当作品は基本遅めの更新となっていましたが、今回から策として
⚫︎毎回必ずあった今回のおまけでのモンスターやキャラクター説明の作成の一部を休む回を作る
⚫︎ストーリー中の挿絵も毎回必ず用意は用意せず、必要な場面のみ作成する
事にしました。
もしかしたら挿絵を楽しみにしてくださった方もいるかもしれませんが、投稿ペース改善とモチベーション維持の為にご理解の程よろしくお願いします。また、完全に廃止する訳ではございません。
改めまして去年「モンスターハンターストーリーズ 紅玉の絆石」を読んでくださった閲覧者に感謝いたします!
モチベーションが続く限り投稿しストーリー完結を目指したいと思っておりますので、今年もどうか当作品をよろしくお願いします!
少し長くなってしまいました。第十四話本編をどうぞ!
【あらすじ】
ハンターズギルド”カリトモニ”と協力し、アーバ森林を調査するリオ一行。
絆原石がある紅いエリアを発見し、そこでネルスキュラと紅力化したゲリョスと交戦。
危なげなく勝利したかに見えたが、ゲリョスは死んだふりしており不意打ちを受けそうに。
しかし謎の少女ライダーとリオレイアに助けられ、更に少女は『リオが王国の王子である』と発言。
リオ達は少女に王国まで案内してもらい、”ブレ国王”に出会う。
ブレは記憶を失っていたリオの為に”過去に王国で何があったか”を語ってくれた。
_
第十四話 一対の王族
【飛竜王国ヘリオス ヘリオス城 玉座の間】
飛竜王国ヘリオスの国王であり、リオの父でもあるブレ。
彼の口から遂に”過去の出来事”が語られる。
◆
恵まれた自然を持つ我々の地”竜大陸”。
竜大陸は『大自然の地』であると共に『大厄災の地』とも呼ばれている。
理由は数百年単位の周期で現れる強大な龍。
古き記録によると『龍の名は”キア・オーン”。生きとし生ける者を狂わせ、一度繁栄極めた自然を更地にする恐ろしい存在。キアが放つ力に飲まれた者は皆等しく死ぬ事から”死の核”とも呼ばれている』。
五十五年前。リオの曾祖父”ダリン”は相棒の”先代のレウス”や戦友達と共に、滅びの限りを尽くすキアを追い詰める。
先代のレウスは一度奴の力に飲まれたかけたが、曾祖父の助けを得て克服し”厄災を討つ力”へ変えて立ち向かった。
二人は絆の力でキア・オーンを討伐し世界を救った英雄と讃えられ、その後曾祖父と戦友の一人は人々を集め二つの大国を建て王となった。
その後、曾祖父と妻は私の父”シルバー”とその弟”ブラック”を産み、そしてシルバーと結ばれた妻”ゴールド”が私が産んで八年が経った時に大事件が起きる。
突如大規模なライダーの軍団襲撃。
シルバーとブラックが行方不明になりゴールドは殺害され、王国中のありとあらゆるタマゴが盗まれ旧ヘリオスは崩壊。
新しい地で建国し王の地位は私が受け継いたが、偉大な前国王を失ってしまったヘリオスは不安定になってゆく一方。
それでも、まだ我らには光が残されていた。
◇
「父上、これは……?」
「それはダリン様のオトモンである先代レウスが残したタマゴだ。ヘリオスが攻められ、窮地に立たされた今、国を救えるのはこのタマゴしかいない」
私は息子に英雄ダリンのように”国を導く強いライダーに育つ事”を願い、英雄のオトモンのリオレウスからとって”リオ”と名付ける。
そして、伝説の火竜のライダーへ育てようとしたのだ。
◇
_
「リオ、ライダーの軍隊が来る! 城の最上階へ隠れろ! そのレウスのタマゴを絶対に離すな!」
しかし、旧ヘリオスを滅ぼしたとされる例のライダーの大群が、現ヘリオスの場所を突き止め侵攻。
『龍覇国フィズモスの軍』を名乗る彼らと数えきれない巨竜達に、私達は応戦しようとしたのだが……。
◇
【飛竜王国ヘリオス ヘリオス城】
リオレウス亜種の”ソウル”に乗った俺は城の屋上で、クシャルダオラとそれに乗った男を交戦していた。
「その程度では、私の”クシャナ”に触れる事すらできんぞ?」
「くっ、なんだあの風は……!!」
しかし、クシャナという名を持つクシャルダオラの実力は凄まじく、特に風の力は圧倒的防御能力を持つ。
交戦時に身動きがまともに取れない強風の竜巻が発生し、奴の周りには黒い風”龍風圧”が渦巻いている。
その龍風圧は俺のソウルのパワー攻撃を払い除け、大技の拡散豪炎ブレスの勢いすらも半減させてしまうのだ。
「クシャナ、サイクロンブレス」
「キィアア!!」
低温の冷気を含む空気の弾が奴の口から放たれ、攻撃に集中していた私達は回避が遅れ……。
ビュォォン!!
「ぐわぁぁ!!」
「グォァァ!!」
鋭い風圧で大ダメージを受けた上に凍傷を負いスタミナまで減らされてしまった。
「やめろ……! 暴力まで奮ってお前達は何が目的なんだ!!」
「お前の爺さんが残したリオレウスのタマゴだ」
「なっ!?」
「用途は言えないが、私はある者の命を受けて英雄のオトモンの子孫を手に入れなければならない。これ以上抵抗を止め大人しく渡せばこちらも攻撃を止めるとしよう」
「ふざけるなっ! お前達のような凶賊があのタマゴへ近寄る事は許されない!! 絶対に守り抜いてみせる!!」
「グァァッ!!」
キィィィン……!!
私の覚悟とソウルの怒りで絆石が輝き、空を飛ぶ。
そしてできる限りの速度で急降下し、奴らに絆技”スカイハイフォール”を奴に食らわせようとした。
「うおぉぉっ!! スカイハイフォール!!」
ドオオオォォン!!
「見たか! 俺達の絆を舐めるな!!」
幾多のフィールドの頂点をも倒した絆技。
これが逆転の一撃になると思っていたが、黒煙の中には奴が変わらず立っている。
「『スカイハイフォール』か……今の絆技は良い攻撃だった。まさか龍風圧を突破し、この甲殻に傷をつけるとはな」
「な、何だと……」
奴の鋼鉄の甲殻に深い傷こそついたものの、撃破には至らず。
当時の全身全霊の攻撃を放ってようやくまともなダメージを与えられる程度。
「クシャナ、トラップサイクロン!」
「キシャァ!」
再びクシャナの口から風ブレスが放たれる。
今度は風ブレスは回転して竜巻と化し、肌が切り裂かれる程の強い風圧によって俺達の体勢は崩される。
「城の最上階へ行かせてもらう。では」
俺達の一瞬の隙を突いた奴らは鋼の翼を広げ、リオとタマゴを避難させていた最上階へ向かって行った。
「……くそっ! ソウル、急いで追うぞ!!」
「グ、グァァ!!」
◇
【飛竜王国ヘリオス ヘリオス城 最上階】
部屋で息を殺し隠れているリオに魔の手が伸びる。
ドォォン!!
「そこにいるのは分かっているぞ、飛竜王国の王子よ」
「……っ!?」
圧倒的な古龍の力によって王国の守りが突破され、ついに奴はタマゴを持っているリオ王子の部屋へ来てしまう。
「大人しくタマゴを渡してもらおう。さすれば命は見逃してやろう」
「嫌だ!!」
リオは護身用ナイフを向けるが、当然奴はナイフ程度では怯まない。
「渡さないか。では、可哀想だが貴様を殺して奪うとしよう」
「リオ!! リオオオオオオ!!!!」
私は奴が空けた部屋の穴から入り、奴とリオの間に入る。
「父上!」
「流石、速い飛行だ。しかし、お前の力程度ではその王子は守れないと思うのだが?」
「そんな事はない! ソウル、拡散豪炎ブレスだ!」
ボゥッ!!
「「!?」」
「許してくれ、リオ……!」
最後まで追い詰められた私は、ソウルの火球でリオの足場を壊し城から落とした。
「うわあああああぁぁぁぁぁ……!!」
「っ、貴様。何をしている……? 気でも狂ったか!」
「この城の下には流れが速い大川があるから、そこに一か八かで逃したんだ。余裕ぶらず、さっさと奪うべきだったな」
「……無駄な足掻きよ。貴様を処刑し、すぐに見つけてやる」
グオオオオオォォォ!!!!
「っ、なんだ!? また敵か!?」
奴と交戦しようとした時、特大の咆哮が聞こえる。
上を向いた時、空にとてつもない巨影が現れていた。
「……何故、奴がここに!? クシャナ、すぐに避難するぞ!!」
カッ!!
そして不可解な事が起きた。
いきなり目の前が白く光輝き、同時に先程まで圧倒的な力を見せていた男と鋼龍が鋭い悲鳴をあげる。
理解が追いつかない内に光に飲み込まれ、俺とソウルの身体が焼け焦げていった。
_
◆
「幸いにも死者は出なかったが、皆重傷を負った姿で発見された上に城や街は大損害を受け、俺が目が覚めた時にはあの恐ろしい軍団は姿を消していたんだ」
リオは全てを察したと同時に、ある謎についても真相が判明した。
「今ので分かった……!」
◆
ビオンに助けられた時……!
「あれはお前のか?」
「えっ? ええと……ううう!!」
『それは……のタマゴだ……』
『……オ……が来る! ……隠れろ!』
『その……のタマゴを絶対に離すな!』
『その……はきっとお前らを助け、導いてくれるだろう』
「た、大切な……タマゴ……」
◇
エムス山の雪崩で落ちた時……!
「(うぅぅ……俺は何を……? ……そうか、雪崩で崖から……ここはどこだ……?)」
ギイイイィィン……!!
「(っ、なんだ……この赤い光……紅力の光か……? いや、”赤黒い”……?)」
「グアアアアア!!」
「!?」
「(レウス!? っ、レウスじゃない!? “蒼いリオレウス”……!?) っ、お前は誰だ!!」
「グアア!!」
ボォウ!!
「!!?? ……う、うわあああああぁぁ!?」
◆
「たぶん俺がお前を川へ逃した時に、頭を打って記憶が消えてしまった。しかし一部の記憶は残っていたり、同じようなショックを受けた時に記憶が蘇っていたのだろう」
次に口を開いたのはナビルー。
「てかさ!! や、やっぱりリオが持っていたタマゴ。そしてそれから産まれたレウスって……!」
「そう。お前の持っていたタマゴから生まれたリオレウス。そのレウスこそが伝説の火竜の遺伝子を受け継ぐ子孫。そして、キアという最凶を討ち滅ぼす”唯一無二の力を持った火竜”なのだ」
「俺のレウスが……?」
「グルルゥ……?」
リオは隣のレウスの顔を覗く。
確かに旅の途中で幾つかおかしい点が目立っていた。
続けてブレがレウスの特殊能力を説明する。
「お前のレウスは一度紅力化し後に吸収した先代レウスから、”特殊な遺伝子”を受け継ぎ通常のリオレウスよりも力強く育つ。更に”紅力化の力を察知し敵対する”、”力が増した紅力化モンスターに対して本能的に動き戦闘で優位に立つ”、”そして、”紅力化に蝕まれても完全暴走せず、吸収し無尽蔵に強くなる”特性がある」
旅の途中でレウスは紅力化モンスターに異常な敵対心を見せ、自身は紅力化しても暴走しなかった理由はこれだろう。
「とはいえ持っているだけで無条件で強くなる訳ではなく、ライダーとオトモンの基礎である絆による連携の力や理性の高さがないと遺伝子の力はまったく発揮されない」
ブレの目から煌めく涙がひと粒ふた粒と落ちる。
「リオ、『お前に辛く重い運命を背負わせてしまった』と俺は何度も何度も後悔していた。……だが、それにお前は記憶を失いつつもしっかり向き合ってくれてたんだな!! そして、レウスもリオと共に戦ってくれて……!!」
「気にしないで、父さん」
泣くブレ陛下を落ち着かせるよう、リオは優しく抱く。
しばらくして少女がナビルー達に口を開いた。
「そういえば、リオ王子と同行していた貴方達は一体……?」
「ア、自己紹介してなかったな。オレはリオのオトモ”ナビルー”様だゼ!」
「ビオンだ。ライダーが住むスモス村出身だが、理由があってカリトモニのハンターズギルドで働いている」
◇
ブレが国の事情を説明した後、リオ達は今までの出来事を話す。
「成程、そうだったのね……! リオ王子を守ってくれてありがとう!!」
「先程は取り乱してしまってすまなかった。是非、礼をさせてくれ!」
少女とブレが深々と頭を下げ、感謝の気持ちを表す。
「あぁ、気持ちだけ受け取っておく。俺達はまだ調査の報告をしていないし、早くしないとクエストの制限時間が来ちまう」
「ゲゲッ!? ギルドからクエストを受けていたの忘れていたゾ! リオ、カリトモニへ戻るゾ!」
「あ、あぁ……」
ナビルーとビオンは満更でもない笑みを浮かべながらも、自身らの使命を思い出して礼を断る。
「待て! リオ、せっかく王国に戻れたのに戻るというのか……」
「それに今の話し方から聞くに、王子はカリトモニのハンター達と協力しているようですが?」
「あぁ、とりあえず戻ってクエスト完了の報告しないと。待たせちゃ悪いしな!」
「出掛けた先で何かあったら大変だ。もう少し王国に留まって考えてくれ。紅力化にもフィズモズにも対抗できる者はお前しかいないんだ」
「グヌヌ。マァ、リオはここの王子だもんなぁ……」
「では、私の部下がナビルーさんとビオンさんをカリトモニまで送るよう伝えておきますね」
◇
_
【飛竜王国ヘリオス ヘリオス城 リオ王子の部屋】
その後リオは少女に連れられ、城の上階の部屋へと案内されていた。
ここはリオの部屋で、壁やカーテンはリオレウスを思わせる赤色。
自身の部屋らしいのだが、豪華で上品な雰囲気にリオは戸惑っている。
二人はベッドの上に座り、ナビルーとビオンがクエストを報告するまで会話をしようとした。
「リオ王子、二人でこの部屋にいるのは本当に久しぶりですね!」
「あ、あぁ……う〜ん……」
リオは故郷に帰れたにも関わらず困っていた。
記憶を失った後は紅力化を止める為に旅をしていたが、今回の件で自分が王子と判明し城の者達に旅に出る事には反対されてしまったのだ。
ライダーと対立しているハンターとクエストを通じて関わった事が、余計に王国の者達を不安にさせたのだろう。
そして、もう一つ困った事が。
絆原石のエリアで会って以降、親しげに関わってくれている少女だが、彼女が何者かが中々思い出せない。
……。
徐々に少女の口数が減っていき、しばらくして無言に。
せっかくの再会らしいが、なんだか気まずい雰囲気になってしまった。
「あのっリオ王子……。もしかして、本当に私の事を覚えていないのですか……?」
「ごめんな。思い出せそうで思い出せないんだ……」
返事をした瞬間に少女は悲しそうな顔をしてしまう。
「そう、ですか……」
……。
「では、また自己紹介しなくては。私の名前は”リオナ”。ヘリオスの最上級ライダーで、貴方に使える者です」
「『リオナ』?? 俺の名前と似ているな」
「ふふ、あの時と同じ質問をしていますね」
隣で座っていたリオナが覚悟を決めたような表情でベッドから立ち上がり、リオと向かい合わせになる。
「何故”貴方と私の名前が似ている”のか、そして”今まで私と貴方の間に何があったのか”を今からお教えします」
◆
【飛竜王国ヘリオス ヘリオス城】
「また王子がおりませんぞ。王子〜! お勉強の時間ですぞ〜〜!!」
「はぁ……昨日あそこまで叱られたのに。まったく、諦めの悪い子ですなぁ」
貴方は幼い頃は元気良くやんちゃで、よく城の警備を掻い潜っては城下町で遊んでおりました。
◇
【飛竜王国ヘリオス 城下町】
「あら、王子。また城下町に来ちゃったの?」
「だってさぁ、勉強はつまんないだもん! ここで色んな食べてた方がいい!」
事あるごとに街の住人は、屋台で食べ物を買って飲食しているリオを見かけたといいます。
あの日は、城下町で二人の女性と話していました。
「早く戻らないとまた教師さんに怒られるわよ?」
「美味しい飯があるなら、城に戻ってやってもいいけどな〜」
「あら、『飯』で思い出した。後で例のレストランへ誕生日祝いの予約しないとだわ」
「『例のレストラン』?」
「ここから南あたりで新しい飲食店ができたのよ。営業開始したばかりなのに『美味しい絶品ばかり』と評判でねぇ。確か、”ザ・フォス”という店名だったわ」
「!!」
それを聞いた瞬間にリオは全力で走り、レストランで私の実家でもあるザ・フォスへ行きました。
_
【飛竜王国ヘリオス ザ・フォス】
今でこそザ・フォスは王国で最も大きい店になっていますが、当時は普通の一軒家と変わらない大きさでした。
ガチャ。
「「いらっしゃいませ!」」
貴方を迎えたのは私の両親。
「ここか? ゲネ・ポスって店は?」
「おぉ!? 貴方はリオ王子!?」
「王子、ゲネポスじゃなくてザ・フォスです……。ではこちらの席へ」
◇
「ひそひそ……(貴方、リオ王子って大胆ね……)」
「ひそひそ……(ああ、護衛も連れずレストランに来たり、高い料理を大量注文したりな……)」
「食った食った! えーと、霜降りこんがり肉、サシミウオの大トロ、シモフリトマトと厳選キノコのスープの三品で……五十万ゼニーか!」
そういってカウンターに五十万すら遥かに超える額の札束を置く。
「待ってください!? 流石に五十万もしませんよ!?」
「出されたのは七十万ゼニー……お釣りが足りませんね……」
当時、両親は計算がめちゃくちゃで高額を躊躇なく払うリオに凄く驚いていました。
「あれ、間違えたか?」
◇
両親の協力で会計が終わった瞬間。
「あ、あの! リオ王子様ですか!? 私を弟子にしてください! ライダーになりたいです!!」
「ん、なんだ!?」
「あぁ、紹介しますね。私の娘の”リオナ”です」
「なんか俺と似た名前だな?」
「飛竜王国の英雄である火竜族リオスからリオを取り、女性名にしました。自身の由来と王国の過去を知ってから、『王国を守る為にライダーになりたい!』とずっと言ってまして……」
「俺はライダーの王族だけど、まだライダーになった訳じゃないぞ?」
「あぁ、そうですか……ごめんなさい……」
◇
その後、リオはしばらくザ・フォスに留まり私と会話していました。
「そうですか。伝説の火竜のライダーになる為に、勉強していたのですね」
「ま、今は勉強をサボっているんけどな」
「うん、私も勉強は嫌だから気持ちも分かりますよ」
「正直言うと『荷が重い』と思う。周りが怒っているって分かってても、やりたくないんだ」
……。
「でも、王子はまだ偉いですよ! わたしの周りはやんちゃして反省もしないような人ばかりですから! 食い逃げなんかもよくしているけど、王子は礼儀良くお金を払おうとしたじゃないですか!」
「い、いや、当たり前の事なんだから褒めるべきじゃあないよ。計算もできないから『怠け者』って教師からよく怒られてるし……」
「常識を持つ事って思ったよりも難しい事なんですよ。王子様ならこれからゆっくり勉強すればきっと立派な人になれます!」
……。
「ありがとうな。王国では皆ガミガミ怒鳴るけど……なんか、元気出たよ!」
「どういたしまして! きっと皆は王子の事を考えています! 誠意持って頑張れば、きっと認め合える時が来るはずです!」
「……」
◇
【飛竜王国ヘリオス ヘリオス城 王子の部屋】
「ひそひそ……(まさかリオ王子が自ら勉強をするとは)」
「ひそひそ……(変なものを食べてしまったのでは? ドキドキノコとか……?)」
それ以来、貴方は私を喜ばせようと身体も学も鍛えていきます。
「では、次は調合についてですが〜……」
「……(あの女の子の為にも頑張らなきゃな! 絶対に答えてみせる!)」
「あの、王子? 止まっているようですけど、休憩しますか? 気づけば二時間ぐらい経ってますし……」
「あっ。いや大丈夫! この程度で根をあげないさ!」
◇
数年後。
私は正式にヘリオスのライダーとなりました。
私が最上級ライダーに昇格したあたりから、リオは特例として私を部屋に招き、国側も私の成果を評価するように。
「うわぁぁ!!」
「王子様、大丈夫ですか!?」
時にライドの練習に付き合った時に貴方が木から落ちて、怪我を治療したり……。
「アーバ森林あたりで良い土壌があるエリアがあったって! 凄く珍しい環境らしいし、もしかしたらそこに良いオトモンのタマゴがあるよ!」
「ありがとうございます! 早速そこを調査してみますね!」
時に貴方が私の為にオトモンの情報を集めてくれたり……。
いつしか私も貴方を意識するようになりました。
そして……。
◇
【ヘリオス城】
「では、リオナを”リオの婚約者”として認めよう!」
「「ありがとうございます!!」」
私達は婚約を交わし、ヘリオスの次期女王になりました。
「きっと王子様は、この天空の国の王になれます!」
「ああ! 飛竜王国を救ってみせるさ!」
「そして、私は支える陸の女王になって共に国を引っ張って……!」
私達が十二歳になった時。
私は今後最大の相棒となると思われるレイアを孵化させて、更にライダーとしての腕を磨こうとしました。
しかし、その後に例の事件で貴方は行方不明に……。
◆
【飛竜王国ヘリオス ヘリオス城 王子の部屋】
「……!?」
リオは驚きを隠せなかった。
なんと目の前のリオナは恋仲であり姫、そして婚約まで交わした未来の女王だと言うのだ。
「……でも、今は記憶を無くしている。貴方が私の事をどう思っているか分からないし、無理強いしてもこれから上手く行くとは限らない。まだ王国に留まったりとも決まってないし、リオが王族を継ぐのかも——」
「それは!」
ドン、ドン!
「リオ王子〜!? リオナ姫〜!?」
突如ドアを強くノックされ焦っている声が、奥から聞こえてくる。
「あら、イア? どうぞ??」
バァン!!
王族の部屋だと言うのにゆっくり開ける余裕もないのか。
ドアは勢いよく開き、汗を掻いているクック装備の少女が入ってくる。
「も、申し上げますぅ! ナビルーとビオン様をカリトモニへ送ろうとした時に、”カリトモニのハンターの軍団”がヘリオスへ来ているとの報告が!!」
「なんだって!?」
「嘘!? 何故ハンターがここへ!?」
続く
_
●今回のおまけ
リオナ
年齢:十二歳
性別:女
職業:飛竜王国ヘリオス所属の最上級ライダー
容姿:リオレイアを模した後ろ向きにはねた髪型「レイアカット」。黄緑と緑の髪色。 黄色のぱっちりした目、優しげな緑の眉毛。
飛竜王国ヘリオスを守る最上級ライダー。
しっかり者かつ穏やかな性格で、仲間やオトモンを大事にする心優しい少女。
国の英雄であるレウス、ひいては火竜族リオスからリオを取り、女性名であるリオナと名付けられる。
過去にやんちゃだったリオを改心し惚れさせ、逆に心身共に強くなろうと励むリオに彼女自身も想いを寄せるようになり相思相愛に。
若くしてリオとの婚約が決まり、いずれはヘリオスを守る女王になる予定。
事件後に記憶が曖昧になった後もお互いに心良く接し、『これからどう向き合うか』をじっくり考えている。
◯武器
⚪︎プリンセスレイピア(片手剣)
リオレイアの素材から作られた剣。茨のような棘には毒が仕込まれ、身を切裂くような痛みを与える。
リオナはこの業物を使って、並のハンターを超える高度なガードを魅せた後に即素早い剣技をお見舞いする守りの達人である。
◯防具
⚪︎レイア装備
「陸の王女」の名にふさわしいリオレイアの装備。並の金属では傷もつかない鱗が全身を覆う。
リオナが装備しているものは最上質の素材を使っており、本来は格上な頂点級モンスターの防具すらも超える性能を持つ。
凄まじい体力を得られるこの一級品は、王国を守る女王に相応しい。
◯オトモン
⚪︎レイア
とても恵まれた環境の巣から取れたタマゴ、それから孵化した雌火竜リオレイア。
元々強いモンスターではあるがレイアは特に優れた個体で、優しいリオナと絆を深め理解し合ったお陰で通常のリオレイアを遥かに超える強さと知性を手に入れている。
主人に似たのか凛としつつも慈愛に満ちた性格。
リオナはリオと恋仲になっているが、彼女もリオのオトモンであるレウスが気になっているのかもしれない……?
戦闘では優れた体力に広範囲の炎ブレスと毒棘の尻尾を活かし、攻めてくる相手を返り討ちにする戦法を得意とする。