【あらすじ】
紅力化したジンオウガの討伐に出向いたリオ達。
水辺では他のライダーとハンターが雷光虫を捕まえ戦力を減らしつつ、リオ達は夜まで待機。
月が浮かび上がった時、水辺に紅力のジンオウガが姿を現し、待ち伏せしていたリオ達が油断しているジンオウガに先制攻撃。
途中でジンオウガは怒り紅力が増した上に、他のエリアから呼び出せた雷光虫で超帯電状態になってしまうが”不意打ちが成功した事”、”超帯電化が遅れた事”、”人数が有利”だった事”で特に危なげもなく圧勝。
しかし喜びも束の間、ジンオウガを倒したリオ達にライダーの軍勢が襲来。その中にいたラギアクルスのライダーにリオナは驚愕していた。
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第十七話 争いを求める者
【アーバ平原 水辺】
紅く染まっている水辺エリアにて激闘と終えたリオ達だったが、休む間もなく緊迫した空気が場を支配する。
リオとレウスの前にはラギアクルスと蒼い髪の少年ライダー。
その少年からは子供の穏やかさが全く感じられず、威圧的な目を向けていた。
相手はリオとレウスの事を知っているようだが、リオは彼らの事が思い出せない。
「そういえば、レイギエナのライダーが『リオが記憶喪失になっている』って言っていたな。俺は元”海竜王国ニンバス”の王子”ヴォル”。こいつは海竜王国の英雄の血を引くラギアクルスの”ラギア”だ」
「海竜王国……!?」
蒼い少年曰く、自身はリオのような王族のライダーらしい。
しかし、所属はヘリオスではなく『ニンバス』という聞いた事がない国。
「ニンバスはヘリオスの英雄ダリンの戦友”ウェル”が作った国ですね……! 英雄の子孫の貴方が、国を捨てて龍覇軍なんかに!!」
リオナが軽くヴォルが何者かを説明してくれた。
彼女は龍覇軍に入ったと思われるヴォルを咎めるが、彼の冷たい表情は全く変わらず。
「俺が何処に所属しようが貴様には関係ないだろ。それより、リオは俺と戦ってもらう」
ヴォルの言葉に電竜のライダーが過敏な反応を示し、歪みきった顔を見せる。
「おぉい、『俺様とゼクスが先に戦う』って話だったろうがよ!! てめぇは下の立場なんだからすっこんでろ!」
「ドナー……まぁ、いいだろう。どうせ貴様のような小物には殺れない相手だろうしな」
「あぁ?? 生意気言うじゃねぇかぁ!! 下の癖によ!」
二人共リオを倒したいらしく、ヴォルとドナーが敵を目の前で揉めている様子。
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レイアに乗ったリオナが、リオ達を守るように奴らの前に立ち塞がってくれた。
「勝手に話を進めないでください! リオとレウスを襲う者は、この私が許しません……っ!?」
リオナの上からいきなりセルレギオスの滑空蹴りが襲いかかり、危うく不意打ちを喰らいかける。
「悪ぃが、俺達はどうしてもそのリオレウスを捕まえてなきゃなんないんだよ。邪魔者はこの”グリフ”と”レギオス”が斬り伏せてやるぜ?」
レギオスに乗ったライダーはグリフと名乗り、嘲笑うような笑みを浮かべていた。
そして、その金色のタッグを見たリオがある事を思い出す。
「あのセルレギオスのライダー……」
◆
「(初めてスモス村に訪れ、あの村がよそ者を拒む理由を聞かされた時……!)」
「俺? ちょっと遠くからね。ここなら探しているタマゴがあるかなと思ってな」
「リオレウスかぁ。天空の王者と呼ばれる飛竜種。確かに憧れるのも分かるぞ! そういえば、なんでお前はリオレウスのタマゴが欲しいんだ?」
「……残念だが、それは言えね~な」
「待て! それは新人のライダーにやる大事なタマゴなんだ!」
「(確かビル先輩を襲ったライダーもセルレギオスって奴をオトモンにしていたよな?)」
◆
「おい! もしかして、前にビル先輩を襲ったセルレギオスのライダーってお前の事か!」
リオの怒声が響き、グリフとレギオスの動きが一瞬止まる。
「は? 誰だよそいつ?? ……あ? あのドスランポスのライダーか!」
「よくもビル先輩を! お前のせいでスモス村が大変だったんだぞ!!」
「へ、弱い方が悪いんだよ! お前らもあいつみたいに地べたを舐めてもらうぜぇ! レギオス、滑空蹴りだ!」
「くぅっ!」
グリフの戦意の高まりと同時にレギオスが空を舞い、鋭い爪がリオナとレイアを斬りつける。
「リオナ、レイア! 大丈夫……うっ!」
リオナ達を心配する暇も与えられず、目の前にゼクスに乗ったドナーが上から突如飛来し立ち塞がる。
「おいてめーら、リオナとハンター共を抑えていろよ! 俺様がリオをサシでぶっ殺してみせるからよぉ!」
「言っておくが、レウスの方は殺すなよ! じゃあ、俺はリオナとレイアをさっさと斬り殺しちまうか! 蹴散らせ、レギオス!」
「ち、ドナーの奴。虫けらの癖に偉そうにしやがって。ラギア、とりあえずハンター共を相手するぞ!」
「グァゥ!」
リオナの動きを妨害しているグリフに加え、ドナーの荒い声を聞いたヴォルが渋々ビオンとアダンの元へ向かっていく。
「くそ、やるしかねぇか!」
「師匠、手伝います!」
そして後ろで待機していたドスジャグラス、プケプケ、鎌の尾を持つ中型鳥竜種”オサイズチ”、傘のような鶏冠と羽根を持つ大型鳥竜種”アケノシルム”の混合ライダー隊も仲間達に襲いかかってきた。
「リオ王子、私達の事は大丈夫です! 貴方はそのドナーを倒してください!」
「あぁ、分かった! ライドオン、リオレウス!」
「グオオアアアァァ!!」
◇
戦いの予感を察知したナビルーが邪魔にならないよう、遠くへ避難しようとする。
「サ、サイアクだゼ……! ジンオウガと戦った後にコイツらが襲ってくるなんて!」
一応、紅力のジンオウガ自体は楽勝だったとはいえ皆が全く消耗していた訳ではない上、レウスに至っては紅力化が解けてしまっている。
更にジンオウガにトドメを刺す際にナビルーの超帯電を使ってしまったので、今戦闘に加勢する事が難しい。
「不利な状況だけど、せめて戦闘のナビをしなきゃな! 電竜ライゼクスは時にリオレウスに匹敵しかねない飛行能力を持った飛竜で、雷属性の攻撃を使うテクニックタイプだゾ!」
◇
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「分かった! ……うわ!」
ナビルーのアドバイスを聞いていた時にいきなりゼクスが攻撃を仕掛けるが、レウスが後退し回避。
「おい、いきなり不意打ちかよ!」
「きへへ、”不細工な猫畜生”とくだらねぇ会話している場合か?? もう戦いは始まってんだよぉ!!」
「キァァ!」
ドナーの”不細工な猫畜生”発言に、挑発するように翼爪を地面に突き立てるゼクス。
「なんだと!」
「グルル!!」
仲間のナビルーを馬鹿にした奴に対し、リオとレウスの目つきが変わる。
バサァ!
天空の王者の飛行能力を活かせるようリオ達が飛翔し、それに張り合おうとドナー達も上昇。
上空で二者が睨み合い、リオ達が上から攻撃を仕掛ける。
「行け、レウス!」
リオの指示でレウスが強力なキックを放つが、嘲笑いながらドナー達は避ける。
ゼクスが翼爪での反撃を狙うがリオ達も旋回し回避。
「そらそらそらそらぁ!!」
ゼクスは何度も突進するように飛行し翼爪で引き裂こうとするが、その素早い連族攻撃をレウスは脚爪で巧みに弾いていく。
「ゼクス、リベンジサンダー!」
ゼクスの鋏のような尻尾から翠色の電撃が放たれるが……。
「甘いぞ。レウス、毒キック!」
ガッ!!
「ぎぃ!?」
連撃の〆に繰り出したリベンジサンダーの大きな隙を突いたリオ達が一瞬で上を取り、レウスの脚爪がゼクスの腹へ思いっきり叩きつけられる。
鋭く重い一撃を受けたドナー達の態勢が一気に崩れ……。
ドォン!!
腹を蹴りながらレウスは急降下し、ドナー達が強く地面に叩きつけられる。
「ぐぇ、調子に乗ってんじゃねぇーぞぉ!!」
マウントポジションを取られたドナー達だったが、翼爪を振り回してリオ達を突き飛ばし、なんとか態勢を立て直す。
「ぜってぇーぶち殺す! ゼクス、ブルーボルテージ!!」
「キイエエエェェン!!」
まるで虫の羽が擦り合わす音のような喧しい鳴き声と共に、青翠の稲妻が一瞬閃く。
そしてゼクスの目元と鶏冠、翼の爪や膜、尻尾の鋏が激しく帯電し翠色に発光。
◇
遠くで様子を見ていたナビルーが電気に反応し、一瞬だけ身が震えた。
「気をつけろ。ライゼクスは電荷状態という強化形態があるんだけど、あいつは電力はやけに強い。ライゼクスの中でも特に強いヤツかもしれないゾ!」
◇
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「ゼクス、早くプラズマブラスターを撃てや!!」
ドナーが怒鳴ると、ゼクスの口から翠色の電球が放たれ、電球は地を走る電気の柱へ変化し複数に分裂。
更に稲妻型の複雑な軌道を描きながらリオ達を襲う。
レウスは大翼を羽ばたかせ、巧みに電気柱を全回避するが……。
「バァーカ、こっちが本命の攻撃なんだよぉ! もう一度、プラズマブラスター!!」
ドナーが歪んだ笑顔を見せ、今度は一つに束ねたプラズマブラスターが放たれる。
「まずい! レウス、豪火球!」
ドォン!!
「ちぃぃ! 防ぎやがったかぁ!」
渾身の雷ブレスを防がれて歯軋りが止まらないドナー。
隙を突いたプラズマブラスターは幸いにも威力が高くなく、豪火球で相殺できた。
「あいつ、汚い手しか使えないのかよ!」
「ぐぎぃ、次はこれだ! ゼクス、ライトニングブレード!」
ゼクスの鶏冠の後方から青翠色の電気が出て、大きな刃を形成。
「……! レウス、回避の構え!」
「グオアァァ!!」
不審な動作をする敵を警戒したリオが回避を指示。
レウスが咆哮をあげながら、風圧が巻き起こるぐらい勢いよく大翼を広げた。
ゼクスは大振りに頭を下げ、電気の刃が振り下ろされる。
「飛べ!」
見切ったリオの声でレウスは即飛翔し、一瞬で上空へ。
ビリィ!!
その電気の刃は地面にはっきりと跡が残るほどの威力。
今までドナー達の攻撃は手数重視で大した威力でなかったが、このライトニングブレードはそう何度も耐えられる攻撃ではないかもしれない。
ザァン!
「キィン!?」
ライトニングブレードに気をつけつつ、見切れたレウスが毒キックでカウンター。
ゼクスの頭に深い傷がつき、出血性の毒が滲み出てくる。
「くそぉ!! なんでてめぇの攻撃ばっか当たるんだよ! くそくそくそぉっ!!」
「威張っていた割には大した事ないな! お前の攻撃はいちいち動作が大袈裟だからバランスが崩れているんだ。”バランスが取れている”のと”中途半端”は違うんだぞ!」
◇
観戦していたナビルーもリオの意見に納得の表情。
「確かにリオとレウスは攻撃力があり飛行が速くて重い爪や火力あるブレスで牽制もできる。対するドナーとゼクスは一撃一撃が軽い上に大振りすぎる動きだから、飛行速度も活かせず隙が大きいから守りにも入りづらいのか! それにレウスはパワータイプだからテクニックタイプのゼクスの技に打ち勝つ事ができる! 勝てるかも!」
◇
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「へっへ、くだらねぇ。お前のレウスの方が能力の水準が上なのは認めてやる。だがリオレウスにはあんま雷耐性がねぇ。極限の青い電撃まで得た俺のゼクスが、お前に負ける訳ねぇんだよ!! とっとと散りなぁ!」
青筋を浮かべるドナーが足でゼクスを突き、怒りに塗れたゼクスが合図を受けて電力を最大まで溜める。
翠色に発光していた各部位が青みがかった翠に変化し、無数の閃く電流が発生している。
◇
ライゼクスを知るナビルーが、ゼクスの電力の強さに違和感を覚える。
「なんだ、さっきから一瞬見える青い電気は……? 明らかに普通の電力じゃないし、他の能力も通常のライゼクスより遥かに高い気がする……。あのライゼクス、もしかして……」
◇
ゼクスは矢継ぎ早にライトニングブレードを連発。
攻撃速度自体は速いが前後の動作が大振り気味なので、今の所全て回避できている。
しかし、リオ達は最後まで油断せず、回避とブレスのカウンターを織り交ぜて確実に対処していく。
「ぐぎぃぃぃ!! ゼクス、さっさとブループラズマとサンダースマッシュをしろぉ!!」
もはや理性がない程に怒り狂うドナーとゼクス。
だいぶ動き回っているはずだが、一切休もうとせずに攻撃に専念する。
「ギィィ……!」
ゼクスが軽い後方飛翔をし、前方に電磁球を放つ。
「っ、あれはまずそうだ!」
レウスも嫌な予感を察知したのか離陸する。
しかし、その電磁球が細かい稲妻を放つと同時に、リオ達がその球へ吸い寄せられていく。
「ぐっ、レウス。頑張れ!」
翼を羽ばたかせてもなかなか離れる事ができない。
「っ! レウス、今だ!」
バァン!!
一瞬電磁球の吸引が弱まったタイミングに気づいたリオが合図。
レウスが大翼を勢いよく振るい一気に離脱し、間もなく電磁球が強力な放電を行い消滅。
もし電磁球炸裂の直前で離脱できなければ、大ダメージを受けていただろう。
「がああああ! 死ねぇぇぇ!!」
「なっ! レウス、上だ!」
更に追い討ちをかけようと上からドナー達が両翼爪を向けて強襲。
ビシャアン!!
ゼクスは墜落するかのような速度で地面にぶつかり、着地地点から四方八方に大きな稲妻が放たれる。
「グゥゥ……!」
怒りと勢いに任せた攻撃なのでまたリオ達は回避できたが、最後の稲妻だけレウスの翼を少し掠めてしまう。
「落ち着けレウス。あんなに猛攻を仕掛けてきたんだし、あいつも相当消耗しているはず!」
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「ぐぃああぁぁ舐めやがってぇ!! 俺はてめぇーとは格が違うんだぁぁぁ!! まだ戦えるって事をこれで証明してやるぅぅ!!」
リオ達との戦いに劣勢になり続け、異常な怒りを見せるドナーとゼクス。
キィィィィィン……!!
二人の憎しみが交差したのかドナーの黒い絆石から赤い光が輝く。
ゼクスの口から地を這う電気の柱を放つ雷ブレスが放たれ……。
「うわぁ……!!」
「グォウ!!」
リオ達が素早い雷球に飲み込まれ、感電による拘束を受けてしまう。
「くたばれぇぇ! “ゼクスパルス”ーー!!」
「キエエェェン!!」
敵の動きを止めたドナー達が上へ飛行し、更に全身帯電したゼクスは翠色の電流を纏う鋏尾を向けながら降下。
ドオオォォォン!!!!
ゼクスの尻尾がぶつかると同時に、その地点を消し飛ばす大電撃が発生した。
「ひゃーはっはっはぁぁ、ざ〜まぁみろぉぉぉ! ついに……ついにぃ……俺様は王族を超えてたんだぁぁぁ!! すぐにリオナとレイアも同じようにぶっ殺してやる!」
「ギィェェェン!!」
グリフから『レウスを殺すな』という警告をも無視してリオ諸共絆技で襲ってドナーとゼクス。
彼らからは知性を感じられず、完全に正気を失っていた。
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「おい、今のが全力か?」
ドォン!!
「ぶぐああぁぁ!? あ、熱いぃぃ……!?」
「ピギィィィン……!?」
ドナー達が勝利を確信した瞬間、土埃を押し除けながら赤い火球が飛び込んでくる。
そして弾けた火球から広がった炎が、地獄の業火の如く悪意に塗れた二人を燃やし続ける。
土埃が消えた先に絆技を耐え切ったリオ達が立ちはだかっていた。
「はぁぁぁっ!? なんでゼクスパルスを食らって消し飛んでねぇんだよぉ!?」
◇
「ヘヘ、さっきオマエが『リオ達の方が能力の水準が上』って言っていただろ? 当然絆技に耐えれるぐらい体力も多いんだゼ? このナビルーが認めたリオとレウスの強さをナメるんじゃないゾーー!」
◇
「よぉし、今度はこっちの番だ!! 俺とレウスの攻撃を凌いでみろ!」
「グオオオオァァァァ!!」
王族を憎しみ反逆する者達に、更にリオ達が反撃の構えをとる。
「ひぎぃ!? ま、待てよ!!」
必死に止めようとするドナーだが、相棒を馬鹿にした挙句、散々攻撃を仕掛けてきた者達に対してリオ達が今更話を聞いてくれる訳がなかった。
バサァッ!!
「ぎぃやぁ!?」
大翼の一振りで飛翔し、上を取ったリオとレウスが素早い毒キックをお見舞い。
ドォォン!!
「ギィィン……!?」
吹き飛ばされたドナー達は毒で動けないのか、レウスが追い討ちとして放った豪火球を避けれず爆撃される。
ボオオォォォ!!
「「ぐあああぁぁぁぁ!!」」
更に高出力の炎ブレスを火炎放射のように撃ち、大規模な灼熱の炎がリオ達の眼前を焼き尽くした。
◇
「イイゾ。ドナーとゼクスは攻撃を連発しすぎた上に絆技まで出したから、もう力が残っていない! リオ、レウス、やっちゃえ!!」
◇
「仲間を傷つけようとする奴は絶対許さない!」
キィィィン!!
仲間を守ろうとしたリオとレウスの絆が最大まで高まり、絆石が紫色に光輝く。
「いくぞ、レウス!!」
「グアァァ!!」
レウスが大きな翼を広げ、空気が張り詰める程の咆哮を上げる。
とてつもない速さで飛行したリオ達が一気に急上昇。
「この一撃で勝つ! “スカイハイフォール”!!」
ボオオオォォ!!!!
口から出た炎を全身に纏いながら、レウスは脚を突き出し急降下するリオ達。
「お、おいゼクス! あれを食らったらやっべぇ!! 早く翼で防げや!!」
「ギギギチィ……」
「クッソォ、こんな時にガードできねぇかよ役立たずがぁ!! じゃあさっさと避けろ!!」
「ギ……ギィィン…………」
ゼクスは必死に身体を動かそうとするが、今まで受けた大ダメージや溜まった疲労のせいで立つことすらままならなくなっていた。
「ぬ、ぬわぁ、早くしろやぁ!? まさか、防ぐ力も避ける力も無い……!!??」
そして、彗星のように輝く尾を引きながら、レウスは業火のキックをドナー達に食らわせた。
ドオオオォォォン!!!!!
「ぐぎええぇぇぇーー!!」
「グギイイィィィーー!!」
天高くまで突き出す業火の巨柱の高熱が、電熱で鍛えられたゼクスの身体やドナーのゼクス装備も無惨に破壊し溶かしてしまう。
ドォォォン!!
リオとレウスが着地した後、火柱で吹き飛ばされボロボロとなったドナー達が強く地面に叩きつけられた。
苛烈な攻撃を仕掛けていた二人だが、致命傷を受けた拍子にライドが崩れて戦闘不能に。
「ヤッターー!! 凄く強い電竜とはいえ、リオとレウスの敵ではなかったな!」
リオとレウスの勝利を喜びながらナビルーが駆け寄ってきた。
「待ってナビルー! まだ戦いは終わっていない!」
「ニャッ!?」
「うぅ……まさかオトモンのセルレギオスがここまで強いとは……」
「グォウ……」
「ひひ、さっさと俺のレギオスに斬り殺された方が楽になれるぞ??」
気づいたらグリフとレギオス、部下の龍覇軍と戦っていたリオナとレイアが傷だらけの姿で倒れていた。
「グリフ、俺達は終わったぞ」
その時、グリフの元にヴォルとラギアが戻ってきた。
目線を横にやると部下がビオンとアダンを縄で拘束している。
「大変だリオ! ビオンとアダンが捕まっちゃったゾ!?」
「リオナ、レイア、無理はするな!」
仲間達の劣勢に驚いたリオ達にグリフ達が気づき、グリフも同じく同僚の敗北に驚愕していた。
「あ!? ドナーの奴らやられたのかよ!?」
「ふん、予想通りだな。やはりリオ達は俺とラギアでないと勝てん」
隣の動揺しているグリフを他所に、ヴォル達がリオ達と戦おうとするが……。
「ま……待てぇ……。リオ達を殺すのはこのドナー様と……ゼクス……だ……。俺は仕返したいん……だ……」
「キィ……エ……」
その時、ドナーとゼクスが地べたを這いながら口を挟んでくる。
「邪魔するなドナー! 『貴様じゃ勝てない』って言っただろう。黙って寝ているんだな!」
「お、俺達が……て……めぇの言う事を……聞くわけねぇだろ……。俺様が王族を超えて、一番……になるんだぁぁ……」
瀕死の状態にも関わず敗北を認められないドナー達は、リオとの戦いに執着していた。
バサァッ!!
「!」
そして、今度はグリフとレギオスがドナー達の前に降り立つ。
「はぁ〜、弱虫な癖に偉そうな態度とは困った奴だよ……」
「お、おい……グリフ……秘薬、いや回復薬、いや薬草でも良い……。薬をよこしてくれ……! まだ、戦いたいんだ。た、頼むぅ……!」
「良いぜ。くれてやるよ」
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ザクゥッ!!
「ぎぃやああぁぁぁ……!!」
「ギィイイェェン……!!」
「「!?」」
その場に居たリオもヴォルも思わず目を疑う。
なんとグリフとレギオスがドナーとゼクスに与えたのは傷を治す薬などではなく、”金色の刃鱗”だった。
続く