絶対に勝ちたいショタVS絶対に下僕にしたい姫様 作:織葉 黎旺
『これで全部じゃな?』
「うん」
パックをすべて剥き終わった
「うう、効果がながい……」
『やれることが多くて強いことの証拠なのだから、むしろ喜ぶがいいわ!』
「むずかしくて使いこなせなかったら意味ないんじゃないの?」
『そこはこの
「おー!」
『……あの子たちが出なかったのはだいぶ痛手だけれど、まあちびっこごとき、妾と
ちらりとラビュリンスの束に目をやって、プラチナ姫は呟いた。
『とりあえずこの子は三積み、この子も三積み、この子は二枚でいい、で、これとその辺まとめて入れたら、とりあえず余った枠には後は貴方の好きなカードでも突っ込んでおきなさい』
「むむ、どれがいいだろう……」
段ボールいっぱいに詰まったカードを眺め、ああでもないこうでもないと唸る掛を微笑ましげに見つめて、姫は丸机に頬杖をついた。
「ねえ、結局ラビュリンスってどういうデッキなの?」
『一言で言うなら、どっしり構えて相手を罠に嵌めるデッキよ!』
「えー、むずかしそう」
『難しいから面白いんじゃない!』
罠で相手の踏み出した足を引っ掛けて転がすような気持ちよさは、少年にはまだわからない世界であった。
『それに自分のデッキすらまともに動かせない人間が誰かに勝とうなんて、百年早いと思うのだけれど?』
彼女はニヤリと口元を歪めて、煽るように掛を見つめた。翼が小さく羽ばたく。
「……たしかに」
姫の煽りに怒るでも、顔を顰めるでもなく、少年はただ感じ入るように頷いた。
「……プラチナさん」
『何かしら?』
「ラビュリンスの回し方、教えて!」
『ふふ、いいでしょう! 光栄に思いなさい、姫による値千金の迷宮制作講座を!』
*
翌日。児童公園。
「きたな、かける」
「……うん」
公園中央の時計台が十時ちょうどを指した時、掛は砂場の前にやってきた。休日のこの時間での待ち合わせは、二人の暗黙の了解。腕組みして待っていた少年は不敵に笑う。
「おまえのことだから、どうせおれを倒そうといろいろ考えてきたんだろうけど──おれだって、おまえに負けないためにいろいろ考えてきた!」
「……うん!」
少年が腕を大きく振ると、腕に装着していたデバイスが、羽を広げるように展開。五方向に分かれたディスクになる。
「負けないよ、丈くん!」
掛も同じように行動する。向かい合った二人の間に、冬の鋭い風が吹き荒れる。二つのデュエルディスクの同調によって、周囲に軽度な
二人は、高らかに宣言した。
『