Arco Iris   作:パワー系ゴリラ

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暗影迫る

モニュメントが飾られている広場でスマートフォンを操作する純一に飲み物を手にした薫が近づく。

 

「連絡きた?」

 

「うん、もうすぐこっちに着くって」

 

祐と合流する為、クラスを代表して純一と薫がこうして集合場所に待機しているのだ。ストローを咥えつつ、薫は笑顔を浮かべた。

 

「おけおけ。来たらまず何奢ってもらおうかしら」

 

「ちゃっかりしてるんだから…」

 

「何よ、あいつが奢ってくれるって言ったんだからいいの」

 

そう言って薫は判断材料になればと周囲の屋台に視線を移す。純一は祐の財布事情を少し心配したが、こういった場で祐が自ら進んで散財するのはいつものことなので気にしないことにした。

 

「おっ、いたいた。お待たせしました」

 

「ああ祐、やっとき…」

 

よく知る声に振り向くと、想像通りそこには祐が立っていた。だが視界に映り込む大きな違和感に純一の視線は祐の頭部に注がれる。

 

「遅いわよ祐…ってなにその帽子…ださっ」

 

祐に気が付いた薫も純一と同様の表情になる。いったいどこで手に入れたのか、現在祐はクリスマスツリーを模した巨大な帽子をかぶっていた。それだけでも充分目立つのに加え、帽子に施された装飾が一定の間隔で点滅を繰り返している。どうやらLED内蔵らしい。音は鳴らないが視覚的に大変喧しかった。

 

「いいだろこれ、クリスマスツリーだぜ?」

 

「凄く馬鹿っぽい」

 

「心から浮かれてる馬鹿」

 

「恥ずかしいはしゃぎ方してる」

 

「隣にいられるとこっちがつらい」

 

「順番に罵倒を垂れ流すな」

 

初めから打ち合わせでもしていたかのような罵倒の嵐であった。しかし帽子を取るつもりはない祐は、間違いなくクリスマスパーティーに浮かれている。

 

「貴様ら二人に思うところはあるが大目に見てやろう、何故なら今日はパーティーだからな。純一、早う我を案内せい」

 

「それが人にものを頼む態度かな?」

 

「急いだ方がいい、お前の恥ずかしい秘密をバラされたくなければな」

 

「こちらです逢襍佗様」

 

「苦しゅうない」

 

急に畏まった純一は丁寧に先導すると、祐は不遜な態度で後に続いた。そんな男二人に呆れつつ薫も歩き出す。

 

「祐、約束忘れてないわよね?今日はお世話になるわよ」

 

「それって奢る話?」

 

「そそそ」

 

「いいだろう、漢に二言はない」

 

「流石!それじゃまずはね〜」

 

合流前より一層周辺に目を凝らす薫と既に楽しそうな祐。振り返って二人の表情を見た純一は笑みをこぼした。

 

それから程なくしてB組と合流した祐達。当然クリスマスツリー帽子は他のクラスメイトからも散々な評価を受けるも、頑なに帽子を取らない祐のメンタルに男子達は鋼を想起した。鐘や由紀香は興味深そうに帽子を観察している。

 

「はぐれた際の目印としてうってつけではあるな」

 

「凄く目立ってるもんね、光ってるし」

 

「こんなもんどこで買ったんだよ…」

 

「蒔寺さんもかぶろうぜ」

 

「絶対やだわ」

 

「その拒絶、心地いいぜ?」

 

「なんだこいつ」

 

「今日は一段と浮かれているようだ」

 

 

 

 

 

 

同時刻、会場の案内図が掲載されている広場にリトは居た。隣には美柑もおり、二人は現在案内図と睨めっこをしているララを後ろから見守っている。

 

「随分熱心に見てるな」

 

「色々あるからね。それにララさんはこういうの初めてらしいし、珍しいんじゃないかな」

 

クリスマスパーティーの話題を初めてした時に本人から聞いたが、ララはこうした行事に参加したことがないらしい。そもそも王女という立場上、好き勝手外出することも許されなかったとのことだ。それが今や外出どころか別の惑星で暮らしているのだから、何事も我慢のさせ過ぎは良くないなとリトは思った。すると確認を終えたララが二人の元へ戻ってくる。

 

「ララさん、何か気になるものあった?」

 

「取り敢えず全部気になる!」

 

「まぁ、そうなるわな…」

 

目に映るもの全てが目新しいものならこの反応も頷ける。特段予定があるわけでもない。今日はララの好きなようにさせ、それに付き合おうと結城兄妹はどちらが言うでもなくお互いに考えていた。するとリトの肩が優しく叩かれる。振り返れば片手にチョコバナナを持った梨穂子がいた。

 

「やっほーみんな」

 

「ん?おお、梨穂子か」

 

「リホコだ!こんばんわ!」

 

「えっ?あっ、梨穂子さん」

 

リトとララは毎日教室で顔を合わせていることから軽い挨拶で済ませるが、麻帆良祭にて少しだけ再会して以来の美柑は少々緊張しながら会釈をする。

 

「美柑ちゃ〜ん!麻帆良祭ぶりだね〜!」

 

「わっぷ」

 

そんな心情を知ってか知らずか、梨穂子は美柑をチョコバナナを持ったまま器用に且つ優しく抱きしめる。二人の身長の違いから、美柑の顔は梨穂子の豊満な胸に埋もれる形となった。明日菜達と再会した時もそうだが、どうにも彼女達には抱きしめられている気がする。熱烈な歓迎は嬉しいものの、恥ずかしくもあった。

 

「ほらほら桜井、酸素は吸わせてあげなさい」

 

そんな梨穂子に少し遅れてやってきた同じクラスで友人の香苗が声を掛ける。一拍おいて意味に気付いた梨穂子は慌てて美柑を解放した。

 

「ご、ごめんね美柑ちゃん!」

 

「い、いえ…大丈夫です」

 

(変わんねぇなぁ)

 

早々に空気を取り入れられたので美柑にそれ程支障はない。相変わらずで懐かしさも感じる光景にリトは一人昔を思い出したのと同時、形を変える梨穂子の胸から目を背ける為に遠くを見つめた。例え幼馴染であっても、リトからすれば無表情で直視することはできない。

 

「カナエも来てたんだ!二人で回ってたの?」

 

「こんばんはララさん。うん、私と桜井の二人でね」

 

ララの質問に答えてから香苗は美柑に視線を移す。美柑はそれを感じて今度は香苗に会釈をした。

 

「こんばんは、私はみんなと同じクラスの伊藤香苗。もしかしてだけど、結城の妹さん?」

 

「はい。初めまして、結城美柑です」

 

年相応ではなく大人びた仕草に香苗は感心する。血の繋がりを感じる外見的な類似はあるが、性格的には兄とあまり似ていないようだ。

 

「桜井からちょっとだけ話は聞いてたけど、こりゃ確かにしっかりした子だわ。結城、あんたも見習った方がいいんじゃない?」

 

「悪かったな…」

 

それからはララの一声で梨穂子と香苗もリト達に同行することが決まった。この例年以上な身の回りの賑やかさは間違いなくララによるもだろう。心身ともにまったく疲れを感じないと言えば嘘にはなるが、ララが来てからララ本人は元より美柑も毎日楽しそうにしている。

 

昔から辛抱強く我儘を言わない妹だ。そんな美柑(正確には美柑だけではないが)を時に強引に引っ張ってくれるララの存在は、兄であるリトとしてもありがたい存在であった。

 

 

 

 

 

 

自宅で夕飯の支度を始めようとキッチンに向かう茶々丸の背中を一見してから、ノートパソコンの画面に視線を戻すエヴァ。彼女の日課とも言えるネットニュース観覧を続けていると何かを感じ取った表情をする。テーブルの上でだらしなく寝そべっていたチャチャゼロがその変化に気が付いた。

 

「ドウカシタカ御主人」

 

「ほんの一瞬だが結界に違和感があった。何者かが侵入した可能性がある」

 

「ヤべェヤツカ?」

 

「さぁな、だが小細工が効く奴なのは確かだろう。そこらの魔法使いでは気が付けん程の小さな違和感だった」

 

この僅かな変化に気が付けたのはエヴァだけだろう。街を被う大結界と密接な繋がりがある彼女だからこそ察知した。逆に言えば、仕掛けた者はそれだけ手慣れた相手ということだ。エヴァは一度考えてからノートパソコンを閉じる。その動作で主人の次の行動を予想し、チャチャゼロはニヤリと笑って起き上がった。

 

「茶々丸、夕飯の支度は一旦置いておけ。これから出るぞ、お前も来い」

 

「はい、マスター」

 

詳しい事情を聞くことなく茶々丸はエヴァに従う。彼女が言うならそれが自分のすべきことなのだと信じて疑わない姿は、二人をよく知らない人物が見たのなら危うく映るかもしれない。しかし茶々丸が従うのは、彼女がエヴァに絶対の信頼を置いているからこそだ。誰に命令されたわけでもない。自分自身で見て感じた経験から主を信じると決めている。常に隣にいると言って差し支えないエヴァと茶々丸の関係もまた、ただの主人と従者という一言だけでは片付けられないもであった。

 

エヴァは掛けてあったコートを羽織る。今日はただでさえ騒がしい街が一際賑やかになる日だ。そうした日は自宅でくつろぐに限ると思っていたが、大幅な予定変更となりそうである。この日に外出するのは何年振りだろうか。

 

「ケケケ、楽シイ夜ニナリソウカネ」

 

「全ては祐次第さ。まぁ、起きるものがどんな事柄であれ私が見ていてやればそれなりに気合を入れるだろう」

 

エヴァが重い腰を上げたのもほぼそれが理由だ。学園の警備を受け持ってはいるが、それなりに大事でなければ自分が出る必要はないと考えている。しかし近場で、もっと言えばこの街で招かれざる騒ぎが起きるとなれば彼が黙っているはずがない。すぐそこで愛する弟の奮闘する姿が拝めるのなら、彼女に行かない理由はなかった。

 

「ソイツハイイナ、オレモ期待シチマウゼ」

 

「何も起きない可能性もあるが…そうはならんだろうな」

 

祐ではないが確信めいた予感がエヴァにはあった。元々今日という日は好きな日ではない。能天気な連中の浮かれた姿が嫌でも目に入るからだ。だからと言って混乱に飲まれてしまえなどとは思わないが、また祐が面白いものを見せてくれるかもしれないとは期待してしまっている。

 

「セッカクノパーティーナラド派手ニヤッテホシイモンダ」

 

「さて、どうなるかな」

 

素早く支度を終えたエヴァ達は外に出る。パーティー会場に向けて歩みを進めれば、賑やかな声が聞こえてくるのにそう時間は掛からなかった。

 

「毎度毎度よくやる。信奉者というわけでもないだろうに、まったくこの国の奴らの宗教観は分からんな」

 

こう感じるのは出身や文化の違い故か、呆れたように呟いたエヴァの独り言は静かに寒空へ溶けていった。

 

 

 

 

 

 

配られていたパンフレットに目を通している祐の隣にいた正吉もパンフレットを覗き込む。その際祐が右手に持つじゃがバターの匂いが風に乗ってきたことで食欲が刺激された。

 

「俺も後でそれ買うか」

 

「美味いぞ、クソ熱いけど」

 

正吉は軽く頷いて案内図に視線を戻す。こうして改めて見るとたった一日の、それも学園の催しだというのに恐ろしい規模感である。このことに違和感を然程覚えていない自分の感覚は、もしかするとそれなりに麻痺しているのかもしれない。

 

「なんか気になるのあったか?」

 

「校内で展示会やってんだね。何があるんだろ」

 

「美術部が描いた絵から工学部の発明品、いろんなものがあるみたいだよ」

 

話が聞こえていた純一が答えると、祐はある一点が気になった。

 

「美術部…そういえば明日菜って美術部だったよな?」

 

「え?ああ、言われてみればそうだったような」

 

祐の言った通り明日菜は美術部に所属している。しかしアルバイトの関係で毎回参加しているわけでもなく、彼女自身があまり部活の話をしないことから幼馴染の中では少し印象が薄かった。

 

「てことは明日菜の絵が飾れてる可能性があるのか」

 

「そう言われると無性に気になる」

 

「よし、行くか」

 

祐と純一は即決して周りに提案する。しかし男子達は特別そう言ったものに興味があるわけでもないので、ここで待ってるから見てこいといった反応だった。

 

「この醜男共が!」

 

「なんだテメェ!」

 

祐が気乗りしない男子陣に謎の喧嘩を売る小競り合いはあったものの、最終的には興味がある組とそうでない組で一旦別れ、時間になったら集合することに決まる。こうして祐と純一と正吉、そして意外に乗る気だった薫と鐘をはじめとした数名の女子達で展示会に向かった。

 

実際に目的地に着くと外の広場に比べれば人は少ないが、それでも程々に人は集まっているようだ。余談だが来る途中で入り口に飾られている麻帆良祭にて使用された大学部のロボットを見て祐は一人苦笑いをしてた。

 

 

 

 

 

 

「うわ、やっぱ人多いな」

 

並んで会場を歩く千雨とザジは、流れていく人の波に視線を向ける。通るにしてもなるべく密集していないところにしようと考え、少しでも空いている場所を千雨は進んだ。

 

「賑やかなだと聞いていましたが、噂に違わぬ様子ですね」

 

「ん?お前もしかして来たことないのか?」

 

「はい、会場の方には。毎年サーカスの公演がありましたから」

 

先程ザジが言っていたように、公演が終了した後には撤収作業もある関係であまり自由な時間がないのかもしれない。するとお互いにクリスマスパーティーには初参加ということになる。彼女の初体験に関わるとなると、何故だか急に責任があるような気がしてきた。

 

「なので長谷川さん、先導をお願いします」

 

「私も来たことないって言ったろ」

 

「そうでした、これまた失敬」

 

(ボケてんのかマジなのか分かんねぇ…)

 

相変わらず表情に変化がない為にザジの感情を読み取ることは難しかった。ただ最近は考えるだけ無駄なような気もしている。こちらも特に取り繕わず、自然体でいる方がお互いに気楽なのかもしれない。

 

「ですが取り敢えず私の前を歩いてください」

 

「なんでだよ!」

 

ぐいぐいと背中を押してくるザジに対して思わず千雨は大きな声を出した。これもある意味自然体なのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

祐達は校内を進みながら、同行者の一人でありクリスマスパーティーの実行委員であることから詳細を尋ねられた詞より説明を聞いていた。それによると現在の校内は一つ一つの教室を展示会場に見立てており、それぞれ種類分けをしているそうだ。

 

「なるほどね、ありがとう絢辻さん。お礼に僕の絢辻さんに対する好感度を上げとくよ」

 

「あ、うん…」

 

「この反応は…絢辻さんの僕に対する好感度も比例して上がったと見える」

 

「驚くほどの節穴だなお前」

 

誰がどう見ても詞は反応に困っているだけだ。そう綾子に指摘されて祐は驚きに顔を染めた。一人だけ違う世界が見えているのかもしれない。

 

「そんな!俺を騙したんだな!」

 

「誰がお前を騙したというのか」

 

「あとお前からの好感度なんて要らないとストレートに言われないだけありがたいと思え」

 

綾子の正論にすかさず正吉からも言葉のナイフが飛んでくる。どうやら祐に味方はいないらしい。妥当である。

 

「黙れスシ王子もどき!」

 

「誰が麻帆良の堂〇剛だ!」

 

「お前はお前で都合のいい解釈すんな!」

 

「どっちもどっちだな」

 

取るに足らないやり取りを続けていると美術部の作品が展示されている教室に着いた。入り口と書かれているドアから入室すると、そこには先客として士郎と一成がいた。

 

「おっ、祐じゃないか。なんだその帽子…」

 

「うっすお二人さん、昼間ぶりだね。これイカすだろ?」

 

手を上げて近寄る祐の背中から純一と正吉が顔を出だす。二人も士郎と一成を見て反応した。

 

「あれ、二人も来てたんだ」

 

「こりゃなんだか懐かしい面子だな」

 

「確かに、言われてみると久方振りな気がするな」

 

祐だけでなく純一や正吉も士郎達とは中学時代から知り合いだ。今も教室は隣だがこうして話すのは久々である。どうやら士郎と一成は祐の帽子にこれ以上触れないことにしたようだ。

 

四人が親しげに会話をしている中、一成は後ろに綾子と楓もいたことに気が付いて少し苦い顔をする。いや、よく見ればあの遠坂凛もいるではないか。可能ならば今すぐこの場を後にしたくなった。そして同じように相手の存在を見つけた綾子と楓は笑みを浮かべるが、それはどうにも友好的なものではなさそうである。

 

というのもこの三人と一成はお世辞にも仲良しとは言い難かった。しかしこんな日に日頃のあれこれを持ち出すのも風情がない。下手なことを言われる前にと一成は先手を打って祐に話し掛けた。

 

「それにしても、逢襍佗がここに来るとは少々意外だな」

 

「まぁ、芸術方面に明るくないのは確かだ。ただ幼馴染の作品があるかもしれなくてね」

 

「ほう、噂に聞くお前の幼馴染か」

 

「あっ、祐。あったわよ、明日菜の絵」

 

「マジか!どれどれ」

 

一人作品に目を通していた薫の声に祐が反応して向かう。周りもなんとなく後をついていくと、そこには明日菜が描いた風景画が飾られていた。以前から明日菜が制作を続けていた、自然豊かな景色に虹が架かっている作品である。

 

「これを明日菜が書いたんだね」

 

「そうとは思えない繊細なタッチだ」

 

「アンタ怒られるわよ」

 

大変失礼な発言をしたが、素人目に見ても魅力的な風景画だ。幼馴染だからと贔屓目で見ている可能性は否定できないものの、それでも惹かれるものがあったのは間違いない。

 

「もう部活に入ってるとは言ってたが美術部だったのか、惜しいな」

 

「まだ諦めきれてないの?」

 

「そりゃあね。あれは中々の逸材だよ、間違いない」

 

明日菜の身体能力に目を付けた綾子は、実のところ一度自身が所属している弓道部に誘ったことがあった。しかし既に部活に所属していることと、アルバイトの件もあって掛け持ちは難しいと言われて納得するしかなかったのだ。その話を聞いていた凛は少し呆れた視線を送る。

 

凛も関わりが薄いとはいえ、明日菜の運動神経が優れていることは一緒になる体育の授業だけでもよく理解している。凛本人に自覚があるかはさて置き、遅れをとるものかと熱くなっていたのは一度や二度ではなかった。

 

「綺麗な絵だねぇ。私芸術的なことは全然分かんないけど」

 

「お恥ずかしながら私も…でも、綺麗だなって私も思ったよ」

 

恵子と春香も絵を見ながら感想を呟いた。そこでふと春香は祐の顔を窺う。彼は腕を組み、周りと同じように絵を見つめていた。優しく微笑んでいるその姿はどこか嬉しそうで、それでいて喜んでいるように見える。言葉にできない、目に見えない強い繋がりを感じられるようなそれに、これまた言語化できない羨ましさを春香は人知れず感じていた。

 

 

 

 

 

 

「そこのお兄さん」

 

開始早々ナンパが失敗したことなど疾うに忘れ、繰り返し女子達にアタックを続ける弄光。結果は芳しくないがそれでも本人に気にした様子は微塵もなかった。そんな時、背後から可愛らしい声が聞こえる。遂にきたかと髪をかき上げて弄光が振り返ると、そこにいたのは青白い髪をした美しい少女だった。

 

先述の通り美しいことに間違いはないのだがあまりに幼すぎる。恐らく初等部位だろうとがっかりした心情は隠し、弄光は返事をした。

 

「どうかしたかいお嬢ちゃん。もしかして親御さんとはぐれたか?」

 

「ううん、違う。僕ね、お兄さん達と遊びたいんだ」

 

「俺達と?迷子ってわけじゃないんだな」

 

「迷子じゃないよ。ねぇねぇ、僕と遊ぼうよ」

 

やけに押しが強い気もするが、こうも求められると例え相手が子供であっても悪い気はしない。幼すぎるとは言ったがモテる男として子供にも付き合ってあげる器量は持ち合わせているべきだろう。そしてあわよくば、それを見ていた女性達から自分の評価が上がってくれれば言うことなしである。弄光は考えを改めた。

 

「君はまだ子供だが、男として女性を無碍にするわけにはいかないな」

 

『流石弄光先輩!子供でも見境なしだぜ!』

 

「人聞きが悪いこと言うな!」

 

今から周囲の好感度を稼ごうというのに、これでは逆効果である。そんな弄光達の様子に青白い髪の少女マレフィは笑みを浮かべた。

 

「私と遊んでくれるんだ。ありがとうお兄さん、優しいんだね」

 

「フッ、それ程でもないさ。えっと…君名前は?」

 

「僕はマレフィだよ。じゃあお兄さん、早速遊ぼうか」

 

「へ?」

 

マレフィの髪と同じ色の瞳が輝きを帯びた。突然のことに弄光は呆けている。そんな彼の背後から、どこからともなく地面を伝って現れた黒い影が接触した。

 

影は確かに弄光を捉えた。こうなれば他の街で起きた現象がここでも繰り返されることになる。しかし待てども弄光には何も変化が起こらず、暫くお互いに黙ったまま相手を見つめていた。

 

「えっと…君、今目光らなかったか?」

 

「驚いた、クリスマスに対してネガティブな感情がまったくないんだね。僕が見ていた間だけでも、声を掛けた全員に相手されてなかったのに」

 

「急に失礼なこと言ってきたぞこの子供」

 

言葉通りマレフィは弄光の精神に驚愕していた。あれだけ結果が出なければ何かしら負の感情を抱きそうなものだが、弄光の中には欠片も存在していなかったのである。恐るべき図太さと言わざるを得ない。

 

「人が違えばここまで変わるものなんだ。やっぱり面白いね、勉強になったよ」

 

「…さっきから何言ってんだ?」

 

一人で納得しているマレフィに弄光は訝しんだ視線を送る。だが彼女から何か反応が返ってくることはなく、どうにも意思疎通が出来ていないように思える。ここまでくると目の前の少女に気味の悪さを感じていた。

 

「よし、それじゃ予定変更。もう始めちゃおう」

 

そう言ってマレフィは指を鳴らす。発せられた音に反応するように、弄光に触れていた影が蠢いた。それと時を同じくして、この街中に無数の影が浮かび上がる。

 

 

 

 

 

 

「この後ビンゴ大会でしょ?早めに行こうよ」

 

「そうだね、ギリギリになったら混みそうだし」

 

再度集合した一年A組の先頭を歩くまき絵の声にアキラが反応した。これからメイン会場で行われるビンゴ大会は、豪華賞品が用意されていることもあってクリスマスパーティーの中でも特に人気の催し物であった。他のクラスメイトも異論はなく、メイン会場へと進んでいく。

 

その時後列にいた美空はなんとなく後ろを振り返ると、たまたま自分の後ろにいたさよと目が合う。真っ白な印象を受ける彼女の姿を綺麗だなとぼーっと見つめていた時、途端に表情が固まった。さよは当然首を傾げる。

 

「美空さん?」

 

「あ…あのさ、さよちゃん…」

 

「はい」

 

「その…後ろにいる人って、さよちゃんの知り合い…だったりする?」

 

「後ろにいる人?」

 

さよは振り返って後方を確認する。するとそこには真っ黒な人型の何かが佇んでいた。目を凝らしても見える姿は変わらない。光の角度などでそう見えるのではなく、本当に黒一色なのだ。顔も服装も漆黒の為に窺うことは叶わない。目の前の存在は、正に立体的な影そのものであった。

 

「これは…」

 

「あ〜…その感じだと初対面っぽいね…」

 

初めから望み薄だったが、やはりさよの知り合いではないらしい。美空は嫌な予感をひしひしと感じていた。

 

「な、なにこれ…」

 

「出し物とかじゃないよね…?」

 

次第に周辺からざわめきが起こり始める。周りに視線を配ると、同じ姿をした影が続々と地面から浮かび上がっていた。現状に戸惑いつつも、明日菜や刹那はクラスメイトを守るように前へと出る。

 

「急に出てきて、なんなのこいつら」

 

「分かりませんが、友好的には見えませんね」

 

同じように一歩前に出ていたネギも影を注視する。未だ影に動きが見られないことに不穏な空気が濃くなった。

 

(兄貴、こいつらどうにも魔力で生み出された存在っぽいぜ)

 

(うん、僕も魔力を感じた。でもいったい誰が…)

 

(それに関しちゃさっぱりだ)

 

周りに聞こえないようカモと念話をしつつ、いつでも動けるようにと準備をしながら正体不明の相手から決して目を離さなかった。

 

 

 

 

 

 

「写真撮っていいよね?」

 

「禁止とかは書いてなかったし、いいんじゃないか?」

 

それ程堅苦しい会ではないので問題ないと思うが、一応隣にいた楓に聞いてから祐はスマートフォンを構えた。それを察知した薫はわざと画面に映り込んでピースサインをする。

 

「邪魔だバカタレ!」

 

「邪魔ですって⁉︎せっかく私を撮らせてあげようとしたのに!」

 

「頼んどらんわ!」

 

冗談を言い合う二人のやり取りに周りも笑い出す。薫が引いたところで入れ替わるように正吉がカメラに入ってくるなどふざけ合いを続けている時、楽しそうだった祐の表情が変化した。

 

「祐?」

 

「そんなに梅原が被写体として気に入らなかったか?」

 

「それは流石に失礼だろ氷室!」

 

鐘の無慈悲な発言に正吉がダメージを受けていると、祐はスマートフォンを下ろして振り返る。その視線の先には何もない。

 

「あ、逢襍佗君…?」

 

春香が心配して声を掛けつつ、祐の視線の先を確認する。すると先程まで何も無かった筈の地面に丸い影が出現した。次第に影は浮かび上がり、外に出現した人型のものに変貌する。教室にいた他の学生達も影の存在に気が付き、驚きの声が上がった。その中でも逸早く反応した士郎が祐の隣に立つ。

 

「祐、こいつは?」

 

「分からん。ただいい感覚はしないってだけ言っとく」

 

たとえ直感でも祐が良くないと言ったのなら、それはほぼ答えのようなものだ。士郎は一層警戒心を強くする。すると項垂れたような姿勢で静かに佇んでいた影が顔を上げた。真っ黒だった顔に二つの赤い光が灯る。恐らく目なのだろう。その視線は祐達に注がれていた。

 

「…許さん」

 

 

今の声は間違いなく影から発せられたものだ。見た目と雰囲気から想像はしていたものの、どうやらこちらに害をなす存在と見てよさそうである。祐は視線を鋭くした。

 

「許さん…許さんぞクリスマス!」

 

「……は?」

 

「クリスマスを!撲滅せよ!」

 

 

 

 

 

 

『撲滅せよ!クリスマスを撲滅せよ!』

 

無数に現れた影は突如喋りだし、上記の言葉を発しながら拳を突き上げている。意味の分からない状況に先程まで張り詰めていた空気が一変した。

 

「なんじゃそりゃ…」

 

「こっちが聞きたいわよ…」

 

目の前の影が正体不明なことに変わりはないのだが、どうにも呆れの感情が強くなってしまう。もしや新たな侵略者かと身構えていたハルナと和美はなんとも言えない顔をして影を見ていた。他の生徒達も様々な理由でどうしていいか分からず静観することしかできないでいる。そうしている内に影の一体がある生徒を指差した。

 

「貴様、カップルだな?」

 

周囲の視線が影の指先に集中する。その先には言葉の通り学生カップルがいた。急に注目された二人は居心地が悪そうである。

 

「許すまじカップル!」

 

「あっ!こっちにもいるぞ!」

 

「いたる所がカップルで溢れかえっておるわ!」

 

「クソッタレがよ!」

 

怒りを露わにする影達は地団駄を踏んでいる。周りからすれば見るに耐えない光景であった。

 

 

 

 

 

 

「なっ!なんだこいつ⁉︎」

 

目の前に現れた影に弄光は驚愕した。周りも騒動に気が付き、恐る恐る様子を窺っている。そして影の隣に立つマレフィは現状を見て愉快そうに笑っていた。

 

「ここまで具現化させたのは今日が初めてなんだ。さぁ、その姿の君の力を見せてみてよ」

 

マレフィの声に影はゆっくりと動き出す。身の危険を感じて弄光はじりじりと後ずさった。

 

「感じるぞ、陽の気を」

 

「何を言って」

 

「くらえ!ネガティブ光線‼︎」

 

「ぐわああああ‼︎」

 

『弄光先輩‼︎』

 

影の赤い瞳から発射された光線が弄光に直撃すると爆発が起きる。広がる煙をかき分けて後輩達が弄光を探すと、そこには膝を抱えてうずくまっている彼の姿があった。

 

「も、弄光先輩…?」

 

「…どうして誰も俺の魅力に気が付かないんだ」

 

弄光の一言に後輩達が冷や汗を流した。見たところ外傷はなさそうだが、それ以上に無視できない部分がある。

 

「こんなことしてても無駄なのかもな…」

 

「そ、そんな…」

 

「まさか弄光先輩が…」

 

「どうせ何回声を掛けたって上手くいかないさ…」

 

「う、嘘だろ⁉︎」

 

『弄光先輩がネガティブになってる⁉︎』

 

弄光のことをよく知る後輩だからこそ、今の姿を信じられなかった。彼はどれだけ雑に扱われてもへこたれない男なのだ。それが今はどうだ、まるで風が吹けば吹き飛ばされそうな程弱々しい背中ではないか。後輩達はここにいる誰よりも影が放った光線に戦慄した。

 

「うん、このお兄さんにも効果があるなら問題ないね。さっ、好きなように遊んでおいで」

 

実験は成功だ、申し分ない威力を発揮した。後は彼らの思うままにさせればいいだろう。マレフィは再び指を鳴らす。それは影にとって開戦の合図であった。

 

「御意!」

 

「陽の者達に鉄槌を!」

 

「叛逆の狼煙を上げろ!」

 

いつの間にか数を増した影が生徒達に向けて走り出すと、生徒達は一目散に影から逃げ出した。しかし影は諦めることなく一直線に生徒達に向かう。

 

「きゃーーー‼︎」

 

「なんか分かんねぇけどこっちに来るぞ!」

 

「に、逃げろ‼︎」

 

「ネガティブ光線発射‼︎」

 

「うわあああああ‼︎」

 

逃げる男子生徒にも光線が命中する。そうなればこの男子生徒もたちまち気力を無くし、その場で塞ぎ込んでしまった。

 

「なんでクリスマスだからって、彼女がいないと惨めに感じなきゃならないんだよ…」

 

「また新たな犠牲者が!?」

 

「な、なんて恐ろしいことを…!」

 

既に楽しかったクリスマスパーティーはそこにはない。いまいち緊張感に欠けるかもしれないが、当事者からすればそんなことは言っていられない状況である。この街は今、未曾有の危機に曝されたと言って差し支えないだろう。

 

 

 

 

 

 

そして舞台は戻り一年A組のいる広場。マレフィの合図を感知したこちらの影達もついに動き出した。

 

「始まったか!」

 

「陽の者を許すわけにはいかん!」

 

「いざ!攻撃開始!」

 

『ネガティブ光線‼︎』

 

影はまずカップルの男子生徒に光線は発射した。目の前に迫る赤い光に成す術もなく立ち尽くす男子生徒は恐怖から目を閉じる。

 

しかしその脅威が降り掛かる寸前、ハリセン状態のハマノツルギを握った明日菜が射線に入り込むと光線をはたく。するとハマノツルギの効果により光線は粒子となって消え去った。

 

「明日菜⁉︎」

 

「すごっ!」

 

「てかあれ、夢の中で持ってたハリセンじゃない?」

 

クラスメイトから驚きの声が上がる。そしてカップル達を助けたのは彼女だけではない。明日菜と同様に別の光線を切り裂いた刹那。狙われていたカップル達を抱えて飛び退いた真名、楓、古菲。最後にネギは自身を盾として、向かってくる光線を魔力によって無効化した。

 

「今ネギ君光線防いだよね…?」

 

「もしかしてここって夢の中だっりする?」

 

「皆さん!僕達の後ろに下がって!そのまま避難してください!」

 

ネギはA組だけでなく周りの生徒達に声を掛けるが、何人かは唖然として動けずにいる。それを察知したあやか・和美・ハルナが立ち止まっている生徒達の誘導を開始した。

 

「ぼーっとしていてはいけません!ここから離れますわよ!」

 

「ほらほら!動いて動いて!でも人を押し除けちゃダメだからね!」

 

「ネギ先生の後ろまで行こう!そしたら大丈夫!」

 

あやか達に手を引かれて我に返った生徒達が続々と動き始めると、それを見ていたA組も彼女達と同じように動き出した。

 

「こっちこっち!ここからセーフティゾーンになります!」

 

「みんな!おはだよ!おは!」

 

「何それ?」

 

「多分押さない、走らないってやつじゃない?」

 

彼女達持ち前の明るさ故か、それとも夢の中とはいえ一度同じような経験をしたからか、不安や恐怖感に支配されることなく周りを手助けする。そんな状況を確認し、真名が拳銃を取り出した。

 

「生徒を避難させるぞ、私が先導する。古、隣は任せた」

 

「任せるアル!」

 

「楓は殿を頼む。逸れる奴が出ないようにな」

 

「承知でござる」

 

「皆さ〜ん!こっちですよ〜!」

 

「落ち着いてな〜」

 

さよと木乃香が呼び込み、人が集まったことで避難が開始されつつある。だがそうはさせんと影も動き出した。

 

「いかせん!」

 

「それはこっちの台詞だっての!」

 

走ってきた影を迎え打つように一撃を叩き込む。そうすれば光線と同様、影も瞬く間に消え去った。

 

「明日菜やる〜!」

 

「いいぞハリセンガール!」

 

「いよっ!ハリセンゴリラ!」

 

「うるさいわよ!とっとと避難しなさい!」

 

ヤジのようなものを飛ばされつつも、この場を通すものかと影達に立ち塞がった。避難は真名達に任せておけば大丈夫だろう。自分達がやるべきことは、ここで皆の退路を死守することだ。アーティファクトを構えれば、ネギと刹那が横に並んだ。

 

「あんたらがなんだか知らないけど、簡単には通してやらないから」

 

「お前も陽の者だな?これだから陽の者は…」

 

「…ようのものってなに?」

 

「わ、分かりません…」

 

影の言っていることが分からずネギに聞くが、ネギも首を傾げる。すると影がネギを指差した。

 

「こいつも陽だ」

 

「気に食わん」

 

「将来有望のガキとか一番腹立つ」

 

「お前見てると自分が惨めになる」

 

「謝ってほしい」

 

「えぇ…」

 

相変わらず意味はよく分からないのだが、恐らく妬みのようなことを言われているのだろう。謂れのない誹謗にネギは困惑していた。そして明日菜・ネギとくれば次の矛先は刹那となる。

 

「こいつは陰だな」

 

「可愛い顔してるけど陰だと思う」

 

「そして多分むっつりスケベだ」

 

「ちっちゃいのに堪らんな」

 

「気分が高揚する」

 

「……」

 

影に好き放題言われても刹那は何も言わない。ただし、額には青筋が浮かんでおり、目だけで人が殺せそうな顔をしていた。、

 

「せ、刹那さん…」

 

(か、顔が怖い…)

 

(めちゃくちゃピキってるな…)

 

 

 

 

 

 

「…何言ってんだ?」

 

「クリスマスを楽しんでいるお前達には分かるまい、俺の悲しみなど」

 

(話通じねぇなこいつ…)

 

そして影と対峙している祐は疲れた顔をしていた。言葉は通じているようだが、話は通じていない気がするので会話をしようとするだけ無駄なのかもしれない。こちらもこちらで妙な空気が漂っていた。

 

「な、なぁ…こいつなんなんだ?」

 

「私にも分からない」

 

「幽霊じゃないみたいだけど…」

 

陸上部三人娘が小声で話している中、凛は黙って様子を見守っていた。周りを密かに観察してみると、この状況で落ち着いているのは祐と次いで士郎といったところか。純一は祐の幼馴染だと聞いていたが、どうやら荒事には然程慣れてはいないらしい。まぁ、不安そうな様子の理由はそれだけではないのだろうが。

 

「ともかく外に出てくれると、こちらとしては助かるんだけど」

 

「お前にも味合わせてやる…この悲しみを!」

 

祐の話など聞く耳持たず、影の両目が強く発光する。攻撃標的は祐のようだ。

 

「受けろ!ネガティ」

 

声はそこで止まる。技名を最後まで言えなかったのは祐が影の顔を右手で掴み、そのまま床へと叩きつけたからだ。校舎全体が揺れたと錯覚する程の振動が伝わる。後頭部を強打した影は砂のように消えた。周囲が静寂に包まれる。全員の目は、ただ一人の背中に向けられていた。

 

状況が状況なのでいつまでもここにいるわけにはいかない。気が重いが観念して振り返った祐は、自分に集中する視線に気まずそうな顔をしながら口を開いた。

 

「あ〜…取り敢えず避難しようか」

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