モンスターハンターストーリーズ 紅玉の絆石   作:ルークス

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第三章 王者
第十二話 モンスターを狩るハンター


【あらすじ】

 謎のライダーからレウスを奪還したリオ達。

 激闘の後に一行はニウェス村に一日泊まる事にしたが、エムス山の上空が紅くなっている事に気づく。

 

 山頂では謎の覚醒をしたレウスが紅力のティガレックスを圧倒し、タイガがタマゴを手に入れる。

 村に残る事になったタイガに見送られながら、リオ達は紅力化の解決すべく”カリトモニ”で情報集めに向かった。

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【挿絵表示】

 

第十二話 モンスターを狩るハンター

【エムス山 はずれの森】

「ナビルー。こっちで合っているのか?」

「オウ! オレのナビはバッチリだゼ!」

「……『オレのナビ』ってより、世界地図のナビだろ?」

「ニャグゥッ! 確かに……」

 ニウェス村から旅立ってしばらく経つ。

 レウスの具合が悪い上に、ドスランポスとアンジャナフは飛行したレウス程の移動速度は無いので、やむを得ずリオとナビルー達は徒歩で移動していた。

 村から貰ったトウガラシ味のこんがり肉”ホットミート”を食べながら進んでいたが、気づけばエムス山のはずれに着く。

 寒さを対策したお陰で旅は順調に進み、山のはずれからは平均的な気温となっていた。

 

    ◇

 

【アーバ平原 南東】

 森を抜けると一面の緑色の草原が広がっていた。

 かなり広大な草原だが、そんな草原の端からでもはっきりと見える程の巨大な外壁と建造物が見える。

「リオ! ついに”カリトモニ”が見えたゾ! きっとあそこにハンターになったビオンがいるはず!」

 心が踊るナビルー。

「グォォ……」

 レウスが苦しそうな声をあげ、他のオトモン二体が心配そうに身を寄せている。

 リオがレウスを語りかけた。

「レウス。もうちょっとで安全な街に着くから耐えてくれ!」

 リオレウスは並の大型竜と比較にならない強靭な体力と本来三日以上も飛行できる驚愕のスタミナを持つはずだが、あの紅力化は力を物凄く消耗する形態なのかもしれない。

「アッ、でもオトモンを街に入れるのは止めといた方がイイかもな」

 レウスが苦しんでいるにも関わらず、ナビルーは街にレウスを入れる事に反対した。

「えっ、なんでだよ??」

「レスフ村長やサスが言っていただろ? 『ライダーを差別するハンターがいる』って。まずはオマエだけ入ってビオンに助けを求めるんだ」

「そんな、離れた時に一大事になったらどうするんだよ! それにビオンがレウスの体調を治せるとは限らないし……」

「回復薬で応急処置ができるから安心しろ。電気も溜まったし、万が一モンスターが来てもオレと二体のオトモンでなんとかする!」

「……」

 正直、リオの内心は不安で一杯だった。

 しかし、今は武器を折られたリオよりも電気が使えるナビルーの方がレウスの護衛に向いているのは確かだった。

「そうだな。ナビルー、そしてドスランポスとアンジャナフはレウスを守っててくれ!」

「ギャア!」

「ゴウ!!」

 

「ヘヘン、このナビルーに任せれば間違いなっ……ニャアア!?」

 ナビルーのヒゲが突然痺れたように揺らめく。

「ん、近くにモンスターがいるのか?」

「アァ……! な、なんかヘンな感じが……!?」

 いつもの予感とは少し違うらしい。

 急いでリオ達は近くの大岩に身を潜めた。

 

「オゥ、アーゥ!」

「ファーゥ!」

 奥から獣のような独特の鳴き声の小型モンスター二体が。

 エリマキを持つ薄紫色の身体をしており、ランポスに似た二足歩行の鳥竜種だ。

 

「……? (ナビルー、誰?)」

「……! (アノ小さいヤツは鳥竜種の雄の”ジャギィ”だ! 大きめのヤツは雌の”ジャギィノス”!)」

 ジャギィもジャギィノスもランポスと大差ない体格。

 どちらも生態系で最も下の小型モンスターに分類されるはず。

「……? (見た感じドスランポス一体でも余裕そうな相手だけど?)」

「……ッ! (違う。アイツがヘンな気配の正体じゃない!)」

 

「アオオオオン!!」

 

 その時、一瞬蒼い閃きが起きたと同時に奥から大型モンスターが駆けてきた。

 まるで筋肉質な狼に似た四足竜で、頭には黄土色の双角と鋭い牙。大きな前脚には鋭い爪があり、背中は碧色の甲殻と白い毛。太い尻尾も黄土色の甲殻と白毛に覆われている。

「「!!」」

 周囲に漂う蒼い光の玉からは電気を放っており、一目で危険なモンスターと察せる。

「ウォーウオゥオゥオゥ!」

「「!?」」

 更に後ろからも低く独特な鳴き声が。

 振り向くとジャギィを二回り程大きくしたような中型の鳥竜種が、複数のジャギィとジャギィノスの群れを引き連れてきていた。

「まずい!?」

「ニャッ!?」

 

 ドォン!!

 

 リオ達の背から轟音と共に岩の破片が飛び、砂煙の中から大型竜の鋭い睨みが刺してきた。

「ガオゥ!!」

 大型竜がこちらに飛び掛かる……と思いきやリオ達を通り過ぎ、ジャギィの群れに襲いかかった。

「皆、離れるぞ!」

「ニャーーッ!?」

 レウスも重傷かつ武器が無い今、知らない大型モンスターに向かうのは危険。

 その場から離れる選択を取った。

「ハァ……ハァ……!」

 離れた場所で立ち止まったリオが振り向くと、大型竜がジャギィ達を薙ぎ倒している。

「ナビルー、今度は誰だ!?」

「な、なんかヘンな感じと思ったけど、近くの”ジンオウガ”の雷にオレの電流が反応していたのか!」

「あっ、もしかして!!」

 すぐにリオはナビルーとビオンと協力して紅力のリオレイアを倒した時を思い出した。

 

    ◆

 

「過去に旅をしていた時に雷狼竜ジンオウガっていうヤツのワザ、超帯電が使えるようになったんだ!」

 モンスターの名前を聞いたビオンが目を見開いて驚く。

「ジンオウガ!? 全く別のモンスターの技を、なんでアイルーのお前が使えるんだ!?」

「ま、まぁ。本当に”色々”あったんだよ……」

 

    ◆

 

「ナビルーの超帯電の本家があいつなのか!!」

「そうだ。狩猟地の頂点になる事もあるようなヤツだから、今は逃げた方がいいゾ!」

 今は主力のレウスが戦闘困難な状態で、ドスランポスとアンジャナフが二体で戦っていても勝てる保証がない。

 ジンオウガもこちらを狙っていない以上、わざわざ無駄な戦闘に関わるのは得策では無い。

「分かった。皆、早く行くぞ!」

 リオの指示で一行はカリトモニの方面へ走り出す。

 

「クォォォゥン……!」

 

 ある程度距離が離れた時、背後からか細い悲鳴が聞こえる。

「ん?」

 振り返ると傷だらけジンオウガの巨体が横に倒れていた。

 ジンオウガを囲んでいた謎の光の玉も、パニックになったように不規則に飛び回っていた。

「アォォォゥゥ!!」

 そしてドスジャギィは苦痛の表情のジンオウガの顔を容赦なく踏みつけ、勝ち誇ったように雄叫びをあげた。

 周りの部下は一族の大勝利を祝うように飛び跳ね、倒れたジンオウガを蹴っている。

 

 先程まで奴が『狩猟地の頂点』という話を聞いていたリオは、あっさりドスジャギィが勝った事に驚く。

「うわ!? ドスジャギィって強いんだな!?」

 ジンオウガをよく知っているナビルーも困惑が止まらない。

「ス、スゲェー!? ジャギィ族って本来強いモンスターではないはずだけどな……??」

 草原を荒らしていたジンオウガをあっさりと倒してしまったドスジャギィ達。

 戦いを見届けたリオ達はその場から離れた。

 

 ……。

 

 リオ達も消え、平原が静まり返る。

「ガゥゥ!」

 大物を狩れて上機嫌のドスジャギィは瀕死の獲物を喰らおうとする。

「クォォン……」

 上から涎が垂れ、屈辱に塗れたジンオウガは力を振り絞ってもがく。

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「……ゥウグオオォォウ!!」

 

 

 その時、なんと紅い光が閃くと同時に目の前のジンオウガが復活。

 紅く染まったジンオウガは理性を無くしたのか、傷口が開き続けても構わずに暴れ出した。

「クァァン!?」

 完全に仕留めたと思い込んでいたドスジャギィ達は、悍ましい変貌を遂げた奴を前に戦慄。

 

 ブゥーン……!!

 

 突然あちこちで耳障りな羽音が鳴る。

 怯えるドスジャギィ達は、周りの光の玉まで紅く変色している事に気づく。

 紅い光の玉は不安定な飛び方ながらも、再びジンオウガを守るように旋回する。

 

「ウオオォォォン!!」

 野蛮な獣と化したジンオウガが前脚から紅い電撃を閃かせる。

「キャィィン……!?」

 その残虐な雷光は次々とジャギィ族を襲い、辺り一帯が紅く染まっていく。

 

     ◇

 

 あともうすぐでカリトモニに着くという時、ナビルーのヒゲが少し揺らめく。

「ニャッ?」

「どうした、ナビルー。またモンスターか?」

 ナビルーは自身のヒゲが反応したので、周りを警戒する。

 遠くを見るとさっき争いが発生したエリアで、紅い光が煌めいていた。

「ニャア!? 今、ジンオウガの電気の反応が!?」

「なっ、まさかさっきのジンオウガが生きていて紅力化したのか!? よし、ライドオ——」

 リオは絆石を掲げ誰かに乗るつもりだったのだろうが、滝のように汗を流すナビルーが止めた。

「や、やめとけよリオ!? 今はジンオウガに対抗できるか怪しい状況なんだゾ!!」

「うっ……! でも、紅力のモンスターを放っておいたら大変な事になるだろ?」

「今オマエがやるべき事は応戦じゃなくて、カリトモニのハンター達にジンオウガの報告だ。急げ!!」

「そうか。分かった!」

 

【カリトモニ 防壁の門】

 カリトモニはもう目前。

 近くに来て上を見上げると、より防壁の大きさが分かる。

 ただの石レンガではなく良質な鉱石が使われているようで、この護りを突破する事は困難だろう。

「ジンオウガから十分距離を取ったな! じゃあ言った通り、リオが中に入って助けを求めるんだ!」

「ああ、急がなきゃな!」

 

 ゴォォ……。

 

 スイッチを押すと同時に大きな門がゆっくりと開き出す。

 果たしてこの壁の中にはどんなハンターがいるのか。

 頭に興味とほんの少しの不安が入り混じりながら、リオは中に入ろうとした瞬間。

「うお! すまねぇ、どいてくれ!!」

「えっ!?」

 いきなり現れたのは慌てた様子のハンター四人。

「なぁ!? リオレウス!?」

「お、おい!? ドスランポスとアンジャナフもいるぞ!?」

「待てよ、こいつらは味方だ!!」

 リオがハンターとオトモンの間に入る。

 

「し、しまったぁ!」

 ナビルーはジンオウガのハプニングから逃れた故に油断していた。

 『オトモンと共に門から離れるべきだった』と激しく後悔する。

 リオを見送った後にオトモン達と他所へ離れるつもりだったのだが、最悪のタイミングでハンターが門から出てきてしまったのである。

「モンスターが味方? まさか、お前らがライダーって奴か!!」

 一人のハンターの顔が怒りの表情を浮かべ、他の二人も武器を抜刀した。

 

「馬鹿野郎! やめろ!!」

 

「「「っ!?」」」

 しかし、何を思ったのか赤い鎧を着た男性ハンターが仲間を一喝。

「何言っているんだ、アダン!? モンスターを従えている奴らがカリトモニに来ているんだぞ!!」

「幾らモンスターを連れているとはいえ、人に武器を向けるハンターが何処にいやがる!!」

 勿論ハンター全員がライダーを差別している訳ではない事は分かっていたが、擁護してくれた男にリオ達は呆気に取られていた。

「赤い髪にオトモンのリオレウス。多分、お前が『リオ』ってライダーだろ?」

「えっ!? お、おっさん。なんで俺の名前を??」

 どういう訳かその男はライダーに理解を示す所か、リオの名まで知っていたのである。

「『リオ』だって!?」

「あいつの言っていた事、本当だったのかよ……!?」

 その名を聞いた仲間のハンター達は警戒を解き、すぐに武器を納刀した。

 

「リオ。”ビオン”はギルド内にいる! 話してぇならそこにいきなぁ!」

「えっ、『ビオン』!?」

 色々と気になる点が押し寄せてきたが、リオを他所にハンター達は平原の奥へ走っていってしまった。

 

 ……。

 

 一瞬二人は沈黙してしまっていたが、何故男がライダーに理解をしていたかをリオはすぐに察する。

「もしかして、ビオンがライダーの事をハンターに話してくれたのかもしれない!」

「ニャッ、そういう事かぁ! まぁ理解されているならオトモンも入っていい……のか?」

 どんどん息が荒くなっていくレウスを気に掛けたのか、ナビルーもオトモンを街に入れる事に賛成した。

 

    ◇

 

_

【カリトモニ 門前】

「うわーっ!? モンスターだー!?」

「あれがライダーって奴か……?」

 案の定、街に入った途端に近くの人が騒ぎ出す。

「リオ。気にせずにビオンを探すんだゾ」

「ああ、分かっている」

 厳重な護りのカリトモニ。

 本来は小さなモンスターも強大なモンスターも侵入できないであろう街中に、三体もモンスターが。

 しかもその中の一体は実力あるハンターでも狩猟が困難極まるリオレウスなのだから、騒ぎになるのも無理はない。

 

「グォァァァ……!」

 その時、レウスが悲鳴をあげて倒れてしまった。

「レウス、大丈夫か!?」

「そろそろ限界が来たみたいだゼ……! 回復薬が効くといいけどな……」

 紅力化をしてからだいぶ時間は経ったはずだが、レウスの容態は悪化する一方。

 あの覚醒がどれだけ負担が大きいものだったかを物語っている。

 

「おい、お前ら! 今すぐ立ち去れ!!」

 奥から複数のハンターが近づいてきた。

 リオ達は助けを求めようとしたが、中央のレザー装備の男性は怒り顔。

 両脇の甲冑のハンター達の片手には鉄の片手剣。

 明らかに助けてくれるような雰囲気ではない。

 ナビルーがレウスを治療に専念し、リオがハンター達の前に立ちはだかった。

「待ってくれ。こいつらは俺の仲間だ。人を襲ったりはしない!」

 リオがハンター達を説得しようとするが、彼らは警戒の態勢を崩さない。

「そんな事分かっている。オトモンだろ?」

「なら話が早い! 俺の相棒が重傷を負っているから、ギルドの力を借りたいんだ!」

「何を言っているんだ? お前の意思一つで暴れさせられるオトモンなんぞ通せる訳ないだろ?」

 リオがレザー装備のハンターの発言に引っかかった。

「えぇっ、何も分かってないじゃないか! 別に操っている訳でも人を襲う訳でもないって!」

 リオの説得を他所に、ハンターは自身の主張を進める。

「近年。ライダーがオトモンを利用して人を襲う卑劣な事件が起こっており、カリトモニはライダーの出入りを禁じている。即刻去れ!」

「っ!!」

 なんとカリトモニはライダーから被害を受けていたらしく、”ライダーの入場を拒否”していたのだ。

 しかし、引けないのはこちらも同じ。

 一刻も早くレウスを治療しなくてはいけない。

「お願いだ……! このままだとレウスは死んでしまうかもしれない!!」

 

「黙れぇ! 街を脅かすような奴にハンターが手を貸すと思うか!」

「誰かぁ! 早くあのモンスター達をやっつけてぇ!!」

 次第に周りの騒ぎは野次へと変わっていき、どんどんと人が集まってきた。

 ハンター達もリオの助けに応える様子は全くない。

「早くモンスターと共に出ていかないと、貴様もその火竜共も”こいつで裁かれる”事になるぞ?」

「えっ!?」

 それどころか『これが最後の警告』と言わんばかりに、男性は鉄刀を見せつけ銀色の刃が目の前で煌めく。

 

「ニャッ!? なんでハンターが人に武器を!?」

 信じられない光景にナビルーの顔も青ざめていく。

 本来人に武器を向ける事が禁じられているハンターが、自分よりも小さい少年の前で平然と抜刀し、あろう事かその武器で脅してきたのだ。

 

「ウォルター、やめなさい!!」

 

 いきなり怒鳴り声が響き、奥からボーン装備を着た女性が走ってきた。

「なんだ? 街に侵入したライダーを追い出している所だ。邪魔をするな」

「だからって、武器で脅すなんてどうかしているわ! それに……!」

「ぐっ!?」

 女性が三人を強引にどかし、リオに近づき屈んできた。

「うっ、なんだよ!」

「あんたがリオとレウスでしょ? あんた達は特例としてギルドへ入る事を許可されているわ!」

「えっ!?」

「ニャッ!?」

 リオもナビルーもいまいち状況を掴めない。

 ライダーを追い出すハンター達の街で、突然自分達は特例と言われたのだ。

 

 ざわ……ざわ……。

 この街のギルドが一人のライダーを受け入れた事実に、先程非難を浴びせていた人達も狼狽え始める。

 

「おい、どういう事だ」

 “ウォルター”と呼ばれたレザー装備の男性が静かに怒り、それを見た女性はリオを守るように抱きしめて男性を睨む。

「”ギルドマスター”の命令に決まっているでしょ! まさか、あの方の命令に背くんじゃぁないでしょうね!!」

「ちっ、ギルドマスターの命令か。なら見逃してやる。お前ら、行くぞ」

「「お、おう!」」

 男性とその取り巻き達は、ギルドマスターの名を聞くや否やあっさりと退散してしまった。

 

「あっ、あんの野郎。謝りもしないで!」

 立ち去った男性に女性は苛立つが、男達は振り向きもせずに姿を消す。

 女性は覆う被るようにリオを抱きしめ、周りの人に怒号を浴びせる。

「あんた達も寄ってたかって野次を飛ばすなんてみっともない!! この子は見世物じゃないのよ!! とっとと消えなさい!!」

 

「「うっ……」」

「くそったれ、なんなんだよぉ!!」

 

 強い言葉。

 それも街内では位の高い職業のハンターの発言だからなのか、気が大きくなっていたはずの人々の勢いが収まる。

 怯えて黙ってしまった者や納得いかないのか悪態をつく者など反応は様々だったが、すぐにその場を後にした。

 

「あ、ありがとうな。もういいよ」

「おっと、悪いね」

 突然抱かれた事にも驚いたが、その際にハンターの腕っぷしの強さに更に驚かされる。

 少しの抵抗では女性の身体から離れる事ができず、抱きつかれた後に背中がほのかに痛く感じた。

 

    ◇

 

【カリトモニ 中央広場】

 中央に立派な噴水がある大広場。

 相変わらず住人達はモンスターを恐れているが一行は構わずに、女性と共にギルドへ向かう。

 歩きながらリオ達は、”カリトモニに来た理由”を話した。

「紅力化ね……ここでも目撃情報が増えつつあるわ。でも、そのレウスの紅力化は特殊ね。ギルドでも解決できる人がいるかどうか……」

 ハンター内でも紅力化は知られているらしいが、やはりレウスの紅力化は前例の無いものらしい。

「じゃあ、ギルドでもレウスを治せるか分からないのか……」

「リオ、まだ諦めるのはまだ早いゾ。とりあえずギルドへ向かうんだ!」

 

【カリトモニギルド内】

 大きな出入り口もすぐに通してくれ、リオ達はようやくギルドの中へ入れる。

 華やかな模様の絨毯が敷かれた廊下を進んでいく。

 

「おい、見ろよ。あいつが新米ハンターが言っていたライダーだ」

「本当にモンスターを操っているのか……?」

 中には甲冑やモンスター素材に覆われた鎧を来たハンター達が何人もいて、いずれも警戒の目線を向けていた。

 もしここで何か問題を起こしたらただでは済まないのは、火を見るより明らか。

 一応リオはオトモン達が興奮しないように常になだめ続けている。

 

 しばらく進むと、一つのドアが。

「ここにギルドマスターがいるわ。行くわよ」

「オトモン達は通れそうにないから、ここで待たせるしかないか……。皆、ここは安全な場所だから落ち着いて待ってろよ?」

「「「グァァ」」」

 リオは冷静を保っているオトモン達をドアの前で待たせ、ギルド内一番奥の部屋へ入る。

 

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【カリトモニギルド 会議室】

 

「リオ!! ナビルー!!」

 

 ドアを開けた瞬間、”かけがえのない親友”が出迎えてくれた。

 

【挿絵表示】

 

「ビオン、ハンターになれたんだな!」

「グスッ、会いたかったゼ……」

 会議室には立派に成長したビオンの姿が。

 別れる前は質素なレザー装備を着ていたが、今は鉄と皮の立派な防具に変わっている。

「イルザ、二人を連れてきてくれたのか!」

「街の入り口近くで『リオレウスを連れたライダーが来た』って騒がれていてさ。前から言っていたあんたの仲間の事だって気付いたんだよ」

 どうやらボーン装備の女性ハンターの名前は”イルザ”という名前らしい。

 

「紹介するよ。こいつはイルザ。俺の狩り仲間になってくれたハンターだ」

「イルザ、さっきは庇ってくれてありがとう!」

 リオは庇ってくれたイルザに感謝した。

「ギルドマスターの命令に従っただけで、大した事はしていないわ。ビオンの仲間ならまぁ信頼できるしね」

 やはりビオンは街でライダーの話をしていたらしく、仲間ハンターのイルザはライダーが危険な者ばかりではないと知っていたようだ。

 

「感動の再会の所を悪いが、まずお主達と話をさせてはくれぬか?」

「えっ?」

 ビオンに夢中で気が付かなかったが、奥のイスにレスフと同じくらい小柄な老人が座っていた。

 耳が尖った竜人族で赤と青の豪華なローブを羽織っている。

「リオ、ナビルー。こちらがこのカリトモニの最高責任者である”ギルドマスターのオスカー”様だ」

「まずはこっちに近うよれ」

 オスカーはとても肝が座っており、ライダーを前にしても警戒する様子は一切ない。

 

    ◇

 

 リオは今までの出来事を話した。

「ジンオウガが紅力化したか……。向かわせた者は高位のハンターじゃが、念の為に支給品を追加させよう。イルザよ、悪いが物質班に伝えてくれ」

「はい!」

 命令に応えたイルザが急いで部屋を出ていった。

 

「では、お主らのオトモン達を一旦檻の中へ預けてくれんだろうか? 診察している間に情報を交換しよう」

「わ、分かりました」

 オスカーはリオの表情に気づき、安心にさせるよう補足を加える。

「無論、危害を加える真似は絶対せんと誓う。そうじゃな……心配そうじゃから一緒に檻の所へ行き、そこで話し合おうかの」

 彼の気遣いにリオが少し驚く。

 先程のハンター達の手荒い対応もあり、“一緒に立ち会わないと不安だ”と思ったのだが、オスカーはそれの感情をすぐに見抜いたのだ。

 

【カリトモニギルド モンスター用檻】

 リオのドスランポス、アンジャナフ、レウスが各々広い檻に入れられた。

 レウスの周りにはモンスターの体質に詳しい研究員達が、身体を慎重に調べている。

「ビオン、この檻の施設は本来何に使っているんだ?」

「ハンターが罠と麻酔で捕獲したモンスターを入れ眠っている内に身体を調査したり、闘技場へ送るモンスター用の檻だな」

 『闘技場』。

 てっきりリオは”ここはモンスター狩猟の管理をする施設”だと思っていたが、何かを競う場とも繋がりがあるらしい。

 それに単にハンターとは言っても狩るだけではなく、捕獲の任務を遂行する時があるようだ。

「闘技場って?」

「ああ、それはまた後でな……。それよりも話したい事あるんだろ?」

 気になったリオが質問をするが、ビオンは顔を曇らせて誤魔化す。

 何か言いづらい事情があると察したリオはそれ以上は触れず、情報交換に応じた。

 

    ◇

 

 ……。

 

 リオとナビルー、ビオンとオスカーがテーブルを囲んで話し合う。

「ふむぅ、紅力化したモンスターは『決まって絆原石の付近にいる』『その絆原石と周辺は紅い光に覆われている』とな……」

 オスカーは環境を調査した隊員の報告により『各地に謎の巨大宝石がある』と知らされていたが、それがライダーに深く関わる絆原石とは知らなかったようだ。

 リオが紅力のモンスターの特徴を話し続ける。

「はい。そして、紅く染まったモンスターは必要以上にエネルギーを取ろうとするんです。リオレイアが畑の野菜まで食い荒らし、ティガレックスは自分の巣のタマゴを食べたり……」

 リオの報告にビオンが考え込む。

「確かに。リオレイアは肉食だから野菜を食うなんてありえないし、ティガレックスも本来は死守すべきタマゴを食うのは不自然だよな」

 

「報告、感謝するぞ。確かそちのナビルーとやらも自分の住む地方で紅力化の被害に会ったとな」

「そうだゼ。そしてこの大陸に伝説のライダーがいると聞いてやってきて、色々あってリオと旅する事になったんだゾ」

「ふむぅ………………」

 ナビルーの話を聞いたオスカーが急に言葉に詰まる。

「ニャッ? どうしたのだ??」

「いやのう。わしらが思っている以上に紅力化の規模は大きいようで、今じゃ”確認されている地方全て”で紅力化が確認され、各地の凄腕のハンター達ですら歯が立たない状況らしいのじゃ」

「「「!?」」」

 紅力化現象はナビルーが住んでいた地方やここの大陸だけでなく、全世界で確認されている災害のようだ。

 全世界の人のみならず、モンスター達も多大な被害を受けているのだろう。

「……迷っていたが、これははっきりと言った方が良いじゃろうな」

 オスカーが重く口を開き、とある質問をリオ達へ投げかけた。

_

 

「突然じゃが、お主らは”古龍種”という種族を知っておるじゃろうか?」

 

 聞き慣れぬ種族名にリオとビオンは首を傾げた。

「『古龍種』? 知らないけど……」

「オスカー様、ハンターである俺でも初めて聞く種族ですが……?」

 

「ニャッ……!?」

 そんな中、顔を青くしたナビルーの頭から大量の汗が流れる。

 リオは様子のおかしいナビルーに動揺しながらも、いつものように彼に聞いた。

「ナビルー、その古龍種って奴を知っているのか?」

「ああ……。古龍は”災害を自在に操り、並の大型竜を遥かに超える強さを持つ種族”だゼ……!」

「えっ、災害を!?」

「はぁ??」

 リオもビオンもいまいち話を飲み込めない。

「リオ。エムス山で山を包み込んだ巨大嵐を見たよな? あの規模の嵐が一瞬で現れ一瞬で消えるのは自然ではありえないと思うし、アレは”鋼龍クシャルダオラ”の仕業で間違いないゼ……」

「「!!??」」

 リオとビオンにとって、ナビルーから語られた話はとても衝撃的な話だった。

 今までもリオレイアやティガレックスなど強力なモンスターに出会ってきたが、それらはあくまで自然を生き抜いている一生物に過ぎない。

 しかしナビルーが語る古龍は、”その地帯一帯に影響を与える程の災害を起こす”という生物として信じがたい能力を持っていると言うのだ。

「冗談だろ!? 本当にそんな規模の災害を起こすモンスターなんているのか!?」

 話を聞く限りでは生物というよりは、神話に出てくる呪文を扱う魔物のような印象を受ける。

 狩りを通じてモンスターとはなんたるかをよく知ったビオンは、すぐに信じようとはしない。

 続けてオスカーが淡々と話を続ける。

「お主はまだ新米のハンターだから、知らぬのも無理はない。『そんなモンスター』が本当にいるんじゃよ」

 オスカーは一呼吸をした後に紅力化の話題に戻る。

 

 

「そして全世界の自然や生き物を襲い、生態系を著しく破壊する紅力化現象は”古龍の能力”によるものと見て間違いないだろう」

 

 

「グヌヌゥ。や、やっぱり今回も古龍が絡んでくるかぁ……。コレはヤバすぎるゼ……」

 ようやくリオがナビルーが嵐に対して深く追求しなかった理由を察した。

「もしかして。ニウェス村の宴会の時に嵐の正体について話さなかったのって、周りを騒がせない為か?」

「そうだゼ。地域によってはお伽話として伝わっているだけなんて事もある幻の種族だから、混乱させないようにな……。オレは前の相棒と旅している時に何度か会ったから、知っていたけど」

 勿論リオとビオンはスモス村での一件で、紅力化が只事でない厄災と十分感じていた。

 が、まさかその恐ろしい紅力化が世界中で発生していて、その厄災の元凶が一モンスターの可能性があるとは。

 いきなりスケールの大きい話になってしまい、二人は愕然するしかなかった。

 

 一旦紅力化の話の区切りが付き、オスカーはリオから聞いた謎のライダー達の話題に変える。

「お主らを襲った黒い絆石を持つ謎のライダー集団。そやつらは各地で人を襲っていた”龍覇軍”を名乗る集団の一部だろうな」

「「「龍覇軍?」」」

 これまで何度も遭遇した謎のライダー達の組織名がようやく明らかに。

 

「奴らは以前から密猟やタマゴ泥棒など悪事を働いていたが、近年は更に過激化し幾多の村が壊滅に追いやられておる」

 やはり謎のライダーもとい龍覇軍はハンター側にも被害が及んでいるらしい。

「俺もスモス村とかライダーの事を理解してもらおうと仲間達に話していたが、龍覇軍の影響が大きすぎるな。まだまだハンターとライダーの溝は深いようで、イルザみたいに偏見をやめたハンターはごく一部さ」

 ビオンの語りによってハンターとライダーの関係は良くなると思いきや、龍覇軍らの暴挙のせいで大した効果は見られなかった。

「ニャーッ! アイツらのせいで余計にライダーの風当たりが強かったのかよ!! 本当にライダーの風上にも置けないヤツらだゼ!!」

 それを聞いたナビルーが牙を剥いて怒る。

 過去の経験からライダーやオトモンとの絆を重んじる彼にとって、龍覇軍は不愉快な事この上ないのだろう。

 

「龍覇軍は俺とビオンの村を襲った時もタマゴやオトモンを奪おうとしました。あいつらの目的は分かっていますか?」

「それについては分からんのう……」

 リオの質問にオスカーは首を横に振る。

「しかし、わしが思うに奴らはタマゴに執着し悪事を働く事が多い。ただ人から物を奪い生活している賊ではないじゃろうな」

 残念ながら龍覇軍の目的までは分からなかったが、モンスターのタマゴ集めがメインの活動のようだ。

 

「さて……これからお主らはどうするつもりじゃ? 古龍が関わっているであろう紅力化に、過激な勢力の龍覇軍。非常に危険な旅になると思われるが?」

「勿論、続けるよ!」

 リオの発言を聞き、突然オスカーの目つきが鋭くなる。

「……本気かの? 相手は全生態系を脅かす大厄災。古龍は英雄扱いされた幾多のハンターらを死へ追いやった化け物じゃ。生半可な覚悟では触れてはいかんものじゃが?」

 オスカーの言葉は重い。

 その声色は決して挑発や冗談などではなく、実際に人の死を何度も見てきた故の警告と分かる。

 

 しかし、リオに迷いは全くなかった。

「はい、俺は皆を襲う紅力化を止めたい!」

 考えずに行動し痛手を負ったスモス村の時とは違う真剣な目。

 リオは旅の初めてから”二度とあのような悪夢を繰り返させはしない”と心に強く決めていたのだ。

 

 その覚悟が嘘ではないと感じたオスカーは険しい顔を解き、紅力化の情報を教えてくれた。

「では教えよう。ここから北西方面に”コクウン沼地”という地があるが、例のジンオウガは元々そこの主じゃった。人もモンスターも襲う厄介者じゃったが、”何者かとの縄張り争いに敗北”し、この草原まで尻尾を巻いて逃げてきたらしい」

 話を一通り聞いたナビルーはすぐにオスカーの言いたい事を察する。

「ニャッ、ジンオウガを負かすって強いモンスターじゃないか! まさか沼地に何かいるのか?」

「鋭いの。普段は沼地深部に住む危険なモンスター達が次々と人里近くへ降りたり、沼地から逃げるように移動しておる。明らかに今の沼地の生態は異常じゃから、そこを調べるとよいだろう」

「リオとナビルー。悪いが俺はカリトモニ所属のハンターとしてここを簡単には離れる事が出来ない。お前の旅に着いていけないから、クエストを通じて俺なりに調べていくよ」

「ああ、分かった」

 せっかくビオンと再会できたが、残念ながら共に旅する事は叶わないようだ。

 ビオンの健闘を祈りつつ、いつも通りリオとナビルーとオトモン達の形式で旅をする事になる。

 沼地へ出発する準備をしようとしたその時。

 

「大変です!! ギルドマスター!!」

 

 イルザが走って戻ってきた。

 かなり慌てているようで走っている時に身体は蹌踉めき揺れ、胸を大きく動かし荒い息を吐き続けている。

「なんじゃ? そんなに慌てて」

「ハァッ……ハァン……!! アダン達が、紅力化ジンオウガの狩猟に失敗しました!!」

「「「えっ!?」」」

 三人もオスカーもただならぬ事態に目が見開く。

「なんと!! あのアダンがクエスト失敗とな!?」

 

 その報告を聞いたビオンが青ざめる。

「イルザ、師匠の容態は!?」

「えっ、ビオン? 今なんて言った……?」

 確かアダンはカリトモニの門前で出会い、そのまま出撃した赤い鎧のハンターの名前。

 なんとあの男性がビオンの師匠なのだろうか。

「四人共死んではないわ。でも師匠は仲間を庇ったらしく、立つ事もできないみたいで……!」

「お主達。話は一旦終わりじゃ! 治療室へ行くぞ!」

 部下が負傷したと聞き、居ても立っても居られないオスカーが椅子から降りる。

「はい! 行こう、ナビルー!」

「オ、オウッ!」

 

    ◇

 

_

【カリトモニ 治療室】

 

「師匠ーーっ!!」

 

 勢いよく扉が開いたビオンが室内へ飛び出す。

 室内には装備を外され包帯だらけのアダンと仲間達がベッドの上に横たわっていた。

 スキンヘッドのアダンの頭の一部は赤く染まっており、あちこちに電気による焦げ痕が見られる。

「ビオンか……心配すんな……。医者の処置のお陰でなんとかなるぜ……」

「はぁっ……はぁっ……良かったぁ……!!」

 師弟のやりとりを後ろから見ていたリオだが、涙を流すビオンを見て目を大きく開く。

 今まで泣くどころか滅多に弱音を吐かなかったビオンがここまで泣き崩れるなんて。

 その男性はビオンにとってかけがえのない存在なのだろう。

 

    ◇

 

「ぷはぁっ!! がはぁ!!」

 

 あの後、アダン達は医者が持ってきた緑色の液体をかけられた。

「ナビルー。あの緑の液は何?」

「回復ミツムシっていう蜂が持っている蜜だな。浴びるだけで回復薬を飲んだ時みたいに傷が塞がるゾ!」

「それもより高濃度の蜜を持つ大回復ミツムシのものを使ったのじゃ。まさかこれを使う事になるとはな」

 紅力化ジンオウガに負わされた傷は相当深かったらしく、緊急処置として大回復ミツムシの蜜が使用された。

「う、うぅ〜ん……」

 蜜の効果は凄まじく、なんと石のように動かなかった彼らが上体を起こせるまでに回復。

 逆に言えばその緊急用の薬を使わなければいけない程、紅力化ジンオウガの攻撃が強かったという事。

 改めて紅力化モンスターの危険度の高さを再認識させられる。

 

 意識を取り戻したアダンがようやくビオン以外の人物に気づいた。

「リオか、また会ったな。さっき聞いたと思うが、俺はビオンの師匠の”アダン”だ」

 門でアダンに会ったときは顔以外は黒い兜に守られていた。

 その兜の装飾に隠れて気が付かなかったが、アダンの頭はスキンヘッドであり、リオはある話を思い出した。

「ビオン。アダンってずっと前にビオンを助けたおっさんハンターか?」

「そうだ。俺がスモス村を出てカリトモニに行った時に偶然再会してな」

 

「はっはっはっ、あの時は『おじさん』と言われてムカついちまったけど、もう反論できない歳になっちまったなぁ……」

 過去を思い出しアダンは苦笑いする。

「今まで本当に強ぇ奴しか弟子に入れなかったんだが、こいつとイルザはいつまでも折れなくてな。そのガッツに期待して特別に入れてやったんだ」

「あっ、そうだ師匠。それよりもジンオウガの話を……」

 ビオンがアダンのおしゃべりを慌てて止めた。

 さっきまで重傷だったアダンだが、ついついおしゃべりしてしまう程に余裕を見せている。

 

    ◇

 

「アダン師匠はこのカリトモニ内でかなり高名のハンターでな。ティガレックスやジンオウガをよく狩る大ベテランなんだ」

「いやぁ照れるぜ。まぁだからこそ油断しちまってたな。あの紅いジンオウガは攻めも守りも速さも別格で、本気を出してもまるで歯が立たねぇ。あんな強えジンオウガは初めて見たぜ」

 狩猟地の頂点やそれに匹敵するモンスター達を狩ってきたアダンですら、紅力化ジンオウガには全く敵わなかったとのこと。

「アダンのおっさん、紅力化したジンオウガはどこに行ったか分かるか?」

 リオの質問に彼は悔しそうな顔をして首を振った。

「わりぃ、俺達は力尽きていたから、どこにいるか……。救助隊が来た時にはジンオウガが何処かへ行っちまっていたらしい」

 

 リオはしばらく考え込んだ後、先程話し合っていた者達に口を開く。

「ナビルー、ビオン、オスカーさん。やっぱり沼地にはまだ行けない。あのジンオウガをなんとかしなきゃ、カリトモニの人が安心して暮らせないよ」

 オスカーが目を丸くして驚いた。

「良いのか、リオよ? ここのハンターの一部はライダーを嫌っているのは知っているはず。そもそも、お主達は一刻も早く次の地で紅力化の原因を調べなければいかんのでは?」

 

「確かに俺達の目的は紅力化を止める事だけど、同時に人を守る事も目標なんだ。俺はこれ以上紅力化の犠牲者を増やしたくない!」

 リオの硬い決意にナビルーも湧き上がる。

「さっすが〜! オマエならそういってくれると思ったゼ! それにあのジンオウガが何か紅力化に関連するヒントを持っているかもしれないしな。今回もこの地を調査してから次の地帯に進む方針になりそうだ」

 二人は本気で紅力化ジンオウガに挑むつもりだ。

「すまないな……リオ、ナビルー。俺が早く一流のハンターになってれば多少はマシになってたかもしれないのに」

「ビオン、気にしないで」

 

 その覚悟を見たオスカーが突然帽子を取って一礼した。

「まさかそこまでしてくれるとは、恩に着るぞ。そしてリオ達よ、今までの無礼を謝罪させてほしい」

「ニャ? 『今まで無礼』って街のハンターの事か。別にオスカーさんは悪くないんだしさ……」

 

「いや、ハンター集うギルドのマスターとして謝る必要がある。……それに、ビオンやお主らに出会うまでわしも心の中では『ライダーは信用できぬ相手』だと思っていた。どうか、愚かだったわしを許しておくれ……」

 大規模なギルドのトップが、プライドを捨ててまで深々と頭を下げている。

 ライダーであるリオ達もハンターであるビオン達も、その姿に動揺してしまう。

「オスカーさん、もう大丈夫だよっ!」

「……うむ。では調査する為に、クエストを受けられるよう登録する準備じゃ。わしは集会所で待っておるから、アイテムの売り買いを済ませてくれ」

「ニャ!! クエストって本当はハンターしか受けれないけど良いのか?」

「紅力化を解決したいのはお主らもわしらも同じじゃから、特別に手配しよう。イルザはここに残って看病し、ビオンはリオと共に来てほしい」

「「「はい!」」」

 

    ◇

 

_

【カリトモニ バザール】

 クエストの準備をすべくリオとナビルーは、絶えず人集りができるというカリトモニバザールへ足を運んだ。

 リオは集めたモンスター素材で装備を作ろうと加工屋へ行き、その待ち時間にナビルーはアイテムを購入している。

「え〜っと回復薬が五個、砥石が三個、元気ドリンコが二個、マヒケ紙が二枚でいいね?」

「おう!」

 雑貨を売る屋台でアイテムを補充。

 新たに見るマヒケ紙という貼り薬はすぐに麻痺を治す効果がある。

 神経そのものを回復させる成分によって麻痺毒と感電のどちらにも有効なので、ナビルーはジンオウガの雷による痺れの対策として購入。

 これで戦闘体勢も万全だが、今回の買い物でレスフ村長から貰った資金はほぼ底尽きてしまった。

「ニャ〜ア。本当はギルドーナツも買いたかったんだけどな〜。てか、リオのヤツ遅いな?」

 

    ◇

 

「じゃ〜ん! どうだ?」

「すごい良いじゃない!」

 屋台から離れた途端、ナビルーは奇妙なカップルが謎の建物から出て来る所を見た。

 

「ニャッ!? あの髪型は!?」

 なんと男性はリオと全く同じリオレウスの頭部を模した髪型”レウススパイキー”。

 女性の方はレウススパイキーと細部が丸みがあり滑らかな髪型”レイアカット”をセットしていた。

 色も本物のリオレウスとリオレイアそっくり。

 

「おや? あんた、俺達の美しい髪に見惚れたのかい??」

 二人はノリ良くナビルーに話しかけてきた。

「ア、イヤ、違うけど……。そっちの髪型が、オレの相棒とそっくりでビックリしちゃったんだよ」

「へーっ、お前の相棒も”ヘアサロン モンスターヘッド”に通ってんだな」

「ニャッ。モ、『モンスターヘッド』ってなんだ??」

「あなたも”モンスターヘア”にしてみたら? 今全世界で大流行中なのよ! ウィッグもあるから短毛のアイルーでもおしゃれできるわ!!」

「ア、アー……今はお金無いからいいかな〜〜(奇抜すぎるし……)」

 

「そりゃ残念。ハニー、行こうぜ!」

「そうね!」

 

 ……。

 

「どうなっているのだ?? “リオに似た髪型の奴に話しかけられた”と思ったら、そいつ曰く『リオは理髪店に通っている』??」

 ナビルーは違和感を感じた。

 確かにリオは先程の男性と瓜二つの髪型だった。

 しかし少なくともナビルーと一緒にいる時は一度もそんな店に行った事がないし、例の髪型は毎朝自分でセットしていたものだった。

 

「ナビルー!」

 ナビルーがしっかり吟味して購入し終えた頃に、ようやくリオが戻ってきた。

 しかし姿は背中に折れたアイアンソード、防具は赤と黒のライダー装備。

 特に変わっている様子は見られない。

「アレ、装備を新しくするんじゃなかったのかよ?」

「それがさぁ。『加工費用が足りない』って言われて無理だったんだよ。だから素材は売ってお金にした」

 装備は新調されていないが、代わりにリオの右手には大きく膨れた財布が。

 確かに以前からゼニーに困っていたのは事実。

 しかし、折れた武器と通常の皮で出来たライダー装備でクエストに挑むのは、かなりの勇気がいる。

「エ〜ッ!? これからクエストに行くのにそれで大丈夫かよ!?」

「そこはオトモンになんとかカバーしてもらうよ。素材を沢山持ち込んだらライド中に負担になるし、お金に変えちゃっていいと思う」

 『一体いつになったら装備を強化するのか』。

 ナビルーの不安は消えないままだが、現状はどうしようもないので再び素材入手に賭けるしかない。

「……てかリオ。確かに色んなモンスター狩ったけど、そんな高く売れたのか?」

「うん、リオレイアとティガレックスの素材に至っては『ここまで質の良い素材は初めて見た』って買取の人も驚いていたよ」

 どちらも紅力化していたモンスター。

 食事など過剰にエネルギーを取っていた影響なのか、通常の個体よりも鱗は厚く爪は鋭くなっており高い値段で売却できたらしい。

 

「……あっ、そうそうリオ!? お前って理髪店に通っていたのか!?」

「……えっ? いきなり何言っているんだ??」

「実はさ……」

 

 ……。

 

 ナビルーは先程の髪の話をした。

「記憶は失っているけど、このレウスに似た髪型は毎朝の癖でセットしているんだ」

「そうだったのか!? もしかしたら、この店に入れば記憶を取り戻せるかもしれないゾ!! ほら、早く!」

「う、うわ〜! 引っ張るなよ!!」

 

    ◇

 

_

【ヘアサロン”モンスターヘッド”】

 心地の良いドアベルの音共に二人は理髪店に入る。

 中には様々なモンスターをイメージしたウィッグが並んでいてとても派手。

「本当だ! 俺の髪と同じものがある!」

 すると、奥からエプロンを着た美容師アイルーが寄ってきた。

「”ヘアサロン モンスターヘッド”へいらっしゃいませニャ〜! 二名様で?」

「ア、違うんだ美容師さん。いきなりだけどさ……」

 ナビルーがリオを指差しながら事情を話した。

 

 ……。

 

「ニャッ〜〜? 確かにその髪はミーが考案したレウススパイキーですが、リオさんはこの店に来るのは初めてだと思いますニャ」

「ア、アレ??」

 ナビルーはリオが毎朝意識せずセットしていた髪型がこの店にあるのだから、記憶を失う前の彼を知っている者がいると踏んでいた。

 しかし、残念ながらここに記憶の手掛かりはない様子。

「ミーには沢山弟子がいましてねぇ。モンスターヘッドはここだけでなく色んな場所で展開しておりますニャ。もしかしたら、リオさんは他の店舗を利用していたのかもしれませんニャ」

 

「グヌヌ、そうかぁ。ワルいな。ひやかしちゃったみたいでさ」

「ノープロブレム! 気にしないでニャ♪」

 思い込みで走ってしまった事をナビルーが謝るが、美容師アイルーは笑顔で許してくれた。

 

「なぁ、ナビルー。そろそろクエストの時間だから急がなきゃ……」

 リオが店が出る時、美容師アイルーが一つの質問をした。

「待ってニャ。リオさんはこれからどちらへ?」

「ああ、俺はクエストで”アーバ森林”へ行って生態系の調査をするんだ」

 

「あ〜、あの森ですかぁ……。最近は凶暴なモンスターばかりと聞きますから、どうかお気をつけてニャ」

「うん、ありがとう!」

 

    ◇

 

_

【カリトモニ モンスター用檻】

 買い物を済ませたリオ達はオトモンを連れて行くべく檻へ向かったのだが……。

「グァァ!!」

「レウス!」

「おお! 完全に回復しているゾ!」

 なんとあれだけ苦しんでいたレウスがいつものように笑顔を振る舞って翼を羽ばたかせていた。

 リオはギルド所属の研究員達に走って近寄る。

「治してくれてありがとう!」

「いえいえ、私はオスカー様の指示に従っただけですよ」

 

「え〜、容態が悪くなっていたのは特殊な病気などではないですね。レウスは貴方が言っていた紅力化による力の暴走によって、体力とスタミナが著しく低下していたようです」

 そして、研究員は懐から赤い袋と書物を渡してきた。

 その袋の中には三個の小さい丸薬があり、書物には調合レシピが書かれている。

「ニャッ、“いしにえの秘薬”と調合書!! こんな良いモノ貰っていいのか?」

「ナビルー、『いにしえの秘薬』って?」

「いにしえの秘薬は限られたハンターにしか調合レシピを知られてない特別な薬だゼ。古から伝わる調合法で作れて、飲めば体力とスタミナを一気に全回復できる!」

 

「ナビルーさん、詳しいのですね。もしまたレウスが紅力化しても、いにしえの秘薬を使えば大丈夫かと。様々なアイテムの製造法が書かれている調合書も一応渡しておきますね」

「ニャーッ、研究員さん太っ腹! にしても、いにしえの秘薬を使わないといけないなんてな……」

 今まで受けた傷は大体は回復薬でなんとかなっていたが、紅力化の反動はハンター界で最も優れた薬を服用しないと回復できない程の消耗らしい。

 

「いにしえの秘薬の数には限度があるし、レウスの紅力化も解決しなきゃな。これからの旅で何か手掛かりがあればいいけど」

 とりあえず無事だったレウスにリオは心の底から安心した。

 が、これからは紅力化現象の解決だけでなく、レウスの紅力化の反動の問題も解決しなくてはいけない。

「レウス、動けるか?」

「グァァ!」

 レウスは今までの分を取り返そうとやる気を見せている。

「よし、クエストは三体のオトモンで行こう!」

「うんうん。戦力は多いに越した事はないゼ」

 二人はレウスとドスランポスとアンジャナフを連れ、ビオンとオスカーが待っている集会所へ向かった。

 

【カリトモニ 集会所】

 カリトモニ内の一際大きな建物の中へ案内された。

 中はクエストを受ける受付と酒場が合わさったハンターの集会所となっており、沢山のハンターが手続きを済ませたり、木製コップで酒を交わしていた。

「ん、ギルドマスター?」

「おい。隣のガキって例のライダーじゃんか!?」

 しかし、賑やかな空気はオスカーとリオ達が来た瞬間に変わってしまう。

「皆の者。今日からリオ一行が紅力化の調査へ協力する事となった。こやつらは数少ない我々ハンターを理解しているライダー。くれぐれも無礼のないようにな」

 オスカーがまた問題を起こさぬよう釘を刺してくれた。

 警戒こそ解かないが、流石にギルドマスターの前ではライダーに反発する者はいない。

「では、わしは仕事を再会しに会議室へ戻る。ビオン、リオ達を頼んだぞ」

「はい!」

「オーウ!」

「オスカー様、お任せください!」

 オスカーがドアを開けて出て行った後も、まだ緊迫した空気が漂う。

 リオが受付嬢の待つカウンターへ行く時、警戒し睨むハンターに逆に無駄に関わらないよう目線を逸らし避けようとするハンターと、様々な反応を見せている。

 リオはそれらを気にせずにメイド服を着た受付嬢に話しかけた。

「こんにちは。紅力化調査のクエストを受けに来たよ」

「え、協力してくれるライダーって子供だったの?? 大丈夫?」

 隣の受付嬢が慌てて口を挟む。

「ちょっと失礼よ! オスカー様が認めたんだから大丈夫に決まっているわ」

 リオは移動中にオスカーから貰った特別許可チケットをカウンターに置いた。

 このチケットはギルドマスターから認められた者に渡される紙で、下級のハンターやハンターですらない者にも高いランクのクエストを受注できる権利が与えられるらしい。

「た、確かに確認しました。では、この”紅い森林”を受注を許可します! 内容は森林地帯のモンスター激減の原因と紅力化モンスターがいないかの調査。狩猟地はアーバ森林ですね。すぐに手続きをしますので、あちらへ!」

 リオ達は受付嬢の指す方向の出入り口へ向かう。

 

 出入り口の外にはアプトノスが繋がれた馬車があり、二匹のアイルーが地図で目的地の確認や支給品を馬車へ積んでいる。

 この馬車はクエストを受注したハンターが、現地へ向かう為の馬車らしい。

 

「あ、リオさん。もうすぐ出発しますニャ。準備オーケーニャ?」

「ああ!」

 手続きが終わり、リオ達は馬車に乗る。

「では、現地へ出発しますニャ〜。リオのオトモン達もついてきてニャ〜」

 

「リオ。初のクエスト、成功させようゼ!」

「よーし! 行くぞー!!」

 

 続く

 

_

●今回のおまけ

 

【挿絵表示】

 

ビオン

年齢:二十歳

性別:男

職業:ハンター

容姿:焦茶色の髪の一つ結び。黒い瞳。

好きなもの:ハンター、こんがり肉、ギルドーナツ、スモス村

 

スモス村出身のハンター。穏やかでしっかりした性格で、自然を愛する逞しい青年。

過去に村の外へ出た時にハンターに助けて貰って以来、ライダーの村の者でありながらハンターに憧れを抱き、ハンターとライダーの対立を無くそうとしている。

 

ハンターになる夢はレスフや村人達から猛反対されていたが、スモス村が襲撃された後は村を襲った厄災を調査させる為にハンターになる事を許可された。

 

リオがハンター集うギルド”カリトモニ”に来た時は立派な装備を持つハンターとなっており、昔助けてくれたアダンの弟子になっていた。

ハンター歴がまだ浅いにも関わらず、『周りのハンター以上の活躍を見せ、早くもギルドから一目置かれている』とアダンは自慢げに語っている。

 

◯武器

 

【挿絵表示】

 

⚪︎アギト(大剣)

「伝統的なつくりの骨大剣。肉を喰らう獣の顎を連想させる外見から、アギトの名を冠する。」

 ハンターを目指すビオンの為に、スモス村のライダー達が狩ったモンスターの骨で作ってくれた大剣。

 

◯防具

⚪︎ビオン装備

「ハンターの代表的な防具を改造した装備。硬い鋼と軽い皮が柔軟な戦い方を可能にする。」

 駆け出しとは思えぬ活躍を見せるビオンに期待をしたアダンが、加工屋に特注しプレゼントした防具。

 

 

【挿絵表示】

 

ドスジャギィ

別名:狗竜

種族:鳥竜種

レア度:★2

属性・状態異常:無属性

主な生息地:森林、砂漠、洞窟

とかげのような頭と襟巻き、地から浮いた小さい前脚としっかりと身体を支える大きな後ろ脚、太めの尻尾を持つ薄紫色の中型鳥竜種。

 

噛みつきやタックルや尻尾薙ぎと近接戦を仕掛ける雄のジャギィ族のリーダー。

小型モンスターに分類される二種類の部下がおり、とても小柄な雄のジャギィにそれより一回り大きい雌のジャギィノスと連携して獲物を狩る。

 

群れの雄は位が低く満足に餌を食べれない為に小柄で、しかもしばらくすると群れを離れて生活しなくてはならず、ドスジャギィは厳しい自然を生き抜き群れのリーダーへ返り咲いた強き雄である。

オトモンでもしっかり者な点は変わらず、初期オトモンとして新米ライダーを引っ張らせる村も多い。

野生個体は部下が萎縮する程に怒って冷静さを失いやられる事も多いが、それもオトモンでも同じなので、そこで新米ライダーはオトモンの怒りをどう如何にコントロールするかを求められるのだ。

 

◯主な技

⚪︎ブレイクアタック

一気に接近し噛みつき、敵の守りを崩す技。

 

⚪︎ジャギィコンボ・速

速い噛みつき攻撃。その速さは技の出が遅れがちなパワー攻撃の上を取れる。

 

⚪︎ジャギィコンボ・技

意表を突く尻尾薙ぎ。その技術はスピード攻撃を牽制しやすい。

 

⚪︎ジャギィコンボ・力

パワフルなタックル。その力はテクニックで惑わす攻撃も弾き押し返す。

 

◯絆技

⚪︎ドストライク

駈けながら雄叫びをあげ、どこからか現れたジャギィ達と共に敵に接近。

そしてリーダーも部下も大ジャンプし、空から踏み潰し攻撃を繰り出し敵に大ダメージを与える。

 

オトモンのドスジャギィでもリーダーとしてのカリスマがあるのか、『知らぬ間に相棒に部下が出来ていた』とドスジャギィのライダー達は語る。

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