鷺丸に向けて変化旭はそのまま白鷺丸に向けて球体から巨大な光線を放ち……その直線上にあるものを纏めて消し飛ばした。

 

「う、嘘……?」

「もう、損害がどうとか言えるレベルじゃないけど……旭ちゃんが無事で良かった」

 あらゆるものを消し飛ばした光線に唖然としている沙世を抱き締めながら、佳世は『スッとした!』と言いたげな表情の旭を見ながらそう呟く。

 

 そう後は旭や伴部が元に戻り、蔵街が壊滅した原因を倒れている倉吉に押し付けて……

 

 佳世がそう考えていると……次の瞬間、佳世と沙世は目の前に現れた何かに押し倒された。

 

「え……? きゃあ!?」

「な、何が……? と、伴部さん!?」

 二人が目を白黒させながら上を見ると、そこには色欲に満ちた男の眼と極上の餌を見るような獣の目を同居させて二人を見据える変化伴部がそこにいた。

 

『ま、まさか……!?』

「二人を食べる……いや、その前に二人を汚す気!?」

 リリシアの言葉に変化旭達を除いた面々が慌てて変化伴部を止めるべく襲い掛かり……

 

「グガァァァァァァァァァァ!」

「……!? 止まれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 変化伴部が発した咆哮と共に巻き起こった衝撃波やそれに連れられて怯えたように自分達に向かって突撃してくる妖達を見て、龍飛は慌てて攻撃を停止して迎撃を開始する。

 

 それによって邪魔物を寄せ付けなくした変化伴部はゆっくりとそれを喰らおうと二人を交互に見つめる。

 

「と、伴部……さん。せ、せめて……痛く無いようにお願いします……」

「御姉様!? まさか、また自分が……!?」

 沙世の懇願する様な声に佳世が沙世の意図を悟って声をかけるが、既に変化伴部は沙世に狙いを定めてその爪を……

 

「……何をしてるんすか?」

「ギャオ!?」

 振るおうとした時、それが地獄から響くような声と共に振るわれた薙刀に根本からへし折られ、変化伴部は光と血の球体に吹き飛ばされた。

 

「……一緒に戦ったから、見逃してあげたのに……佳世ちゃんや沙世姉を汚したり、殺すって言うんなら……覚悟は出来てんだろうなぁぁぁぁ!?

「あ、旭ちゃん……待ってください! あれは、あれは伴部さん……」

「ダメ、佳世! 今の旭には届いてない!」

 変化旭は殺意に満ち溢れた表情で佳世と沙世の言葉を聴かずに変化伴部に襲い掛か……

 

「伴部、旭……止まりなさい」

「伴部、旭も止まれ」

「「!?」」

 ろうとして、変化旭と変化伴部は二人の間に放たれた風と炎で互いに分断された。

 

「……雛姉、葵姉」

「あらあら、これはまた随分とやんちゃしたものね? こんなに散らかしちゃって……」

「これは散らかしたとかそんな領域ではないんだが……まあ、良いか」

 変化旭の不満げな声に雛と葵は意にも介さずにそう言う。

 

「……なんの用っすか? あたいは佳世ちゃんや沙世姉を襲った『あれ』を倒さないといけないんだけど……」

「落ち着きなさい。あれは伴部よ? 殺したら貴方は戻った後で後悔するわよ?」

 旭のイライラした様な声に葵は鈴の転がるような声でそう落ち着かせる。

 

「そうだ。お前も私や葵だけでなく、ああなった伴部と戦うのは分が悪いだろう? だから、止める為に協力してほしいんだ」

「……(伴部さんって、あんな姿だったっけ(・・・・・・・・・)?)」

 雛の言葉に変化旭は考え込むような表情で義姉達や滅却の炎で囲まれた変化伴部を交互に見て……

 

 次の瞬間、雛が展開していた滅却の炎が突如として『消えた(・・・)』。

 

「……答えは出たっすね」

「御姉様、なんで消して……!?」

「違う! これは、消された……!?」

 突如の事態に変化旭は薙刀を構え直し、雛と葵は事態に対処が遅れる。

 

「く、くくく……そうだ! そ、そのまま……殺し「余計な真似をするんじゃないわよ!」ぐば!?」

 右腕がなくなり、服や体もズタボロになった白鷺丸は二人に対して勝ち誇った様な表情でそう言うが、次の瞬間には唯に蹴り飛ばされて完全に沈黙した。

 

妖気に神気(あたい達)、行くっすよ! あいつ(変化伴部)をぶち殺す!」

「承知した! さあ、踊り狂おう(殺し合おう)ぞ……互いが死に果てるまで!」

「了承。対象を救済()します」

 変化旭は深紅旭や純白旭を伴って変化伴部に襲い掛かり……

 

「旭衆、総力をあげて二人の殺し合いも蔵街から出ていこうとする妖も止めて! あたしも準備するから!」

「「「了解!」」」

「伴部、旭……絶対に止める!」

「よりによってこの状況かよ、くそ!」

 唯は連れてきた旭衆にそう指示を出すと、持ってきた包みを出して呪具の準備に入り……

 

「葵!」

「わかってるわ!」

 雛と葵は変化旭と変化伴部の殺し合いを止めるべく走り出す。

 

 そして、この騒動において最後の死闘が始まった……




本当に遅れてすいませんでした……あ、エタる気はないので、どんなに遅れても続けます。

次回もお楽しみに!
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